1997.04.03・短歌
終末の始まりに今対峙して
警告の陽に心を決める
幻影に疼く傷跡痛ましく
自嘲の涙流れるままに
易き身を流星群に横たえて
しばし漂う夜明けを忘れ
白色の矮星となりし情熱も
光は残る我が内の宇宙(そら)
救済を求めて明日も歩くだろう
荒れ野を越えて時空を超えて
密やかに空気が揺れる一瞬を
捕らえて熱い口づけをして
甘やかにそうして少し強引に
恋の地獄ヘ堕として欲しい
その髪をその瞳(め)その胸その肌を
恨むが如く焼き付ける春
呼応する二つの魂触れ合えば
歓喜の謳は遍く響く
1997.04.03
1997.04.03・短歌