木の芽雨

冷たくも時をたがわぬ木の芽雨




春雨というのには冷たくて、傘をさしても春雨傘とは言いにくい
けれども、木や草にとっては時期的に必要な雨なのだろう

桜の花が咲き出して、季節は春本番を迎えようとしている
木の芽がふくらんできた
川の柳の木の芽の開くのが早いように感じる



枝先に水の光りし木の芽雨




朝の窓を開けると雨が降っていて、イヌザクラの細い枝先に白く光る水の玉がたくさん付いていた
やや紅みを帯びたイヌザクラの小枝にきれいな水の玉が光っていた
イヌザクラの花は新緑の中に咲く白い花で、普通の桜とちがって目立たない
この木は秋の黄葉が一番の見どころで、透き通るような葉が美しい
今は、枝先に出来た白く光る水玉が花の代わりのようにも感じられた



陰といふ字のごとくあり槐かな




珍しい木に出会った
シダレエンジュだった
ぎくしゃくとして枝垂れる枝振りは、とにかく陰気臭い感じがした
数多くの樹木のなかでも、これほど暗い感じのする木はないだろうと思った
枝を切ってみると割合に柔らかい感じがした
鬼魔も逃げ出す暗さは鬼門除けに向いているかもしれない

木の芽雨

木の芽雨

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2026-03-26

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