詩
どうしようもない
社会性がない
どうしようもない
人間嫌いの寂しがり屋
めんどくさいことこのうえない
いつまでこんなことを言っているのか
死ぬ間際まで言っているのだろうか
哀れな奴だ
世間からも見放されて
今日も仕事から帰っていく
そのうちどこにも居場所がなくなるのだろう
それはお前が自分で招いた結果だろう
自己の二面性と向き合ってこなかった結果だろう
自然と心
桜が咲いて
ツツジが咲いて
紫陽花が咲いて
ヒマワリが咲く
少し前の冬の時期はなんだったのだろう
私の心が壊れていても草木は元気だった
私を置き去りにして自然は変わっていく
私と自然の間に謎がある
この謎を解こうとして
人間はずっと急かされている
強さと弱さ
自然を征服する技術が向上した
だから弱さを受け入れられる社会になった
みんな競って弱くあろうとしている
強くならなければいけない必然性がなくなった
弱さという玉座をめぐる争い
私もそこに加担している
心も身体も疲れ果てた
強さを求める心と弱さを求める心で
いつも引き裂かれていて
人生が滅茶苦茶になっていく
散歩
新緑の中散歩するのは気持ちいい
少し暑くなってきた
空気に熱が感じられる
季節外れの蚊が耳元でざわつく
未来のことは考えなくていい
少しの間だけ植物と時を過ごす
苦痛だけが人生の事実だとしても
細部
粗削りな言葉で本質を探る手法は好かない
比喩と言葉遊びが軽視されすぎている
言語表現はますます簡素になっていく
SNSが言葉をやせ細ったものにさせる
そうして皆本質にしか興味がなくなる
最短距離で真理にたどりつける社会の到来
比喩は削減され歪な論理が跋扈する
とにかく本質を持ってこいの大合唱
本質主義がどこでも顔を出す
細部を気にかける人はもういない
言葉が先にくる社会になった
社会に偶然が少なくなるほどに比喩はいらなくなる
死と向き合うのはやっぱり好かない
本質なんてたいした価値はないのに
空を見上げる
気づけばこの星で命を与えられ
知らない間に生かされている
信仰なくして人は生きられない
私が信じている歌はなんだろう
あなたの歌を聞かせてください
もう私の心は壊れているのだけれど
それでも響いてくるものがある
さびしさの中に安らぎを見出す
敗北
敗北を知るのは難しい
敗者を装いながら自分の中で勝ち続けることは可能だ
敗者という仮面を被る勝利しか知らない人
現代社会の病理かもしれない
自分もそうなのかもしれない
命は真の敗北を知ることはできない
死と敗北はまったく違う
敗北を知ることは永遠への道に近づいていくのだろうか
でもやっぱり私は勝ちたい
結局生き物にすぎないから
予定のない休日
きれいな音楽を聞いていると一日が終わってしまう
もう何もしたくない
考えたくない
本ももう読みたくない
ずっと横になっていたい
本当に限界が来ている
もう勤勉な生き方はできない
音楽はずっと流れている
窓の外の景色はいつもと変わらない
生命
生きることは不思議だ
皮膚の内側と外側でまるで世界は違う
内側では数十億年受け継がれた機能が作動している
道端の草木も同じようにその機能に従っている
生命と非生命の間に断絶がある
花と岩ならどちらが好きですか
海岸沿いの生命が希薄な場所が好きだ
私の中で臓器たちは動いている
重力に逆らって血は体内をめぐっている
皮膚の外側は重力に従い内側は抗っている
また日曜の夜
明日にならないでほしい
いやだ
どこにも居場所がない
まちがいだらけの人生
無理をしてきたツケがきている
どうしたものか
どうにもならないのか
怖い
視線が怖い
みんなが俺を見ている
何かがどうしようもない
俺の中の何かが欠落している
どうしようもなく欠落している
いつもよけいな苦労をしている
疲れた
本当に疲れた
詩