青毒
愁 作
愁 訳
サイコロジック・ミステリーを目指して書いてます。
読む前に、これは愛無しの男同士の性的描写もあるので苦手な方はご注意ください
1
人間には三大欲求というものが存在しているということは誰しもが知っていることである。
それは食欲、物欲、そして性欲だ。
そして自分が考えるにそれは万人が自らを身体的、精神的に快楽を経験した時に作りえた言葉であると思う。
だが俺にはそういった快楽というものは、この世界で禁じられているとされる行為……殺人である。
思春期を迎えたころそれを自覚した。
だが知った時には其れが禁忌であることも知っていたし、だからこそ自分を気色悪いバケモノだと思い
自分を傷つける行為を毎日のようにした。
そうして親はそんなことをする俺を憐れむ様な目で精神科病棟の重患者室に入れさせた。
白いだけの窓もテレビも何もない空間には常人ならば気が狂いそうにになり1週間も居れないのではないかと思うが、
当時の俺とって其処は外界から遮断されたような気分になり、一番安心できた場所だったのかもしれない。
「おはようユズキ」
そうこう少し前の事について振り返っていると俺の隣で眠っていたノガミが起きてきた。
「おはよ…んふっん…あっ」そう言うといつものように俺は彼の唇に口づけた。
「おまえは本当に欲しがり屋さんだなぁ」
別に俺はこいつが好きとかいう感情は無い。
だが、白いだけの部屋に3年間も居たせいか、いつの間にか女を抱いても体は満足できないタチになっていた
し、自分を苦しめることが快感に変わってしまうから仮退院した後、親に見離され住む場所のなかった俺に体と引き換えに
住むところを提供してくれるという彼は俺にとって本当に都合がよかった。
「ねぇコレしてみて?」
「うん?」情事が終わった後、ベッドに寝転んだノガミは近くにある引き出しから黒いチョーカーを取り出した。
彼は顔はいいが首輪や拘束具のようなものを俺に着けたがる変わった性癖の持ち主だ。
「じゃあつけて?俺こういうの上手く着けらんないし」
青毒