シミュレーション

生きることに疲弊したとき
悪を為す自分を想像する
すると少しだけ心が晴れる

自殺は悪だろうか
私は自殺を否定も肯定もしない
だから悪でも善でもない

人が死ぬということは
一つの宇宙が閉じること
そう説いた人間がいた
それは可能性を奪うこと
ありえたはずの未来を奪うこと

自殺を考えることは
夜をやり過ごす最良の手段だ
そう説いた人間もいた
行為が裁かれるのか
動機が裁かれるのか
それは誰が決めるのだろう

私という宇宙は
まだそこに在りたがっているだろうか
それとも、閉じたがっているだろうか
それは私にも判断できない
私が判断できるのはただ
自殺は悪でも善でもないということだけ

私は惰性で生きていくことだろう
苦しい夜には死のイメージに縋って
この世界に未練などないことを再確認して
眠りという死のシミュレーションを行う

シミュレーション

シミュレーション

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2026-04-19

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