『幸福論』
貴方の指が唇をなぞり
アタシの舌がそれを追う
『幸福論』
このまま二人で
どこか遠くへ行きたい
そして静かに暮らしてゆきたい
遠い遠い幸せの街で
貴方が異端なら
アタシもまた異端なのに
人は何一つ分かってはくれないわ
分かろうともしてはくれない
三つ編みを結う時の
貴方の指は凄いね
さくさくと進んでゆく
その感じが大好きよ
制服を脱げばみんな同じはずなのに
どうしてこんなにも
道を外れてしまったのか
ただリボンを解いただけなのに
あの日の歌をなぜか思い出せないの
あんなに好きだったのに全然歌えない
もどかしいくらい閊えて泣きそう
貴方が笑うから別にいいけど
ワンルームで貴方の膝に甘えて
夕暮れを眺めている今が
余りにも幸福だからだろうか
アタシは時々逃げたくなるの
どんなに幸せでも
なぜか急に虚しくなる
他の人みたいな普通を願ってしまう
なのにすぐ貴方を失いたくないと思う
「まるで我が儘が信条ね」
『幸福論』