ときめく恋はカフェオレの香り チャプター10

鈴原結奈(すずはらゆいな)は、30歳の証券会社に勤める女性であった。
ふたつの恋愛を経験して、、少し、疲れてしまった。
会社の先輩、40代の漆原(うるしばら)美香さんのマンションで、泊まり込みをさせてもらっている。寛容な美香さんのお陰で、楽しい共同生活を送っていた。

恋愛を邪魔した妹・円香(まどか)も、気になっていたが、今は忘れて、銭湯に行ったり、気楽に過ごしていたのであった。



〜 本編 〜


主人公・鈴原結奈(すずはらゆいな)と、会社の先輩・漆原美香(うるしばらみか)さんとの共同生活は、なんとなく続いていた。 結奈が失恋して転げ込んでから、早くも5ヵ月が過ぎていた。

40代の先輩・美香さんが帰りが遅い時は、結奈が簡単な夕食を作って待っていたり、また、ふたりで近所の銭湯に、ぼちぼちと出かけていたのである。



ーーと、その時、

鈴原結奈のスマホの着信に、友人の、緑川琴葉(みどりかわことは)の番号があったのだ。
ずっと、会ってない琴葉・・・・。
きっと、恋愛上手なので彼氏と楽しく過ごしたり、学生時代に鉄道部だったので、、ひとりでのん気に旅行でもしているのだろう・・。



琴葉のことは大好きだったが、自分がうまくいかないのに琴葉が彼氏と楽しんでいるので、ジェラシーも感じている結奈であった。
『琴葉は、苦労しなくても、男性に恵まれているように見えるけど・・。
    なんか、嫌だなあ。。』



そんな感情を隠して、結奈は、ずっと付き合っていたのだった。
「あ、琴葉、、この前はありがとう。」
「う、うん、心配してたよ、南川達郎くんと離れたのね?」



琴葉は、幼稚園児を相手にしているだけあって包容力があり、いつも優しい話し方であった。
「う、うん、今、先輩のマンションなんだ。」
ーー 結奈の、くだらないジェラシーを知ってか知らずか、琴葉はいつも慈愛に満ちている。


「ねえ、大切な話があるの。どこかで会えないかな・・??」

結奈は今は恋愛を忘れて、同じく彼氏が居ない美香さんと、お酒でも飲んでいるほうが良かったのだ。けれど、琴葉に「どうしても、どうしても」と押されて、、、3日後の、土曜日に会う約束をしたのだ。


ーー 3日後の、行きつけの居酒屋でーー


いつも、40代のふたりと待ち合わせをする居酒屋を指定したのは、結奈だったのである。

もし、深刻な話題でも・・・ 居酒屋の、にぎやかな雰囲気の中だったら「気楽に聞いても」だいじょうぶかな、、と思ったのである。琴葉は、単独で「鉄道の小旅行」に行ったらしく、楽しそうに話してくれた。なんでも、ビジネスホテルに泊まる安旅行で、「リーズナブルでしょ」と、そこを強調している。



結奈は、「琴葉が、男性に人気がある」ことも納得している。女性から見ても、明るく多趣味で生き生きしているのだ・・。きっと、付き合っている彼氏も「面白い女性いだな」とか思っているのだろう。。。



結奈の前に、さっき頼んだ「カシスの酎ハイ」と「枝豆」と、大好きな「コーンピザ」が置かれていた。カシスの酎ハイを飲みながら、琴葉に聞いてみた。
「それで・・?何か、話とかあったのかな・・?でも、久しぶりに会えて嬉しいな。」

琴葉も、生ビールを飲み、洋風アレンジ冷ややっこなどを食べながら、応えてくれる。
「う、うん、最近だけど結奈の恋愛は、どうかな・・って思って」


結奈は、思わず顔を雲らせると、、、琴葉は一枚の画像を見せる。
そこには、琴葉の職場ーーー幼稚園の職員や園児の父親とかと行ったのか、バーベキュー大会の様子だった。なんでも、みんな笑っていて楽しんでいるらしい。

結奈がそれを見てると、冷ややっこをつつきながら、
「こ、この人、、どう??
  独身だよ、、、けっこう、経済力もあるみたいなの」


『ええーーーー?! また、男の話・・?
  楽しい、職場の話だと思っていたら、。』と、結奈の心は、うんざりムードになってきたのだ。


バーベキューのことでも、話してくれるのかなあ、、と期待していたので、突然自分の恋愛になり、かなり動揺する結奈であった。まだ、南川達郎くんとの思い出も忘れてないし、、もらったプレゼントも捨てられない。


お、おっと、、、ついつい カシスの酎ハイで酔っ払い、、ろれつが回らないのだった。
「ひえ、 ひぇい、、、男の紹介なの?ひえーーー。」


結奈は、言葉にならない単語で画像を見ていた。
琴葉によると、南川達郎さんのことで、妹と盗り合いとか聞いてずっと心配していたこと・・。もう、お互いに30歳も過ぎたし、もっと良い人を見つけて付き合ってほしいなと思っていること・・などを生ビールを飲みながら、琴葉は言ってくれたのだ。女性に対しても、寛容で優しい琴葉は天使のように見えた・・。



そ、その時・・・である。

結奈の脳内に、過去の彼氏、笹原蒼空(ささはらそら)君と南川達郎(みなみかわ)君の姿が浮かんできたのである。

「どうせ付き合っても、また上手くいかないよ」
「もう、自信とか無いんだよ、、、」



弱気になり、、、本音で話す結奈であるが、琴葉は優しく言ってくれたのだ。
「じゃあ、会うだけでもいいんじゃないの?」
「ずっと結婚できないままで終わってもOKだよ、ただ、お茶だけでも飲んでくれば?」
スマホに入っている画像には、、ちょっと小太りで白いトレーナーを着ている男性が写っている・・。


ーー 仕方ないなあ、また会ってみようかな。ーー

結奈の心は、また恋愛モードに引き戻されていったのだーー。
それから、しばらくたって、、、



琴葉に紹介されて、一人の男性と会う。

〜〜 名前は、「川添 陸郎さん」である。結奈より3歳年上。 保険のセールスをやっていて、サラリーはいいらしい。高校時代の部活動は、囲碁部。 妹が、ひとり居るらしい。 〜〜



これは、琴葉が会う前に教えてくれた情報で、結奈はあまり期待を持たずに、待ちあわせた喫茶店に行ってみた。(この喫茶店は、初めて来た場所である・・。)


川添さん(まだ、付き合ったないので、川添さんと呼んでおこう)は、本当に「期待しないほうがいい」タイプで、、だいぶ、「地味目」で見た目は、30代後半に見えた。。身に付けている服も「え?それって、お父さんの着てるの?」と思わせるような、ダサい茶色のベストだった。


結奈はがっかりするのを通り越して、、下を向いて、思わず「ぷっ」と吹き出してしまう。それくらい、川添さんは超ダサかったのである。


「こ、こんにちは。はじめまして」
仕事とは違い緊張しているのか、川添さんはぼそぼそっと結奈にあいさつしてくる。結奈も悪いので、笑顔で「こんにちは!」と応えて、3人でとりあえず会話をする。ここで、琴葉がおいしいものでもオーダーしようと言って、メニュー表を見せてくれた。


しばらくしてー・・
琴葉の前には、「ふわふわパンケーキ チョコソース」と「フレッシュオレンジジュース」が置かれる。

川添さんは、「プリン・アラモード」とレモンティーを頼んで、もうプリンに手をつけている。甘党らしいのが良く分かる。



結奈が頼んだのは・・「マロンパフェ」で、
パフェの中身は、、カステラ、コーンフレーク、アイスクリームにたっぷりの生クリーム、そして、栗が4つも乗っているのだ。

そうそう、ドリングは、ブラックコーヒーにしてみた。テーブルの上に、スイーツがのると華やかな雰囲気になって、イタリア風の喫茶店に流れる音楽も、とても心地よい。


琴葉の話(会う前に、聞いておいた)によると、彼は、見た目と違い「保険の知識」がピカイチで勉強家らしい。更に、お客さんに対してサービス精神が旺盛なので信頼されて、割と外交的手腕はあるらしい、とのことだった。


琴葉は、川添さんが幼稚園の同僚の兄さんであること、りっぱな保険セールスマンでお客さんに信頼されていること、、、今は、彼女が居ないことなどを口早に、説明してくれる。
「ほら、結奈も自己紹介してみて、川添さんが困るでしょ・・??」

「ええ、はーい、私は、鈴原結奈で、30歳です。
証券会社に行っていて、趣味は、スイーツを食べることです。あと、妹が一人、、、円香(まどか)って言うんですけど、、」



結奈も、相手が困ると思い自己紹介をしてみた。


それから、3人はデザートを食べながら、それぞれの仕事の話や、
見ているテレビ番組などについて、雑談をしていた。と、その時、琴葉が立ち上がって「後は、2人にお任せね」と喫茶店を出ていってしまったのだ。



‐ーー じばらく、5分間の沈黙がーー

この川添さんは、元彼の蒼空くん(そら)や達郎くんと違って、「女性を笑わせる」とか気の利いた冗談を言えるタイプでは無かった。気まずくなったのか、自分の眼鏡ケースを取り出して、もじもじしているではないか・・。

『えーーい、ここは、私がリードしてあげるか・・。 』
結奈は、「川添さん、天気がいいから散歩でも行きませんか・・?」
女性をリードできない川添さんを、結奈は外に連れだす決心をしたのである。



ーー 外は、春ーーー


公園には、カップルや犬の散歩をしている人たちが、のんびりとくつろいでいた。川添さんは保険の外交のやり手?と聞いていたが、女性には恥ずかしいのか、あまり話さない。
「えっと、、好きなタレントとかいるんですか?」と明るく聞く結奈。
「う、うん、、、、」


川添さんはちょっと口ごもると、慌てて池のほうに目をやる始末である。この後、川添さんは急に自動販売機に走って、清涼飲料水を2本買ってきて1本を結奈に渡す。



その後、話した内容だが「自分はサラリーがいいので、それを目当てに女性が寄ってくることが、たまにある」とのこと。いかにも、俺に「魅力がある」と言って、付き合って高級なブランドとかねだられて、、何回か買ってあげると、2ヶ月くらいで別れてしまう。



川添さんは一気に話して、ほっとしたのか清涼飲料素をグビと飲み干したのだ。それを聞いて、結奈は「大変でしたね」」と言ってあげたが、「そんなの、あんたの事情で関係ないんだけど、、」と心の中で、ぶつくさと言っていたのだ。 


それに、1回目の出会いで、、自分の女性歴なんか話してくる男性なんて見たことないよね。
川添さんは話して安心したのか、オタクの趣味であるプラモデルについて楽しそうに話したり、5歳年下の妹のこともしゃべっていた。
最初は、「ダサくてオタクっぽい男性」と思い、、、1時間たったら「急用で、帰ります」と告げるつもりだったが、自然と川添さんへの嫌悪感が薄くなっていく結奈だった・・。



「な、なんか、、味のある人だなあ」としみじみ感じていた。


今まではイケメンの蒼空くんや、他人に親切な達郎くんなど、モテ系の男子と付き合ってきたが、川添さんには、どことなく、、、安心できる「ほのぼのさ」があるのだ。。また、仕事で信頼されて上手くいっているせいか、「年上の余裕」も感じられて、そんなに脇に居るのが苦痛でなくなったのであった。



--その時、、川添さんはある提案をしてくれたーーー

「そうそう、僕って、趣味がスイーツ巡りなんですよね。今度、トレンドのお店、行ってみませんか?」
結奈の目が、輝いたのは言う間でもなかった・・!

「きゃー すごいですね1!」
「トレンドのスイーツなんて、食べてみたいです!!」
「今度、一緒に行ってみたいですよ〜」


その日の夜、美香さんのマンションのある部屋で、結奈は自分のノートにこう書いてみる。
「今日、会った川添さん、、、イマイチである。でも、寂しそうだからあと1回くらい付き合ってあげようかな・・?」


「そうね、トレンドのケーキのお店も行けるってことだしね。☆☆」結奈はノートを閉じて、ベッドにもぐり込んだのである。一方、友人の恋多きと思われている、琴葉であるが、、最近は、彼氏とも合わずにもっぱら家にこもり、趣味の料理に没頭していたのである。



「まったく、、結奈って見てられないなあ。いつもモテ系のメンズを好きになるからなあ」
琴葉の持論であるが、結奈みたいな恋愛にウトい女性が、「モテ系の」メンズと上手くいくはずは無いって思っていた。


友人である結奈は、見るDVDもアニメとか高校生がするような「恋愛の映画」とかで、大人の機微のある恋愛模様なんて、理解できるはずがないように見える。それなのに、笹原蒼空君なんて、あんなモテる男性と付き合うなんて、、(でも、引き合わせたのは自分なので、反省している琴葉だった・・。)



それから、琴葉はスマホを出して、、、ある男性に連絡してみる。
前に、市内のラウンジバーで知り合った。12歳年上の40代の既婚男性である。琴葉は、彼氏もいるが不倫もしていて少しスリリングな恋も、つまみ食いしていたのだ。


この男性・・(川元さんっていう男性である。)は、2人の娘が居ることもあって、包容力もあり、優しい、大人の男である・・・。 ずるいことだが、、、、琴葉は生活に疲れたり、今の彼氏と上手くいかない時は、川元さんに甘えることにしているのだ。


次の日の夜に、お馴染みのラウンジバーで会う約束をすると、琴葉は心がうきうきしてきた。
「あ〜あ、明日は、川本さんに会えるのね、お洒落なラウンジのあるバーで、大人の時間が過ごせるわね。」


琴葉は
「結奈も、もっと大人になって自分みたいに恋愛を楽しめばいいのに・・・」と

心の中で思っていた・・。

     

ときめく恋はカフェオレの香り チャプター10

ときめく恋はカフェオレの香り チャプター10

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-03-26

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted