わがまま

もっとそばにいてもっとそばで囁いて
僕のわがままなんだって気づいたよ
もう十分僕の手の届くところにいる
そのはずなのに、少しだけ隙間をぬって僕のそばから通り抜けていくような気がするんだ
どんなに甘い言葉で埋め尽くしたって
隙間はどんどん広がってぼくの丁度胸の真ん中あたりをぽっかり開けていくんだ
少しも逃さないでいたいんだそれなのに
砂みたいに細かい塵になって白くキラキラ輝きながら
後ろに流れていくんだ
その姿は美しくて見惚れて見ていたいから誰も止めないんだ
でも僕は痛いんだ
穴の中にまた穴が開くように
涙も吸い込んでしまう柔らかさに
どうせなら全てを崩して
そんなに僕を通り過ぎたいなら

わがまま

わがまま

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-05-05

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