zoku勇者 マザー2編・3
今回は主要メンバー全員揃うまで相当時間が掛るかと思います。
オネット編・3
「……んだよっ、放せっ!クソおまわりっ!!回って糞でも
食って死ね!!」
「えーい、うるさいっ!お前は静かにしてろっ!!」
突如、沢山の警官に囲まれ、いきなり暑まで連れて行かれた
ジャミル……。発狂エテ公状態であまりに暴れるので、警官は
数人でジャミルの身体を抑え付け持ち上げて抱えている。そして
等々、署長の部屋らしき場所の前まで連れて行かれ乱暴に部屋の
前にほおり投げられる。
「いてっ!」
「さあ中に入るんだ、……ストロング署長がお待ちだ」
ジャミルは隙を見て逃げようとしたが、後ろも警官達に囲まれて
いる状況の為、此処は大人しく、署長の部屋とやらへ入るしか
なかった。
「署長、例の……、赤い野球帽の糞ガ……、コホン、少年を捕獲
致しました……」
ジャミルは仕方なしに付き添いの監視警官と共に、署長の部屋へと
入った。付き添いの警官は暴れたジャミルに引っ掛かれたり
噛み付かれた跡が彼方此方顔にちらほらと……、警官帽子も
ヨレヨレで髪の毛もぼさぼさであった。
「うむ、ご苦労だったな……、後は儂が話をしよう、……下がっていて
くれたまえ……」
「はっ!」
付き添いの警官は部屋を出て行き、後にはジャミルとストロング
署長だけになった。
「……ジャミル君で間違いないかね?儂はオネット警察署長、
ストロングだ、お噂はかねがね聞いているよ、町の乱暴者、あの性悪
シャーク団を改心させたとか……、そして君は今、色々な場所を巡ろうと
していると見受けたが?」
「そうだけど?だから何だってんだよ……」
「今、この先のツーソンへの道は封鎖中だ、だが試してやろう、
君にそれだけの度胸と資格があるか……、オネットを抜けた先、
ツーソンを始めとする様々な場所では此処よりも更に厄介な
色々な事件が起きているらしい、お前に本当にそれらを今後も
乗り越えられるかをな……」
黙って後ろを向いていたストロングが漸くジャミルの方を
振り返って喋った。
「いいよ、何だってやってやるさ!」
「そうか、ならばうちの部下と戦いたまえ、もしも此処で倒れる様
ならば、君は其処までの唯のお子様だったと言う事だ、大人しく家に
帰って貰おう!5人抜きだ!!」
ストロングが指パッチンし合図すると部屋に数人の警官が雪崩込んで来、
ジャミルを取り囲んだ。
「悪く思わないでくれよ!これも仕事なんだ!」
「何か、気が引けます……」
「オレは闘志満々だドお!うおおおー!!」
「へっへっへ、獲物獲物……」
「ガキめ、覚悟しろ!!」
そして、5人の警官が一斉に声を揃えジャミル目掛けて襲い掛かって
くるが……。もはや、大の大人の警官が子供に対してやる事ではない
状態だった……。
「……どおおりゃあああーーーー!!」
ガツンガツンガツンガツンガツン!……ゴッ!
「チーズサンドイッチっ!って、写真撮りに来るおっさんは
この話じゃ来ねえのか……」
ジャミル、警官を殴りまくり、倒れた警官達の山の上に乗りバットを
担いでVサインする。これも子供が大の大人に対してやる行為では
ない……。警官達は又声を揃えて呻き声を上げた……。
「……署長……、すみません~……」
「確かに、やはり君は唯の糞ガキではない様だ、失礼をしたな……」
「分った?んじゃ、ツーソンへの道を開けてくれんのかい?」
ストロングは暫く唸っていたが、やがて何かを決意した様に再び
ジャミルの方を見た。
「……では、最後はこの儂がお相手致す、むううう~ん……」
「え?え、え、え、……まだ終わりじゃねえのっ!?」
「当たり前だ、……うううううー、うおおおおおーーっ!!」
ストロングは気を溜めると着ていた服をビリビリ破り、汗くさ
ムキムキマッチョ体質になり 逞しい筋肉をさらけ出すと拳を
構えてポーズを取った。
「うわ!……どっかのムキムキピエロっ!!」
「き、君、早く逃げなさい……、ああなったら……、署長を
怒らせたら……、こ、子供でも容赦しないぞ……、大怪我を
してしまう……」
ジャミルの下にいた警官が声を絞り出してジャミルに忠告する。
しかし、ジャミルは警官の山積みから飛び降りると忠告を無視し、
バットを構えるとストロングを睨んだ。
「冗談じゃねえ、此処まで来て帰れるか!来いっ!!」
「フン、本当に頭の悪い子だ、テストの点はさぞかし0点ばかり
だったのだろうな、もっと学習しなさい、馬鹿め!」
「るせー偏屈爺!だああーーっ!!」
「バカめ!やはりお子様だ、隙だらけだ!」
ストロングは殴り掛かってがむしゃらに突っ込んで来たジャミルの
バットを素手でがっしりと掴むと打撃をあっさり受け止める。
バットを握る手に更に力を込めストロングはにやりと笑うと……、
そのままバットごとジャミルを壁までふっ飛ばし勢いよく叩き付けた。
「あああー!……だ、だから言ったのにーー!!」
「う、畜生……、いてっ……」
「どうだ?大人を舐めるとこういう事になるのだ、さあ諦めてお家に
帰りたまえ……」
ストロングがゆっくりと、ジャミルに近づいて来る。しかし、諦めが
悪いと言う事はジャミル本人がいつもいつでも、一番良く理解していた。
「身体は子供、けど中身は成人!なめんじゃねえーーっ!!」
「何を訳の分からない事を……、!?う、ううっ……!!」
ジャミルも、もう一度バットを握る手に力を込めると連続でストロングの
頭部にバットの音速連打攻撃をバコバコ叩き込んだ。止めはストロングの
ミゾオチにバットを当てると、お返しにストロングの身体を思い切り
かっ飛ばす。ストロングはホームラン状態で飛んでいき、部屋の窓ガラスを
突き破り外へ転落する……。
「ああっ、しょ、署長がっ!?」
「外へっ、署長を助けるんだっ!」
「なんて事をするんだっ、この糞ガキめっ!あ、あああ~!!」
「やいのやいの!」
「うっすらぱーですの!」
ジャミルにやられ、山積みで倒れていた警官達が起き上がり、
慌てて外に飛び出していった様だった。
……しかし、その後の事はジャミルは覚えておらず……、
気が付くと、ジャミルはベットで寝かされていた……。
辺りを見回し、目を凝らすと目の前にストロング署長が
立っていた……。
「……ここって……」
「気が付いたかね?医務室だ、全く、君は本当に大した
糞ガキだ……、根性と力は認めるよ、何せこの儂をそんな
バットで思い切りかっ飛ばしたのだから、今、担当の者に
連絡を取ってツーソンへの封鎖を取り除いて貰った……、
通れるのは君限定だがな、君の容姿などもちゃんと伝えてある」
「じゃ、じゃあ……、俺、この先に行ってもいいのかい……?
う、あいちちち……」
ジャミルが目を輝かせ、ベッドから身を乗り出す、しかし相変わらず
ジャミルを見るストロングの目は厳しく、余り表情は変わらない……。
「まだ無理をするな、身体に打撲をしているのだ、もっとも儂が
やったのだがな、確かにもう、何時でも好きな時にツーソンまで
行けるが……、ジャミル、君にもう一度問う、本当にこの先へ
向かうのか?……もう今、世界中にちらほらだがどうやら異常事態が
起きているらしい、儂が君に怪我をさせた程度では……この先
済まなくなるかも知れんぞ……?」
「それでも行くんだよ、俺は選ばれたお子ちゃまらしい、
……ブンブーン……、……あいつとの約束だかんな……」
「フン、隙にしたまえ、全く最近のガキは…、親の顔が
見たいモンだな…」
ストロングは呆れた様に医務室を立ち去る、ストロングが
いなくなった後、それでもジャミルはこっそりとストロングに
お礼を言うのであった。
「ありがとな、おっさん、俺は行くよ、じゃあな……」
ジャミルも野球帽を被り直し、再びリュックを背負うと、暑を後にする。
「さて、ツーソンの前にと、……次に向かうはジャイアントステップか……」
市役所でハゲ市長から山小屋の鍵を受け取ったジャミルは、一路
ジャイアントステップへと向かう……。
「こまったこまった!」
「これでは小屋に入れない!」
山小屋の前まで行くと、変な二人組が小屋の前でオロオロしており
困っていた。
「あんたら、何してんの?」
「フランクとか言うガキが余りにも悪戯するんで市役所が山小屋に鍵を
掛けちまったんだ、昔から旅芸人達が利用している小屋なんだけど
中に入れなくなってしまって困っているんだよ!」
「鍵ならあるぜ?ほら……」
「な、なんとっ!?小屋の鍵を、どうして君が!?」
ジャミルが二人組に鍵を見せると、二人組は目を丸くし、山小屋の鍵を
見つめた……。
「何でもいいんだよ、鍵は外しとくよ、俺もこの山小屋の中通らせて
貰うんだよ」
「うん、それは構わないけれど……、けれどこの先は危険だよ……?」
「何かあっても僕ら責任持てないけど……、一応、止めたからね……、
ジャイアントだけあって、謎の巨大な足跡があるらしいけど……」
「足跡か……、ふ~ん、んじゃね!これ、後で市役所に返しといてな!」
ジャミルは二人組に山小屋の鍵を預けると、心配する二人組をよそに
さっそうと小屋の中を通って行った。
「……最近の子って、随分逞しいんだ、ねえ……」
「うん……、凄いな……」
足取り軽く、小屋を抜け更に先にあった洞窟の中を進んで行く。
洞窟の奥に光の様なオブジェがあり、側に寄ってみると、オブジェは
ジャミルに話し掛けてくる……。
……よく来たな…、此処はお前だけの場所だ……
「これが……、喋ってんのかな?」
しかし今は私の場所だ、奪い返せる物ならば奪い返してみるがいい……
洞窟がいきなり怪しい謎の異空間になり、ジャミルの目の前には
巨大な蟻&チビ蟻軍団が出現する……。
「そうか、初の本格的な人外戦て訳だな、なら遠慮するこたあねえや!」
ジャミルはバットを構え、巨大な蟻に殴り掛かろうとするが、チビ蟻が
バットに噛み付き、攻撃を妨害するのであった……。
「あう!……くそっ、やっぱ今までの相手とは違うか、くそっ!」
ジャミルは何とかバットからチビ蟻を振り落とそうと、バットを
無造作に振り回すが、その間に巨大蟻がジャミルに体当たりし
ジャミルはバットを落してしまう……。
「や、やべえっ!」
……ジャミルは慌ててバットを拾おうとするが。チビ蟻によって齧られた
普通のバットはすでに半分食い荒らされボロボロになってしまっていた……。
「ああ、又ボロのバットになっちまった、しかしきったねえなあ~!
けど、今度の相手は、唯突っ込んでいくだけじゃ厳しいなあ、俺、
単純だし、考えるのも苦手だし、どうすりゃいいのかな……」
……ジャミルよ……、儂じゃよ……
「この声……、又ブンブーンなのか…?」
ジャミルの頭の中に、微かに声が響く、……ブンブーンだった……。
あんたももう、これまでの戦いの中で少しづつ……、自分だけの
秘めたる力を目覚めさせている筈じゃ……
「お、俺だけの力……?」
作用……、思い浮かべなさい、自分で一番かっこいいと思う物を……、
頭に浮かべるのじゃ、それが、あんただけの力になる筈……
「よし、やってみる……、……えと、えと……、クソ……」
PKキアイじゃ!!思い切り敵にぶつけてみるのじゃ!!
ジャミルは咄嗟に頭に思い浮かべた物をブンブーンによって
即妨害された……。
「分ったよ、ちぇ……、よーしっ!いっけええーーっ!俺だけの力っ!!」
ジャミルは自分だけの力、キアイを形にして巨大蟻&チビ蟻にぶつけた。
……蟻達はあっという間に消え去り、その場は元の静かな洞窟に戻った。
ジャイアントステップはすぐこの先じゃ、洞窟の出口も近い、さあ早く
外に出て見なさい……
「分ったよ……」
ブンブーンの声に導かれ、外に出ると漸く目的らしき場所へとたどり着く。
……二人組の言っていた通り、確かに巨大な足跡が確かにちゃんとあった。
ここがジャミルだけの場所の一つ、ジャイアントステップに間違いは無かった。
「……随分とでけえ足跡ですこと、巨人でもいるのかな……?」
ジャミルはしゃがみ込んで頬杖をついて暫くの間、珍しそうに
巨大な足跡を眺めていた。……すると……
「……これは…?あ……」
ジャミルの脳裏に……、一瞬だけ、ヘタレて頑固に動かず
どうしようもない変な犬の姿が頭をよぎった……。
音の石が……ジャイアントステップでの音の記録をしみ込ませた……。
「とりあえず、今回は終わったのかな……」
……ジャミルよ、よく頑張った……
「ブンブーン……」
儂はこれまでアンタが心配で、こっそりと見守っていたが、もう大丈夫の
ようじゃの……これからも更なる試練がお主を待ち構えている事じゃろう、
じゃがの、お前さんは決して独りではないよ、まもなく最初の仲間とも
巡り合えるじゃろう……、共に力を併せて進むのじゃ……
「……もう、行っちまうのかい?ブンブーン……」
儂がアンタに呼び掛けられる力にももう限界がある、……そろそろ
行かなければのう……
「そっか、今までありがとな、ブンブーン……」
うむ、しかしくれぐれも人前で遠慮なしにおならをするのはやめんさい、
アンタの悪い癖じゃ、マナー違反じゃ……
「よ、余計なお世話だっ!俺だってしょっちゅうしてる訳じゃねえやい!」
……うむ、いつまでも、明るく元気で皆を楽しませる優しい子で
いるんじゃよ、んじゃあの……
ブンブーンの声は、ジャミルにそれだけ伝えると……、今度こそ本当に
この世界から姿を消した……。
「……等々、行っちまったのか……」
ジャミルは空を見上げ、静かに呟いた。来た道を戻り、ジャイアントステップを
後にする……。
ジャミル、漸く次の目的地であるツーソンへとご到着。
「とりあえず…、又バットを新調しねえとな、何処かで売ってるかな……」
まずは武器の調達をしようと、新しい町を巡ってみる事にした。
「今回のアイシャは、幼稚園に住んでんだな、……けど、夢での声は……
まーた拉致られてる様な感じだったなあ~、あいつめ……」
一人でブツブツ言うジャミル、何故か顔が赤い……。幼稚園にも足を
運んでみたくて仕方がない様子。そこに……。
「ア、ア、ア、……アイシャ~、おやつの時間じゃよ~、出ておいで~……」
目の前の道路を、何処かで見た様な、見ない様な…、異様なヘアスタイルの
爺さんがふらふらと横断しようとしている……。
「あっ!」
爺さんは道路を横断しようとし、真ん中で思い切り転倒した。
「あぶねえなっ!何やってんだよ、車に弾かれんだろ、ほらっ!」
「す、すまんですのう、足がもつれてしもうて……」
ジャミルは慌てて爺さんを助け起こすと、そのまま身体を支え、
道路の向こう側までどうにか渡らせた。
「申し訳ないですの、孫娘が帰って来なくなりましての、必死で探しとるん
じゃが……、どうにもこうにも好奇心旺盛な孫でして、手におえんでほとほと
困っとるんですじゃ」
「あのさ、その、孫娘さんが……いなくなったのって、何時頃から
なんだい……?」
「……3~、4日ぐらいまえですかの、全く、誰に似たのやら、では、
申し訳なかったです……」
「それって……」
「ア、ア、ア、アイシャ~、出ておいでー!」
「……ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ!!」
再びフラフラと動き出した爺さんをジャミルは慌てて追いかけた……。
ジャミルは孫の捜索を続けようとする爺さんを一旦止めて話を
聞いてみる事にした。爺さんに場所を聞き、まずは向かうが先は、
今回アイシャが住んでいるらしい幼稚園。
「どうも、色々とお世話になりまして、儂は此処の幼稚園の園長の
ニザムです、あの子の両親はあの子が小さい時に早くに亡くなりましての、
儂と二人きりで住んどるんです」
園内には沢山のガキ……、子供がウロチョロしている。ふと、ジャミルは
壁にあいた大きな穴が気になって、側にいた園児に訪ねてみる。
「なあ、このでけえ穴、何なんだ?」
「それは、アイシャおねえちゃまがあけたのよ!」
「……何、ですと?」
「アイシャおねえちゃまはすごいのよ!かべパンチでどーんって!
みんながあんまりいうこときいてくれないから、おねえちゃまが
ないておこっちゃったの!……どうしてわたしのいうこときいて
くれないのよおーって!ふだんはやさしいけど、アイシャ
おねえちゃまはおこるとかいじゅうになるのっ!!」
園児の1人がやや興奮気味にジャミルに話して聞かせる、……やっぱり
この話でも全然変わっとらんわと、ジャミルはほっとして安心した様な、
でも、何だか焦るやら……。
「はあ、全く、……本当に何処に行ってしまったのかの、やれ、
もう少し探して……」
再び椅子から立ち上がり、フラフラ動きはじめようとした危なっかしい
爺さんをジャミルが慌てて止めた……。
「孫娘さんは俺が探すよ、だから爺さんは此処で待っててくれよ、な?」
「なんと、……しかし、あんたのご両親もそろそろ心配する時間帯では
ないですかの?もう今日も日が暮れそうですが……」
「大丈夫だからっ!必ず探して連れて戻って来るから……、俺、
用があって暫くはこの町に滞在するんでさ……、んじゃ!」
「しかし……」
不安そうな表情をする爺さんを置いて、ジャミルはダッシュで
幼稚園から離れた。
「けど、どうせまた動きだすんだろうけど、こりゃ速いとこ、アイシャを
探さねーとな、このままじゃ爺さんが自動車事故に巻き込まれちまう……、
じっとしていられねえのは……、やっぱ血筋かもな……」
けれど、爺さんの言った通り、もう日も暮れかかり、辺りは暗くなって
くる……。ジャミルは一旦、自分の疲れも落としたかったので、ツーソンの
ホテルに宿泊する事にした。
……そして、その夜……
ジャミル、ジャミル、……聞こえる……?
「アイシャか?大丈夫だ、ちゃんと聞いてるよ……」
ああ、分かってくれたのね、……私よ、アイシャよ……
「分ってる、……んで、お前は今回は何処に捕まってんだ……」
それが……、場所が分からないの、どう伝えたらいいか……、
暗くて狭い牢屋の中に閉じ込められてるの……
「そうか、けど、大丈夫だ、ちゃんと助けに行くから……、だから
待っててくれな……」
……うん、有難う、信じてる、ジャミル……、大丈夫だよ、
ぬいぐるみさんも一緒だから、恐くない……、この世界で
あなたに会えるの……、待ってるから……
アイシャの送るテレパシーはそれだけ伝えると途切れる。心なしか、
前回の時よりは多少安心している様子であった……。
「はあ、たく……、けど、どうしてああいう時は普通に大人しく、
乙女モードでしおらしくなるんだ、……牢屋ぐらい壊しゃいいだろ、
たくよ……」
と、ジャミルが突っ込み愚痴を言った途端、……再びアイシャから
テレパシーが入った。
……言い忘れてたの、……ジャミルのバカーーっ!!
「分ったからっ!無駄に力を使うなってのっ!もう寝ろ、
このジャジャ馬!!」
……ぶうーーっだ!!おやすみっ!!
「……今回は、超能力を使えるみてえだから、更にややこしくなるなあ~……」
そして、声は再び途切れ、何も聞こえなくなる……。アイシャに
睡眠妨害され、……やがて朝がやって来た。ジャミルは気を取り直し、
気合いを入れる。
「よしっ!まずは情報収集だな!んでもって、新しい武器の……、お?」
「……アイシャ~、アイシャ~、出ておいでー!」
ジャミルの心配した通り、やはり早朝から爺さんの孫捜索が始まった
らしい。状況が分からない者から見れば、痴呆の老人とも受け止められ
兼ねない光景であった。何せ、ここんところ、孫を心配する余り、只管孫を
探し続け朝から晩まで、……ずっと同じ事をしてるのだから。
「……爺さん、やっぱ駄目か、頼むから俺がアイシャを助けるまで……、
車に弾かれないでくれな……」
zoku勇者 マザー2編・3