ときめく恋はカフェオレの香り チャプター7
〜それから、3ヵ月間、、結奈は、南川達郎と楽しくて甘い時間を過ごしていた〜
2人目の彼氏である、達郎は老人の世話をしているだけあって、「かゆいところに手が届く」人で、楽しい場所に連れていってくれたり、気の利く人なのだ。
結奈は、こう思ったのだ。
「達郎は、私のことを好きなんだ。女性は、惚れられて付き合ったほうが、幸せなのかな?」
前の恋愛で、蒼空(そら)くんを追っかけて辛いこともあったなあ、そんな結奈にとって、達郎くんは優しい人で、、ありがたかったのだ。
そんな時。。結奈の部屋に、妹・円香(まどか)がやってきた。
「お姉ちゃん、達郎さんとは上手くやってるの?」
「う、うん。まあまあかな? ケンカもするよ」
妹は、10歳上の立川さんと別れてしまい、あれから大変だったのだ。
自分の部屋で、立川さんからのギフトを全部段ボールに入れて捨ててしまったらしい。結奈が貰った、カシミアのマフラーくらい、「高価だがら、取っておけば?」と言ってあげたが・・。
「ふん、カシミアくらい自分で買えるよ。
もう、立川さんは忘れるのよ・・」
円香(まどか)は、マフラーも段ボールに放りこんでいた。ママに言うと、「好きにさせてあげてね。」と逃げ腰である。こんな失恋の妹に、達郎との恋のノロケは出来ず、、ごまかすことにした。
突然、円香は、結奈にこう言いだしてきたのだ。
「私も、久しぶりに、達郎さんに会ってみたいなあ」とのこと。
達郎と私を出会わせてくれたのも、妹だものね、たまに3人でお茶するのも、楽しいかもね。
けれど、この時、円香(まどか)が、どんな悪だくみで達郎の名前を出したのか・・・「お人好し」の結奈には、まったく気付かなかったのだ。
〜 同じ夜、円香の部屋 〜
机の上には、一さつのノートがあった。
ノートに、「達郎さん 好き?」とだけ、書いてあった。
「まったく、たまったもんじゃないわ、お姉ちゃんは、私より恋愛にウトかったのに・・・!」
妹は、姉の結奈が、達郎と楽しそうにデートをしている様子を見ていて、、嫉妬の気持ちを、めらめらと感じていたのだ。
「昔から、私のほうが男の子にモテるのに・・。
この状況、、許せないけど・・」
妹の円香(まどか)は、ある作戦を考えていた。達郎に会ったら、きっと、達郎も魅力がある自分のことを好きになるに違いない。そうしたら、達郎を姉から、、盗ってしまおう。
「ふふん 、私に惚れない男はいないはずね!」
割と、アイドルっぽい面もある妹は、周囲の男にちやほやされて育ってきて、自信があったのだ。
妹の脳内には、「他人の男は、自分の男」にしてしまうことも、まったく罪悪感が無かったのである。
「何を、着ていこうかな。」
ぶきみな、笑いを含み、円香はチェストを開けていたのだ。
それから、結奈は達郎に話して、妹と結奈と達郎で会うことにする。
達郎が、気にっているカフェで、レモンジュースを飲む妹であった・・。
「あれから、達郎さんとお姉ちゃんが、本当に付き合うなんて思っても見なかったわ」
「ほんと、、円香ちゃんが恋のキューピッドだよな」
蒼空くんと音信不通になって、元気が無い姉を、映画館に連れ出したのは妹・円香で、そこで達郎と再会したのだ。
「まどちゃんには、感謝しているわ、どんどんオーダーしてね」
そういって、結奈はシーフードドリアセットなんかをちゃっかり頼んでいたのだ。カフェで話も弾んで、妹も達郎になついていた。。
「お姉ちゃんは、家では朝からパジャマでいることが多いんですよ、、ズボラで、、」
調子にのって、姉の失態などを面白そうに話している。立川さんに失恋してから、元気の無い妹を見ていたので、結奈は、妹が達郎と楽しそうに話して安心していたのだ。
その時、結奈のスマホが鳴って会社からの着信らしい。
「あ、ちょっと、ごめんね」
そういって、自分の席から離れた結奈だったのだ。
〜 妹と、達郎の話 〜
さっきから、妹・円香(まどか)は斜め前に座ってる達郎が、自分のことをどう思っているのか、気になっていた。
「ねえ、まどかさんは、何のサークルに入っているの?」と達郎。
「ええ、今も、たまに水泳のサークルで活動しているの」
そう答える妹を、びっくりした顔で達郎は眺める・・。
「結奈ちゃんは、おっとり系だけど、まどかちゃんは活動的なんだね、素敵だな。」
円香は、「ふうん、この男、私に気があるんだ、」と勝手に解釈して、心の中でにんまりしていた。
「ねえ、達郎さん、連絡先を交換してくれない?お姉ちゃんのことが心配なので、たまに連絡していい??」
演技とも思えるねこなで声で、妹は達郎の連絡先を聞き出したのである。
「今度、ふたりだけで会いましょうよ、おいしいケーキのお店、連れていってね、」
積極的な円香(まどか)に戸惑う達郎だったが、妹はとびきりの笑顔を見せて、媚びたような感じで、デートの約束をする。
そこへ、、結奈が戻る・・・・。
何も知らない結奈は、「達郎くんと、妹が気が合うようで良かったわ、」「もし、将来、達郎くんと結婚しても上手くいくかな」
こんな、「のん気なこと」を考えていたのだ。。
3人の前に、食後のコーヒーが、運ばれていたーーーー
それから、2週間後、
最近の達郎くんは、電話しても取ってくれないし、なんだか連絡が取れないことが多い。
たまたま、ラインで聞いてみると「仕事が夜中までなので、しばらくは忙しい」 とあった。優しい結奈は、「それなら放っておこう」と、あまり気にしなかったのである。
一方、妹は土曜日に「サークルの友人と、日帰り旅行する」と朝から、ばたばたと出かけてしまったのだ。
その日の夜中に、帰宅した妹だった・・。
ちょうど、ひとりでキッチンにいた結奈は、
「おかえり、、。紅茶でも、飲まない?」と声をかけてあげる。
妹は旅行が楽しかったのか、上機嫌でお土産をテーブルの上に並べ、とっても嬉しそうである。
「あ、お姉ちゃん、これ食べてね、石塚温泉の名物の栗だんごなの。」
「へえ、友達と温泉に行ってきたのね
混んでたでしょ・・??」
妹は何故か、結奈の顔を、、30秒くらい凝視して、、視線を外さなかったのだ。
「え?私の顔に何か付いている?」と、思わず聞いてしまう結奈。
「う、うん。楽しかったわよ、私は入らなかったけど、混浴もある温泉だったみたい」
「今度、彼氏ができたら行ってみようかなあ、って思ったわ」と円香(まどか)は答えてくれた。
妹は今日の午後に、達郎くんと一緒に入った、混浴の温泉を思い出していた。カフェで会ったあとに、早速、妹は達郎に猛アタックして、断りきれない達郎をいいことに、2回もデートした。
デートも、妹が達郎の職場の近くで待っていて無理やり会ったり、、。
正直、達郎は困っていたのだ
「結奈ちゃんが、居るのに・・。でも、まどかちゃんも可愛いとこがあるものなっ・」
達郎は、円香(まどか)に振り回されるのも悪くないな、。と思い、彼女の小悪魔っぽい顔を思い出していたのだ。今度の旅行も、妹・円香(まどか)がおねだりしたプランで、なんと自分で、「混浴温泉付きの、カップル部屋」を予約して、強引に達郎を誘ったのだ。
まあ、一緒に行った達郎も達郎だが、それを知らない結奈は、何のことか分からず、、おみやげを眺めていた。
ただ、結衣は、妹が付けているネックレスが、ずっと気になっていたのだ。確か、達郎が付けているものに、すごく似ているのだ。
デート中に、達郎に聞いていたが「そのネックレスは、N社の30周念の記念のもので、あまり売ってないんだあ」と言っていたような・・。他人のものを欲しがる妹が、そのネックレスを、達郎にせがんで自分のものにしてしまったとは、結奈は知らなかったのである。
ーー『なんだか、嫌な予感がするわ、、』
冷たい紅茶を飲み干して、自分の部屋に戻る結奈だったのだ。
しばらくたって・・
ここは、また会社のカフェだである。 都合のいいことに、ここは、料金を払えば、一般の人も入っていいことに、なっているのだ。
ーー緑川 琴葉(みどりかわ ことは) 結奈の友人である。
学生時代は不良っぽい彼氏がいたり、たまに不倫で遊んだり恋愛経験は多いほうだろう。幼稚園の先生だけあって母性が強いらしく、ほんとにモテる友人で、結奈はうらやましいのである。
その琴葉は、苺のミルフィーユに苦戦している。
「わあ、このミルフィーユは大きいね、でも食べづらいわ」久しぶりに会った琴葉は、ちょっと太って髪も伸びたみたい。
「ねえ、琴葉、、妹の様子がおかしいのよね」
結奈は、妹が立川さんに失恋したことから話して、最近の温泉旅行のことなどを、全部、聞いてもらった。
そ、それって、妹さんに男が居るんじゃない?」
「へえ、、そうなの? 女性の友人と、温泉って言ってたわよ」と結奈。
「そんなの、デタラメよ、他に男が出来たに違いないわ」
苺のミルフィーユを平らげて、琴葉はゆっくりココアを飲んでいる。ココアを飲む顔は落ち着いていて、今の彼氏と上手くいっていることが、結奈には分かる。
「う、うんん、、 結奈は、安心しているみたいだけど、達郎くん、だいじょうぶなの?」
結奈は飲んでいたクリームソーダを、思わずこぼしそうになってしまった。
「た、達郎くん・・?? たぶん、だいじょうぶだと思うけど、、」
結奈は、ホントは自信は無かった。なんで、妹が同じようなネックレスをしてるのか、、、、、ずっと、達郎と会ってないことも・・。けれど、達郎の笑顔をを信じたかったのだ。よりにもよって、自分の妹と会ってるとは、考えたくもなかった。
「まあ、いいけどね、結奈が信じるなら・・。
でも、達郎くんのことをしっかりゲットしておいたほうがいいわよ、」
冷静に、琴葉はアドバイスしてくれて、結奈の手を握ってくれたのだ。
『ああ、、確か蒼空くんの時も、琴葉に相談にのってもらったな。。』
さすがの結奈も、今日だけは目の前の、
苺のミルフィーユに、手を付ける気持ちになれなかった・・。
ときめく恋はカフェオレの香り チャプター7