zoku勇者 マザー2編・5

ツーソン編・2

……翌日、ボロボロになったジャミルが再びアップルキッドの
家を訪れる……。

「も、持って来たぞ、200ドル……」

「ジャミル君、ご苦労様でしたって、目の下、凄いクマっ!!」

「大変なのだっ!!」

「いや、これぐらい平気だ、それよりも早く……、マシン、
を……つく……」

「ジャミル君っ!?」

ジャミルはその場に倒れてしまい、慌ててアップルキッドがジャミルに
駆け寄った。

「グウ~…」

「キッド、大丈夫なのだ、ジャミルは疲れて眠ってしまっている
だけなのだ、マシンが出来るまで寝かせておいてあげるのだ」

「そうだね、彼の事だから目が覚めたらすぐに出掛けちゃうんだ
もんねえ……」

アップルキッドはジャミルを自部屋のベッドに寝かせると、約束通り
早速タコ消しマシンの完成に向け、最後の作業に取り掛かる。

「なるべく……、ゆっくり休んでいて欲しいけど、そうもいかないん
だろうな……」

「すう……」

……ベッドで静かに眠るジャミルの姿を見つめながら、アップルキッドは
複雑な気持ちになる……。

「ねえ、マウス君、……僕、ずっと考えていた事があるんだ……」

「……なんなのだ?」


そして、又ジャミルの夢の中に……アイシャがテレパシーを送る……。


……ジャミル、聞こえる……?私よ……


「アイシャか、良かった、まだ無事だな、ごめんな、そっちに行くまで
もう少し遅くなっちまいそうなんだ……」

ううん、……私の為に……、ごめんなさい、こんなに傷だらけに……、
分るの、あなたの様子が伝わってくるの……

「これぐらい何ともねえって、もう色々と慣れてるからな……」

……な、何か気になる言い方だけど……、私、あなたに伝え忘れてた
事があったの、今私がいる場所なんだけど、近くで水の流れる音が
するの、多分、川……だと思うわ……此処に連れて来られた時は気を
失っていたから……、周りの様子も何があるのか本当に全然分から
なくて……、はっきりと伝えられなくてごめんなさい……

「大丈夫だよ、アイシャ、もうちょっとだ、何がなんでも耐えろよ、
もうすぐ絶対行くからな!」

……うん、ありがとう……、ジャミル、……信じてる……

「……アイシャ……、待ってろよ……」

其処で再びアイシャの声は途切れ、ジャミルも目を覚ます……。

「……流石に今回は……ジャミルのバカ攻撃はしてこなかったけど、
……ふぁあ~……」

「ジャミル君、お待たせしました!タコ消しマシンが完成したよ!」

アップルキッドが急いで部屋に入って来る。

「おお!完成したか、……これで障害物を排除できんだな……」

「うん、そのマシンはジャミル君に預けるよ、お役に立てて貰える事を
願っているよ!」

「あ、ありがとな、……その、昨日は悪かったな、怒鳴っちまって……、
つい……、カッとなっちまって……」

顔を赤くしてジャミルがアップルキッドに謝る。それを見ていた
アップルキッドがニコニコ笑った。

「いいんだよ、僕、元々こういう奴だから、それに普段は食べ物の事しか
考えてない奴だし、あ、後これ、受信電話!これも君に預けておくね、又
何か発明したら君に一番に連絡したいんだ」

「……お前、本当に凄い奴なんだなあ……」

アップルキッドから渡された受信電話を見て、ジャミルは思わずしみじみと
感嘆の声を上げた……。

「うむ!漸くウチの主人の凄さが分った様であるな!……くどくどくど!」

「マウス君、いいってば……、それよりも、早く急いだ方がいいよ、
マウス君はこうなると止まらなくなるからほっといていいよ、検討を
祈ってます!」

「ああ、本当に色々ありがとな!んじゃ、またっ!」

ジャミルはアップルキッドとマウスに見送られ、今度こそ、アイシャ
救出の為、グレートフルテッド谷目指して走り出す。……こっそりと、
自宅の窓からオレンジキッドもそれを見つめていた。

「全く、……僕の発明品の方が遥かに役に立つと言うのに、
どうしようもない人だ……」

「……ねえ、マウス君、僕がいずれツーソンを出て行きたいって
事も話したら、彼も応援してくれるかな……」

「勿論である!きっと応援してくれるであろう、彼ならば!」

「うん……」

グレートフルテッドの谷に続く東の洞窟を抜けると、其処は本当に谷一色の
風景であった。

「あ、橋が壊れてら、……この先、ハッピーハッピー村……、
通れねえ様に誰かが妨害で橋を壊したのか、タコの置物が
置いてあるのも妨害か……、しかしハッピーハッピー、どっかで
聞いた事が有る様な……、けど村があんのなら丁度いいや、戦いの
前の少しの休憩になるかな」

と、やや気楽に考えていたジャミルだが、後後、更にこの村で
とんでもない事態に巻き込まれる事になるのを今はまだ知らない……。

「ああ、もしもし、ちょっとそこのお兄さん」

「ん」

先に進もうとしたジャミルを、カンカン帽に三つ編みのお姉さんが
呼び止めた。

「私、珍しいキノコを集めてるの、もしもあなたの頭にキノコが生えたら
ホスピタルに行く前に私に頂戴、一本50ドルで買い取りさせていただくわ」

「……50ドル……」

の、言葉にひかれたが今はそれどころではないのでジャミルは只管
谷の道を急ぐ。北の方角に向かうとタコの置物が邪魔をしていると
いう場所まで漸く到着する。側では変なおじさんがおり、しゃがみ
込んで袋から何か取り出そうとしている。

「よし、これをタコに向って発射すりゃいいのか……」

ジャミルは障害物のタコに向かって早速タコ消しマシンを使ってみる。
……マシンは怪光線の様な光を発射し、邪魔なタコはあっという間に
消えた……。

「おおっ!すっげー!ッシャ!これで先に進めるっ!……本当に
マジで凄かったんだな、アップルキッド……、俺、アンタに頭が
上がんねえ……、デブ野郎なんて言って本当、ごめんよ!」

「……のおおおおーーん!!」

「な、何だっ!?」

ジャミルが喜んでいる横で、悲しい出来事が発生したらしい、どうやら
近くに座っていたおっさんがゴソゴソ袋から出したのはたこ焼き
らしかったらしい。……タコ消しマシンはタコその物も消してしまう、
場合によっては恐ろしい破壊兵器だったのだ……。

「僕のお弁当のたこやきーーっ!!」

「後で又買って食えっつーの!第一、わざわざこんなタイミングで
食いだすとか絶対嫌味だろ、おっさん!」

「……にょおおおおーーん!!」

どうしようも出来ないので、少しは悪いと思いつつも、ジャミルはさっさと
アイシャの元へと急ぐのだった。

「この先を進めば、目的地につくんだな!」

しかし、歩くキノコが現れ、道中の邪魔をされジャミルは胞子を
ばら撒かれ、頭部からにゅっとキノコが生え、……何だか変な
気分になった……。

「……あらららら、ぽっきゅん、きのこがはえました~、あれれのれー?
ぽっきゅん、とってもへんなかんじれーす、このままじゃちゃんとまっすぐ
あるけなーい!……いてっ!あーはははは!」

……おかしくなっているジャミル、まっすぐ歩けず、転んで彼方此方
ぶつかりまくる……。

「……このままじゃ、さきにすすめませんー、ので、さっきの
おねえさんにきのこをとってもらうのれーす!あはははー!」

完全にラリってしまったジャミル、それでもどうにかフラフラと、
さっきのキノコお姉さんの処までどうにか戻った。

「……おねえーさーん、きのことってええ~、あははー!」

「あらあら、もう生えちゃったのね、じゃあ採ってあげるわね」

「ぽえーん?なんかえっちなのれすー!」

「どうやって、頭に生えているキノコを採るのかと言うとね……、
ちょっと痛いけど、我慢して頂戴ね……」

「ぽ、えええええ~?」

お姉さんは笑いながら、……ゆっくりとジャミルに近づいていく。
そして……。


……この先、グロ表現につき……、お見せ出来ません……。


「はい、終りよ!ウフフ!又生えたらいつでも採ってあげるからね!」

「……エ、エライ目に遭った、も、もうキノコ生やさねえ様にしねえと……」

取りあえず、キノコが50ドルになったので良しとし、……ガクブルしながらも
ジャミルは再び谷の道を歩き出した。

洞窟を抜けて暫く進むと、どうやら集落らしい場所が見えてきた……。

「あそこがハッピーハッピー村か……、間違いないよな……」

ジャミルは急いで村まで近づこうとする、……が、ひとくち
ユーホー×2と、だいウッドーの集団が道を塞いでゆく手を
邪魔しようとする。

「くそ!もう少しなのに……、邪魔すんな!」

ジャミルはさっとスリングショットを構え、まずはふよふよと飛んで
うっとおしいユーホーを叩き落とした。ユーホーはそのまま地面に
墜落した。

「よしっ!次はおめーだっ!」

が、ユーホーが再び飛び上がり、ジャミルに向け、寝冷えビームを
発射する……。

「!!な、何だこりゃ、……何か急に寒気してきたわ、……おいおい、
冗談じゃねえ……、風邪薬買っときゃよかった…、そうだ確か……、
ヒーリングα使える様になってた筈だ……」

しかし、ヒーリングを使う前に、だいウッドーがジャミルに体当たりし、
ジャミルは地面に叩き付けられた。段々と風邪の症状が悪化してきた
ジャミルは起き上がれず呻く……。

「畜生……、オレンジの方が言ってたモンスターって、こいつらの
事か……、確かに厄介だ……、けど、立ち止まっちゃいられねえんだよ、
時間がねえ……」

朦朧とする意識の中、どうにか立ち上がり、再びスリングショットで
どうにかユーホーだけは破壊した。残るはウッドーのみであったが……。

「何か……、頭がフラフラする……、邪魔過ぎんだよ!この大木っ!!」

ジャミルはヤケクソでショット攻撃をバンバン、ウッドーに当てる、
やがてウッドーも体力が力つき、その場に倒れたかの様に見えたが……。

「ハア、どうにか倒せた……、今度は風邪を治さねえと……」

しかし、だいウッドーは、ジャミル諸共巻き込みその場で大爆発を
起こした……。


そして……


「気が付きましたか?」

「此処、どこだい……?」

ジャミルは辺りを見渡す。気が付くと又ベッドの上だった。

「結構俺も運び込まれる事が多くなってきたなあ、まあ、身体が
子供になっちまってるし、しょうがねえんだけど」

「ハッピーハッピー村、救護所です、あなた、村の側で酷い大火傷で
倒れてました、もう少し介護が遅かったら危なかったですよ……」

「そうか、おじさんが助けてくれたのか、ありがとな……」

「いいえ、すべてはこの、ハッピーハッピー教の教えのご加護です、
カーペインター様はいつも見守っていて下さる、カーペインター様が
おられたからこそ、あなたも助かったのです、世界が青色に染まれば皆
ハッピー!世界を青に染めよ!!神が下さったこの素晴らしい青い薬で、
あなたの火傷も一瞬にして治ってしまわれた!ああ、カーペインター様、
神は偉大だ!ハッピーハッピー!さあ、ご一緒に……ブルーブルー!!」

「……俺、そんな怪しい薬で治して貰ったんかい……」

助けてくれた事には確かに感謝するが、おじさんの様子が訳判らん
演説に、その上熱をおびておかしくなってきたのでジャミルはひく……。
まるでとち狂って何かに取りつかれている様子……。

「あなたも是非、この出会いに感謝し、さあ今すぐハッピーハッピー教に
入団しなさい、大変だったでしょうが、あなたが火傷をされたのも、そう、
全てはハッピーハッピー教団と巡り合うための試練だったのですっ!!」

おじさんが熱狂している横で、隙を見てジャミルは逃げ出すと、救護所の
外に出た……。

「うわあ……」

改めて村の中を見てみると、何もかもが青かった。何処の家の壁も
みなブルー1色で染まっていた。

「お、すげえ、牛までまっ青だあ……、おーい!」

ジャミルが柵の中にいた牛に手を振ると、牛が喋り出した。

「……わしはただの牛ですけんど、カーペインターさんのお話は
心に染み入ります」

此処は牧場らしい。看板にはセマイケンド牧場と表記。

「そうか、やっと思い出した、ハッピーハッピー村ってのは奴ら
奴らハッピーハッピー教団の本拠地か……」

両親が怪しい宗教にそまり、帰って来なくて泣いている子供、
そして教団の生贄の為にさらわれたアイシャ……、ここ、
ツーソンでの冒険も、もうすぐ終盤に差し掛かろうとしている。

ジャミルはまず村の中を一通り探索してみる事にした。

「カーペインターさんの言った通り家の壁を青く塗ったら、
逃げた女房が帰って来たんだ!やはり、カーペインターさんと
ハッピーハッピー教は偉大なり!」

「カーぺインター様はある日突然、神様の啓示を受けたの、
あの方の言っている事は神様のお告げよ、……さああなたも
すぐにブルーに染まりなさい!!」

……何処を回ってみても、主に聞こえてくるキーワードは、
カーぺインター、ブルーブルーだらけである。

「ん?この家は屋根が赤いや、まともな奴が住んでんのかな、
話聞けるかな……、すいませーん、あの……、誰かいますー?」

ジャミルは真っ赤な屋根の家のドアを試しにノックしてみた。すると
返事が返って来たが……。

〔……よくわかんない、ぼくのなかまはすりーくのたににいます、
ぷうぷうぷう〕

「ぷ、ぷう……?やっぱり此処の村の奴らは何か変だ、やめとこう……」

ジャミルは何とかして、話の分かるまともな奴らを探そうとするが、
どいつもこいつもブルーブルーで真面に話が聞けそうになかった。
……アイシャが生贄にされるまでもう本当に時間がないのも確実である……。

「……畜生、絶対に近くにアイシャがいる筈、もう少しだ、何としてでも
探し出さねえと……」

「……」

「……?」

突如、怪しい気配を感じ、後ろを向くと、変な女がジャミルの後を付いて
回っている。

「あんた何?金なんかねえよ……」

「世界を汚れなき物にする為、それでもお布施をしなさい、カーペインター
様と、この素晴らしいハッピーハッピー教団の為に……、そうすればあなたにも
永遠の幸せが訪れます……」

「うわ!やっぱそう来たか!冗談じゃねえっての!!」

ジャミルは一目散に逃げ出す、その後を変な女も走ってジャミルの後を
追い掛け回す……。

「お布施をしなさい!……お布施をするまで何処までも追い掛け回してやる!!」

「ひいい~っ!!どいつもこいつもっ!!マ、マジで気が狂ってらあ!!」

ジャミルは慌てて近くにあった建物の中に適当に逃げ込んだ……。
女は逃げたジャミルを見てまだ何かしきりに怒鳴っている。

「お布施をしていただくまで此処を動きませんよ、ふふふ……」

「まいったな、裏口があれば……其処から逃げ……」

「此処は幸せ相談所です、あなたの相談に乗ります……、神はいつでも
見守っていて下さいます、さあ告白しなさい……、本当のハッピーを
掴みたいのなら是非、村の中央の教団本部へどうぞ……」

又、とんでもない場所に入ってしまったらしく、ジャミルは激しく後悔。
裏口探して動き回ると、中にいる人は誰もかれも皆青白い顔。

「……ツーソンでお留守番をしてくれている坊やにお土産を買って
行ってあげましょう……、教団の有難い教えが書かれている子供用の
絵本がいいわね」

「そうだね、あの子も喜ぶ……」

「……うぎゃー!ホントにどいつもこいつも……、俺もマジで頭おかしく
なりそうだっ!と、んな場合じゃねえんだ、早くアイシャを助けねえとっ!」

ジャミルは意を決し、再び相談所の外に出る。……もうあのしつこい女は
姿が見えなかった。

「助かった、もう少しなあ……、何か掴める情報があれば……」

村の中央に無人販売所が。が、隠れているつもりなのか変な男が
近くの植木に隠れてしゃがみ込んでいた。

「無人販売所で、金を払わない奴を監視しているんだよ……、ふふふ……」

村の北にドラッグストアがあったので立ち寄ってみると、新しいバット、
いいバットが売っている。いつも通り、堪ったドルをおろし、
スリングショットから再びバットへ。新装備で店の外に出る。

「ヒソヒソ、ボソボソ、ヒソヒソ…、隣町から来たポーキーとか
言うデブに手伝わせてアイシャっていう小娘を上手くさらって来たぜ~
村の北の洞穴を抜けた先の例の小屋に閉じ込めてやった!」

「……」

「な、何だおまえ!仲間だと思ってうっかり話し掛けちまったが、
見た事ねえヤツじゃねえか!こ、この話は冗談だ、忘れてくれっ!」

突然、ボソボソ喋り出した男は、喋るだけ喋ると逃走した……。

「……そうか、小屋はやっぱこの村の周辺なのか!んなろ!」

ぼしょぼしょ勝手に情報を洩らし、しゃべり出した変な男のお蔭で
漸くアイシャの元まで辿り着けそうであった。ジャミルはアイシャが
監禁されている小屋まで一目散に走り出す……。

「……アイシャっ!」

「ジャミル……?き、来てくれたの!?……ああっ!ジャミルーーっ!!」

ジャミルが急いでアイシャが捕まっている鉄格子の前に近づくと
アイシャも急いで側に駆け寄った。二人は漸く、この世界での対面と
再会を果たす……。ちなみに、今回の彼女はポーラポジの為、普段
着けているカチューシャの代わりに、可愛い真っ赤なリボンを装着し、
ピンクのワンピース姿である。

「私、泣かなかったよ……、きっとあなたが……、ジャミルが助けに
来てくれるって、ずっとずっと信じて待ってたから……、ぐす……」

「……泣いてんじゃねえか……」

「な、泣いてないもん!泣いてないったら泣いてないのっ!ぶうーー!」

そう言いながら、手の甲で必死で涙を拭く仕草を見せるアイシャに、
ジャミルは呆れるやら、また何だか嬉しいやら……。

「早くこっから逃げねえとっ!あ、鍵かっ、まーた、シーフじゃねえのが
悔やまれんなあ、俺……」

「此処の鍵は、カーペインターって言う人が持ってるの、でも……、
あの人、雷で攻撃する事が出来るのよ、これを持っていって!」

アイシャは鉄格子の隙間から、バッジをジャミルに手渡す。

「これは……」

「フランクリンバッジよ、着けていれば雷の攻撃を弾き返す事が出来るわ!」

「よしっ、カーペインターっつー野郎は、確か教団のボスだな、さっさと
ぶっ飛ばして又すぐに戻って来るからな、アイシャ!」

「……うん、気を付けて、ジャミル、私、信じてるよ、いつまでだって
待っていられる……」

ジャミルは速攻で小屋を出て、村に戻ろうとするが……

「お……?」

「やいっ!ジャミルっ!」

小屋を出たジャミルを、……ブタ、ではなく、ポーキー、ハッピーハッピー
教団の信者、+にくいカラスが取り囲んでいる。

「お前、何でおれの邪魔するんだっ!おれはカーペインター様に
教団の偉い幹部にして貰えそうなのに……、なあ、お前も仲間に
なれよう!!」

「全力でパス」

「……駄目か……、駄目だよな、ち、……これ以上お前に邪魔は
させないぞっ!よーし、相手をしてやる!ん?おれじゃないよ、
……こいつらがな……」

ブタは幹部達にジャミルの相手を任せると、自分はさっさと逃走した。
けれど、ジャミルの方からは分らなかったが、その表情は何となく
淋しそうにも見える……。

「薄情なヤツだなあ、なあアンタら、あいつが立場が上なのか、
アンタらが偉いのか俺にはどうでもいい事なんだけどさ、あんなのと
一緒にいて後悔してねえの?」

「うるさいうるさーい!……これでも喰らって青に染まれっ!」

「お、おわっ!?何しやがるっ!!」

幹部たちは、青ペンキ攻撃でジャミルの顔を青く塗りつぶし
襲い掛かって来た。ジャミルはペンキで顔を汚され視界が悪く
なってしまう……。牢屋の中まで聞こえたジャミルの声を
聞いていたアイシャは不安でハラハラしながらも只管祈り続ける……。


「ジャミル、頑張って……、どうか……私には祈る事しか出来ないけど……、
お願い、無事でいて……」


「くそっ、ふざけやがって、畜生……」

青ペンキだらけのジャミルの顔を見て、ゲラゲラ笑う信者と憎い
カラス……。ジャミルのプッツン度は更に怒りを増す……。切れた
ジャミルはバット攻撃、でなく、キックで信者達を蹴り飛ばした。
蹴られた信者達は地面にすっ転がる……。

「いった~……、お、恐るべし……、糞ガキ……」

「ざまあみろ、バーカ!さてと、残りは糞ガラス、……お前だけだな?」

「カー!」

「今更命乞いしても遅いっ!……けど、もう邪魔しないってのなら
許してやる、早くさっさとどっかいけ!」

「……ガーー!」

憎いカラスはお詫びにクッキーを落して逃げて行った。抵抗なのか
おまけに、糞も落としていったが。ジャミルは素早く落ちてきた
糞を避けたが、丁度、倒れている信者達の顔の上にポトンとご丁寧に
二人分の糞が落ちた。

「きゃーーーああああああーーー!!……ガク……」

信者達が気絶したのを確認すると、ジャミルはゲラゲラ笑いながら
再び村へと引き返していった。


「……いよいよ、本部へ殴り込みか……、よし!」

ジャミルはバットを構え、等々教団本部へと突撃する。


「……ブルーブルー……、限りなく透明に近いブルーブルー……」


「おわ!何じゃこりゃ!」

中に入ると……、大量の青い服の信者が列を組んで往く手を塞ぎ、
まるで……迷路の様であった。

「……邪魔だなあ、おいどけバカこの野郎!」

「ブルーブルー、おお、あんたも仲間になりたいらしいな、どいてやるから
早くカーペインター様に会う事だな」

1人目、あっさりと道を譲ってくれる。

信者を片っ端から突っつくと、何人かはジャミルを教団の
新人さんと勘違いし、道を譲ってくれたのだが……。

「お祈りの邪魔をするなあーーっ!!」

中には気が荒いのもいて、牙を向いて襲い掛かって来る者も……。

「……本日、又顔をペンキで汚されました、2回目です……、
っくしょおおーーっ!!」

「あーーれえーーーー!?」

時には信者をバットで殴り倒し、進まなければいけない処も。
勿論信者は気絶するのみで死なない。

「……漸く、ゴールが見えてきそうかな……?ふう~……」

信者迷路を抜け、2階への階段を上がると、部屋らしき物が見えた。
ジャミルは勢いよく足でドアを蹴とばす。

「おめーがカーペインターかよ!爺!」

ジャミルの罵声とドアを蹴る音に気づき、祭壇の前にいた小柄な老人が
振り向いた。ハッピーハッピ教団のボス、カーペインターに間違いは
なかった。

「いかにも?私がカーペインターですが?……あなたがギーグ様に
逆らっていると言う噂の性悪糞ガキ、ジャミル君ですか、初めまして、
これはこれは……、世界のすべてを青に染め、幸せな社会を築く為、
あなたの力を是非貸して頂きたいのです、……アイシャと共に
今すぐ私の右腕になりなさい!!」

カーペインターは、、まるですべてを悟っているかのように、ジャミルを
見てニヤニヤと笑う。……見ると祭壇に見覚えのある変な金色の像があった。
それはライヤー・ホーランドの小屋の地下で見たあの像と同じ物だった。
しかし、今のジャミルはそんな事はどうでもよかった。

「右でも左でもお断わりだ!おめーを倒してアイシャを返して貰うぞ!
覚悟しろ爺!!」

「おやおや、間違いなく君は知能の足らない愚か者の馬鹿の様だ、
先程の話はすべて冗談だよ、ならば神の裁きを喰らい頭を冷やすが
良い!!お前が生きている事は私と私の神にとって邪魔な事なのだ!
……死ね、死んでこの話も全て終りにしてくれ!!」

「……うっ!?」

アイシャが忠告通してくれた通り、カーペインターが雷のバチバチを
攻撃してくる、しかし付けていたフランクリンバッジがバチバチ攻撃を
跳ね返し、カーペインターの方にダメージを与えた。

「うおっ!!こ、小癪な、小僧……!!」

「ざまみろ!頭を冷やすのはテメエの方だっ、爺!」

カーペインターはジャミルを睨む、ふと……ジャミルの洋服に
着けてある、奇妙なバッジに気づく……。

(あのバッジは……、成程成程、そういう事でしたか、ふふ……)

カーペインターが両手を広げ、何やら天井の方を見てぶつぶつ呟く……。
すると……、天井に穴が開き、教団幹部が3人飛び降りて来て2人が
ジャミルを拘束した。

「うわ!何しやがるっ!くっそ!!」

「こんな卑怯な手を使うとは……、そんな物一体誰に貰ったんです?
其処のお前、そのバッジを粉々に壊してしまいなさい!!」

ジャミルを拘束していない信者がうなずくと、ジャミルの服から無理矢理に
フランクリンバッジをもぎ取り、何処かへ逃げて行ってしまう……。

「や、やめろっ!畜生っ!!あああっ!?」

「これで、君は卑怯な手を使えなくなった訳です、……さあ、今度こそ、
神の裁きをたっぷりと喰らうのです……」

カーペインターは……青白い顔をちらつかせながら不気味にジャミルに
迫って来た……。

zoku勇者 マザー2編・5

zoku勇者 マザー2編・5

SFC版ロマサガ1 マザー2 クロスオーバー 年齢変更 ジャミル×アイシャ カオス ギャグ 下ネタ

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-03-28

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work