チコリの一輪を

朝の天気予報を見て
今日は雪だろうか、
と考える


三月でも雪は降る
五月にだって降るのだから

それでも特別だ
きっともう、ずっと

あの日も降っていたこと
電気がつかない夜だったこと

今年も寒いね、が
積もり重なっていく


飲食店が減ったんだって
マンションが建つんだって

あのコンビニも転生したら
コインランドリーになるのかな

なくなってから気付くばかりだ
知っておきたかったこと

時間が経ったから今こそと
話せることもあるけれど


夢を見ているみたいに
目を逸らしたり、歪めたりはやめて

空に放つなら花火がいいし
流すならうれし涙がいい


夜に帰り道を歩きながら
降らなかったなぁ、
と思い返している

チコリの一輪を

チコリの一輪を

わたしはどこへ添えるだろう。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-03-11

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted