zokuダチ エスカレート編・37

はーちゃんの思い人・2

「はーちゃん、出掛けて大分立つけど戻って来ないね……」

「モフ……」

「大丈夫よ、みらいは心配し過ぎなのよ……」

「だ、だけど、その……、この前の事もあるし……」

「……」

みらいとリコは顔を見合わせる。以前にはーちゃんがゲスに誘拐され、
ルーゼに洗脳されてしまった時の事を思い出し、不安になっているのだった。

「ま、悪い方に考えるなや、……相当あっちの方が進んでて中々……、
いでっ!!」

「……バカねっ!小さい子もいるのにっ!!」

顔を赤くし、アイシャがジャミルの顔にグーパンチ。

「ねえ、あっちのほうってなあに?」

「あっちになにかあるのー?」

「おしえてー!」

ナンシー達は目を輝かせジャミルの方を見ている。

「……つ、つまりだな、お子様には、まだはええ話……だ……」

「ええー!?」

……みらいとリコは半目になり、アイシャは頭を抱えた。

「皆さん……、少し宜しいでしょうか……」

「あっ、ロレッタ先生……」

助け船が入り、ジャミルはほっと胸をなで下ろした。ロレッタは一行を
ある場所へと案内する。

「……こ、これって!」

「二つの虹がなくなってる!?……どういう事?け、計算外よ!」

「この場所に何かあったのかい?」

「ええ、皆大騒ぎです……」

「えっと、ジャミルさん達にはまだ詳しい事は話してませんでしたよね、
……はーちゃんと、その……、人魚の王子との馴れ初めとか、……里で
起こった出来事を……」

みらいはジャミル達の方を向いて話し始めるのだった……。

そして、再びはーちゃんサイド……

「ねえ……、一体何処まで行くの?何だか人魚の里から大分離れちゃった
みたい……」

「……あててて!」

「ど、どうしたのっ!?」

突然、人魚の少年(中身は小悪魔)が、腹を押さえて呻きだした。
はーちゃんは急いで彼に駆け寄るが……。

「何か急に催したみてえだ、悪いけど此処で暫く待ってて貰えるかい?」

「う、うん……」

「わりいねえー!んじゃ、けーっけっけっ!りゅー!」

「……りゅ?何だか変わった喋り方……、それにしても……」

はーちゃんは改めて連れてこられた周辺を見回す。本当に人魚の里から
大分離れた薄暗い場所に来てしまったらしい。何だか心配になり心細く
なったはーちゃんはポーチに入っているジェイドへのプレゼントのチョコを
眺め、ポーチにそっと触れた。

「ねえ、ジェイド……、あなたは本当に此処に……?」

「……けーっけっけっけっ!」

「よくやったル!オメーにしては今日は上出来ル!」

「……何だりゅ!オメーにしてはとか言うのはりゅ!」

「るせーんだル!さあ、仕上げル!さあ出でよ!ララルの遣い魔!!」

ララルはフォークを翳すと○ラ○エ世界からの出張で海洋系モンスター、
キングマーマンを召喚した……。

「……おおうりゅ……」

「さあ今度はオメーの番りゅ、さっさと遣い魔を召喚しろル!」

「……悪魔づかいの荒い奴りゅ、やれやれ……、んじゃあ、出でよ!
リトルの遣い魔!」

……リトルが召喚した遣い魔は……。

「どうも……、お呼び下さり有り難うございます、ガーネル
ラーケンです……」

顔だけガーネル、下半身はクラーケンの海洋系モンスターであった……。

「やっぱり……どうもこの処調子が悪……んぎゃああーーーっ!!」

「……真面目にやってんのかル!おめーわああああっ!!」

「るせーるせーりゅ!オメーこそ前々回にバカなモン召喚してしかも
失敗した癖にうるせーんだりゅ!!」

「やめル、今は争ってる場合じゃねール、……早くあの糞女からの任務を
遂行しねーとル……」

「ふう~、やれやれりゅ……」

ララルにフォークで突かれた頭部から血を飛ばしながらも小悪魔リトルが
ほっとした。

「さあ行くル!出陣っ!」

「りゅりゅ~……」

「私も行くんですかね、ではこのガーネルも参りましょう……」

変な遣い魔を連れ、小悪魔達の悪巧みが動き出す。そして、王子をずっと待つ
はーちゃんの元に……。

「ただいまあー!」

「……ジェイドっ!?

聞こえて来た声にはーちゃんの瞳が輝く。……しかし、其処に現れたのは……。

「けーっけっけっけ!ルー!」

「けーっけっけっけ!りゅー!」

「……あ、あなた達……、誰……?」

「りゅー!オメーとこうして顔会わせるのは初めてだったりゅ!偉大なる
魔界の王子ベビーサタン事、リトル様りゅ!」

「同じく、偉大なる魔界の王女、ララル様ル!」

「……は~?」

リトルとララルは声を合わせて馬鹿笑いするが、はーちゃんは只管
首を傾げている……。

「わ、私が会いたいのは魔界じゃなくて、人魚の王子様なんだよ、
ねえ、あなた達……、知らない……?」

「はんっ!知ってたってオメーになんか教えるワケねえだろル!我らは
人間共を不幸に陥れる為魔界からやって来たのル!不幸の味は蜜の味ル!
行けっ!キングマーマン!」

「……ああっ、敵っ!?」

ララルがキングマーマンをはーちゃんに差し向ける。はーちゃんは
急いでスマホンを取り出し変身しようとするが……。

「……大丈夫、私、負けない……!キュアップ・ラパ……、きゃああーーっ!!」

フェリーチェに変身しようとしはーちゃんに何者かが強い力を放ち、
はーちゃんは岩に叩き付けられ衝撃で持っていたスマホンを手から
落としてしまう。

「うう……、な、何……?ああっ!」

「久しぶりね、……プリキュアのお嬢さん……」

「あなたは……、まさか……、どうして……?」

そして、再びジャミルサイド。

「そうだったのか……、その、王子に振られた腹いせに呪いを
掛けたってのか……、その魔法使いがな……、誰も愛せない傲慢王子が
見初めた相手に3日以内に愛して貰わねえと王子も人魚族も皆泡に
なって消えるってか、で、その呪いを解いたのがことは……、と」

話を聞いたジャミルは何となくこっぱずかしそうである。

「でも、自らもう負けを認めて何処かへ行ってしまったみたいで……、
旅立つ前に此処にお互いの友好の印として、二つの虹を掛けて
いってくれたんです……」

「その虹が急に消えてしまったからみんな心配になってるのね……」

「すや~……」

はしゃぎすぎて疲れたのかテーブルに寄り添い、眠ってしまった
人魚娘達の頭を優しく撫でながら椅子に座っているアイシャが呟いた。

「……何も悪い事が起きないとよいのですが……」

ロレッタも心配そうな面持ちで人魚娘達を見守っている……。

「……みらい、リコ……、はーちゃん遅いモフ……、モフルン何だか
心配になってきたモフ……」

みらいとリコの腕をモフルンが引っ張る。それを見た2人は頷き合う。

「リコ、探しに行こう、はーちゃんを!」

「ええ!全くもう、計算外だわ!」

「俺達も行くぜ!」

「行きましょっ!」

「ジャミルさん、アイシャさん、ありがとうっ!よおーしっ!みんなで
行こうーっ!」

「行くモフーっ!」

……と、言った処で、人魚の里の人魚達が大慌てでロレッタの処まで
泳いで来た……。

「……先生―っ!た、大変ですっ!怪物が!!」

「……何ですって!?」

「きゃあーーっ!!」

「助けてーーっ!!」

「怖いよううーーっ!!」

人魚達は大慌てで逃げ回り、皆パニックに陥っている……。

「……皆さん!どうか落ち着いて下さい!此方へ!!」

「アイシャ、お前はチビ達を連れて安全な場所に逃げろ!んでもって、
里の皆も安全な場所に避難させてくれ!」

「……で、でも、私も!」

「アイシャさん、お願いします、どうかこの子達を不安にさせない為にも……」

「私達の方は大丈夫ですよ、今はプリキュアになれますから!」

「モフー!」

「分りました……」

みらいとロレッタの言葉にアイシャが頷いた。

「でも、気をつけてね、さあみんなもお姉ちゃん達と一緒に行こう!」

「ふにゅ……、どこにいくのお?」

「まだ……ねむいの……」

「うにゅう……」

お昼寝から起こされ、ドロシー、シシー、ナンシーが眠たそうに目を擦る。
3人を落ち着かせる様、優しく抱きしめるロレッタ。

「……大丈夫ですよ、さあ……」

「じゃあ、頼むな、アイシャもな!」

「うん、ジャミルも……、気をつけて……」

こうして2人はそれぞれに別れて行動する事になる。だが、いざ
別れてみると、彼女は何をしでかすか分からないので、気が気では
なかった……。

「大丈夫かな、アイシャの奴……」

「リコ、私達もプリキュアに!」

「ちょ、ちょっと待って!……あれ、また変な怪物よっ!!」

現れたのは……、顔だけガーネル、下半身はクラーケン、変態海洋系
生物モンスター……。

「……どうも、私はガーネルラーケンです、人魚の里を破壊する為、
ある変な方々に今回はモンスターとして召喚されました……」

「落ち着いて平然と話すなっ!……けど、今度はオメーかよっ!
おい、誰に召喚されたんだよ!言えっ、この野郎!!」

「その内分かります……、今の私の仕事は邪魔をするあなた達を
倒す事、……ふんっ!ふんっ!ふんっ!」

ガーネルラーケンは触手を振り回し、そこら辺をドカドカ壊し始めた……。

「このままじゃ人魚の里が壊されちゃう!……リコっ!」

「ええ、みらいっ!」

「キュアップ・ラパパ!ダイヤ!」

みらいとリコは再びプリキュアへと姿を変える。今度はノーマルの
ダイヤスタイルに。

「たく……、敵はモロふざけてんだかんな!……どうしようもねえ……、
っと!俺も何か手伝わねえと!……けど、今は全くの一般人モード
なのがきつい……」

「……ジャミルさんっ!此処は私達が食い止めます!お願い、どうか
はーちゃんを探して助けてあげて下さい!」

「……だ、だけど……」

「私達の事なら大丈夫!心配いりませんっ!絶対失敗しないし!!
はああーーっ!!」

ミラクルが蹴り、マジカルがパンチとそれぞれにガーネルラーケンを攻撃。
今は普通人間モードのジャミルはバトル方面は全て彼女達に任せる他なかった。

「俺だってこれでも少しぐらいは何とか戦えるけどな、でも今はことはも
心配だ、よしっ、任せろっ!必ず見つけて連れて来るから!」

「……お願いっ!」

ミラクルとマジカルが声を合わせるのを聞きながら、ジャミルは、はーちゃん
救出の為、人魚の里をダッシュで走り出した……。

再び、はーちゃんサイド。

「……あなたはっ!あの時の……魔法使いさん……?」

「そうよ、覚えててくれたのね、あたしも覚えてるわよ、
しっかりとね……、あなたがプリキュアの一人だって事もね、
……あたし、考えが変わったのよ、一度は負けを認めたけれど、
やっぱり悔しいの、王子を諦めきれないの!だから又人魚の
里の人魚達に復讐してやるわ!……無論、プリキュアの
あんた達にもね!何て良いタイミングなの!こんな時に
プリキュアが現れるなんて!あはははっ!」

女魔法使いは、はーちゃんを見て冷たく意地の悪い微笑を浮かべた。
その姿は完全に邪悪な魔法使いの姿に戻ってしまった様であった。

「一体どうして……?もう人魚の里の皆に悪い事はしないって……、
魔法の杖を悪い事に使わないって……、約束してくれたのに……」

「フン、人の気持ちなんてコロコロ変わるわ、……あなたの王子様……
だってね、……永遠の愛なんか存在しない事を今此処であたしが
証明してあげるわ!」

「はーっ!?」

はーちゃんは慌てて落ちたリンクルスマホンを拾おうとするが、
しかし……。

「その邪魔なおもちゃっ!こっちに来なさいっ!!」

「あ、ああっ!?」

魔法使いは持っていた杖を振りかざし、スマホンを回収してしまう。

「……お願いっ!返してえーっ!!」

「返して欲しいの?……そうよね、これがなくてはアンタはプリキュアに
なれない物ね!あーっはっはっは!いい気味よ!」

「すげえ女りゅねえ……」

「……ル?おい、バカリトル、バカがもう一匹近づいて来てル……」

「あら?プリキュアのお仲間かしら?」

「いや、違うル、此処はララル達がお相手しとくル、アンタは
その小娘をどうにかしとけル、おい、バカリトル、行くルよ!」

「……たく、今の女もスゲエけど、こいつも極悪非道りゅ、
いや、んなこと言わんでも分かってりゅ、けど言わずには
いられんのりゅ……」

小悪魔達は行ってしまい、魔法使いは残されたはーちゃんの
方を振り返る。

「さて、向かって来るバカとやらはあいつらに任せるとして、
アンタはあたしと一緒に来るのよっ!!王子に会いたいんでしょ!!
いい物を見せてあげるわ!!」

「はーっ!?」

魔法使いは、はーちゃんに魔法を掛け、その場から消し去り
何処かへと連れて行ってしまうのだった。……そして、はーちゃんを
探し回るジャミ公……。

「ことはーっ!何処だーーっ!!」

「♪はーっ!ジャミル!」

「ことはっ!!」

ジャミルが急いではーちゃんに駆け寄るとはーちゃんもすっ飛んで来た。

「……無事で良かったよ、さあ、一旦戻ろうぜ、また人魚の里に
怪物が現れたんだ、みらい達が里を守る為戦ってくれてるんだ、
お前の事も心配してるよ……」

……しかし、はーちゃんは立ち止まって動かず、じっとジャミルの顔を
見つめているのだった。

「……ことは?」

「私、戻らない……」

「お、おい……、お前の王子さんに会いたいって気持ちも分かるけど、
今はみらい達も大変なんだぜ……?」

「私ね、もう王子なんかどうでもいいんだもん……」

「……何ですと?」

「はーっ!?」

「!?」

はーちゃんはジャミルに飛びつく。そして顔の正面まで迫ると、
キスをしようとした……。

「……おいおいおい!おーいおいおいおい!!」

「私、ジャミルがいいのっ!!王子なんかどうでもいいもん!!ね、
2人だけでこのままデートしよう!!」

「……お前、誰だよ……、ふざけてんじゃねえぞ……」

「はー?」

ジャミルにはすぐにはーちゃんが偽物と分かった様だった。

「……何言ってるの!?私ははーちゃんだよ!!」

「こんなワンパターンな展開で俺を騙せると思っとんのかい!
いい加減にしろっ!!」

「……そう、ふふふ、ルー!」

ジャミルが一喝すると、偽物はすぐにジャミルから離れくるりと一回転する。
そして、ララルへと姿を変えた……。

「けーっけっけっけ!ルー!!」

「……お前はリトルっ!……いや、何か違うな……、誰だよ……」

「この姿でお目に掛かるのはお初ル、……魔界から人間共を恐怖に
陥れる為やって来たベビーサタンの王女ララルル!」

「はあ~?」

ジャミルが呆然としている中、其処にいつものリトルも姿を現す……。

「そうりゅ、今度からこいつとコンビでやるんだとさりゅ、……正直、
リトルは一匹で行動した方が気が楽りゅ……」

「あんだと!?大体テメエが真面目にやらねえから優秀なララル様が
わざわざこうして直に人間界に出向いてやってんじゃねえかル!
糞リトルをサポートする様、指示が出たんだルーーっ!!こっちだって
冗談じゃねえルーーっ!!」

「んぎゃわわわわーーっ!!」

「うっわ……」

ララルに高速で頭をフォーク滅多刺しの刑にされるリトルを見て
ジャミルが顔をしかめた。……何だかほんの少しだけリトルが
気の毒になってきていた……。

「そういうワケル、……糞猿!まずはお前から始末すル!!」

「上等じゃねえか、やってみな!」

「よしっ、やれっ!キングマーマン!!」

「おい……、って、無茶だろーーっ!!」

「けーっけっけっけっ!!」

「うわああーーっ!!マジでえええーーっ!?」

キングマーマンはジャミルを追い掛け回す。zoku勇者時代では
勇者だったがこの話では普通の一般人設定だが、リトルが失敗
ばかりしている為……、どうせララルも大した事ねえんだろ、と、
余裕で勝てるとジャミルは思っていた……。

「……畜生!けど、今の俺だってやって出来ねえ事はねえ!
ヒーロー編でも序盤は怪人達と戦ったことあるしな!よし、
いっちょやってみっか!」

「おっ?」

「だあああーーーっ!!」

ジャミルは一か八か、キングマーマンに突っ込み力を込め、
思い切り飛び蹴りを噛ます。……蹴られたキングマーマンは
倒れて伸び、その場から消滅した……。

「ルーっ!?」

「……よ、よしっ!倒れたっ!」

「なんでルー!おかしいルー!ララルの遣い魔は絶対優秀な筈ル!」

「……召喚したのがポンコツだったりゅ、ほーんとてめえも大した事ねえ、
……んぎゃああーーーっ!!」

「るせーるせール!!……こ、この……、糞猿めええ!!」

リトルに仕置きしたララルがもの凄い勢いでジャミルを睨んだ……。

「いや、あのキングマーマンはマジモンで強かったと思うぜ?でもな、
人間死ぬ気でやれば何だって出来ねえ事はねえって事さ!」

「……な、なんルー……?」

「あはははっ!」

「……だから最初にリトルが忠告したりゅ、馬鹿猿は変人なのりゅ、
……魔法の調子が狂う時があるのももしかしたらこいつが原因かも
しれんりゅ……」

「うっ、くっ!畜生、んな事はねえル!……んな事はっ!!」

そう言いつつも……、フォークを握り締めるララルの手が汗ばんで
来ている……。この男が持つ計り知れない得体の知れない変な力の
恐ろしさを段々と感じ始めていた……。

「んなの偶然ル!どんどん行くル!召喚召喚!」

……しかし、今度は羊羹が出た。

「おめえ、あんまり無理しねえ方がいいりゅよ、何焦ってりゅ……」

「るせーるせーるっせール!こ、今度こそ!……ああっ、MP切れ!?」

やっぱりリトルの連れだけあってポンコツだなあとジャミルは思った。
……ララルがさっき失敗して出した羊羹を口に入れながら……、
少しだけ安心してみる……。

「しかし、しょっぺえなあ~、このヨウカン……」

「ジャミルさああーーんっ!!

「モフーっ!!」

ミラクルとマジカル、モフルンが此方に向かって走って来る。どうやら
ガーネルラーケンはプリキュア達によって無事に成敗された様子。

「おーっ!お前ら大丈夫だったかーっ!!」

「ちっ、仕方ねえ、此処は一旦退散ル……!」

「ま、仕方ないりゅね、やっぱこうなりゅね、さっさと逃げりゅ!」

「……ま、待てっ!このまま逃がさねえぞっ!……お前らことはの行方を
知ってんだな!?言えっ!ことはを何処に連れてったんだよっ!!」

「!!」

ジャミルの言葉に驚き、ミラクル、マジカルも身構える……。

「フン、それはあの極悪女魔法使いが勝手にやった事ル、ララル達は
悪人の手助けをしてやってるだけル!おい、バカリトル、さっさと逃げル!」

「……女魔法使いって、……まさか……、マジカルっ!何だか嫌な予感が
するよっ!」

「そ、それに……、消えた二つの虹……、あなた達っ!ちゃんと
その魔法使いの事を教えなさいっ!!」

「モフー!はーちゃん返してモフー!!」

「うっせーんだル!おめーらは其処で黙って指でも銜えてションベン漏らして
大人しくしとけル!」

「けーっけっけっけ!」

「……ま、待てーーっ!あ、ああ!逃げられちまった……」

「……ジャミルさん、はーちゃんは……」

ミラクルが心配そうな表情でジャミルを見る。……ジャミルは……。

「ことはが連れて行かれたのは間違いねえみてえだ、……その、
魔法使いとやらに……」

再度のジャミルの重い言葉と……、魔法使いに反応し、ミラクルもマジカルも
真っ青な表情になった……。

ガーネルラーケンはプリキュア達によって成敗され、人魚の里も
一旦は平穏を取り戻したものの……。問題は全く解決していない。
はーちゃんが捕えられてしまった事と、魔法使いの事をジャミルは
詳しくアイシャとロレッタに伝える……。

「ああ、なんて事……、あの魔法使いさんがまた心変わりを
するなんて……、一体どうしてこんな事に……」

「……酷いわ!早くはーちゃんを助けに行きましょう!!」

「アイシャ、気持ちは分かるよ、俺らだって早くことはを助けたいよ、
けど、向こうだって魔法使うんだぜ?何も考えず下手に動いたら危ねえ……、
それに厄介な糞小悪魔達もバックに付いてるからな……」

「それは……そうだけど……」

「……」

ジャミルとアイシャは考え込む。みらいとリコも黙ったきり口を開かない。

「あのう……、私はどうしたらいいんでしょうか……」

ジャミルがちらっとガーネルの方を見る。元に戻ったガーネルは
取りあえず縄で拘束されぐるぐる巻きに縛られていた……。

「……ま、事が片付くまでそうしてな、下手にまたふらふらされて
利用されても困るしな、只でさえ常習犯で困ってんだから……」

「何よジャミル!何で私の方見るのよう!」

「残酷な方ですなあ、私のホットチキンでも食べて温厚になりなさい!」

「……なるかっ!……とにかくだ、ことはが捕まっちまったのは間違い
ねえんだ、やる事は一つだけだ!」

「……そうですね、はーちゃんを助けるだけです……、もしも再び
魔法使いさんと戦わなくちゃならないのなら……、私、戦います……、
はーちゃん、人魚の里のみんなの為にも……!」

「みらい……、そうね、私もやるわよ!でもその前にどうしてこんな事
するのかあの人からちゃんと理由を問いたださなくちゃ!」

「モフー!」

みらいとリコが頷き合う。もう2人の決意は決まった様であった。

「でもどうやってその魔法使いの所まで行くのよ……」

アイシャがジャミルに聞くとジャミルは困った様な顔をする。

「……そこなんだよなあ~……」

「大丈夫です、あの人が私達に復讐する気なら、きっとまた自分から
現れる筈です、……はーちゃんも連れて行ってしまった様ですし……」

「行きましょう、みらい!」

みらいとリコは自分達で囮になる事で、魔法使いを呼び寄せようと
している様だった。

「……いけません!みらいさん、リコさん!……無茶をしては!!」

「大丈夫です、ロレッタ先生!私達必ずまた人魚の里に平和を取り戻します!」

「ええ、信じて下さい!」

ロレッタは心配そうに2人を見つめる。そして、小さく言葉を漏らした……。

「分かりました……、みらいさん、リコさん……、どうかお気を付けて……、
ジャミルさん達もお2人を宜しくお願いします……」

「ああ!よし、完全に話は決まったな、行こうや!」

……そして……、魔法使いに捕まったはーちゃんは……、暗い不思議な
いばらの森の中を只管……、延々と歩かされていた……。

「あの……、何処まで行くの……?」

「うるっさいのよっ!アンタは黙ってあたしに付いてくればいいのっ!
アンタの愛しい王子様に会わせてあげるって言ってんだから!」

「……は~……」

はーちゃんは再びチョコの入っているポーチにそっと触れる。怖いけど、
必ずこの先に想い人のジェイドがいる……、もうすぐ絶対に会える……。
そう思うことで、自分を励まし元気づけるのだった……。

(さっきから何なのかしら……、あの子何やってるのよ、……それに……)

魔法使いは、はーちゃんが触れているポーチに気がついてしまう。

「ねえ、さっきからアンタがずっといじってるそれ何なの?凄く気になるわ!」

「……は?はーっ!!」

はーちゃんが慌てて両手でポーチを隠そうとするが、魔法使いは……。

「それ、よこしなさいよ!」

「……や、やめてーっ!!……アッ!?」

はーちゃんを片手で突き飛ばした後、無理矢理にポーチを引ったくって
奪い、中に入っているチョコをポーチから強引に取り出す……。

「お願い!それだけはやめてっ!……返してっ!……私、ジェイドの為に
一生懸命心を込めて、チョコを作ったんだよ……!?……だから……」

「ふん、なるほどねえ~……、こんなモンで王子の気を引こうってワケ?
これは面白いわ!……いいえ、ちっとも面白くないのよっ!!こんな物っ!!」

「……いやあーーっ!!」

魔法使いは奪い取ったチョコを高く掲げる。……そのまま地面に
叩き付け粉々に壊す気である……。はーちゃんは震えて怯え、
ぎゅっと目を瞑る……。

(もう駄目……、ジェイド……、ごめんなさい……)

「……ふん、でも壊しちゃうのも勿体ないわ、色々と利用
出来そうだしね……、いいわよ、これはあたしが預かるから!」

「……はー……、良かった……」

チョコは奪われてしまったが、どうにか無事であった事に安堵し、
はーちゃんは涙を溢す……。そんなはーちゃんの様子を見て
魔法使いは憎々しげに舌打ちをした。

(やっぱり気に食わないわ!……その善良そうなツラ!……今に
見てなさいよ……!)

「……ジェイド……」

そして、はーちゃん救出隊の皆さん……。

「はーちゃん……、どこモフ?……はーちゃんが寂しい思いしてたら
モフルンも悲しいモフ……」

「大丈夫だよ、モフルン!みんなで一緒にはーちゃんを助けよう!」

「モフー!」

みらいが嬉しそうにモフルンを抱き上げるとモフルンも
嬉しそうに返事をした。

「でも……、こうやってウロウロ歩き回ってるだけで本当に
魔法使いが出てくるの……?」

「……少なくとも小悪魔ぐらいは出てくると思……」

アイシャがジャミルに聞くと、ジャミルは何か思いついた様に
にやっと笑った。

「小悪魔……、そうだ、これだよ……、一番簡単な方法じゃねえか……」

「どうしたんですか急に!ニヤニヤ笑ってる場合じゃないでしょう!?」

急に笑い出したジャミルを見てリコまで心配する。

「ま、見てな……、おーい!……糞小悪魔―!」

「……呼んだかりゅ?」

「!!」

……ジャミルがリトルを呼ぶと、リトルがのそっと岩陰から姿を
現したのだった……。

「りゅ、返事をしてしまったちゅーことは、リトルはクソって
言う事になりゅ、……ざけてんじゃねーりゅ!!」

「リトルっ!あなたこの話でも懲りずに悪い事を始めたのっ!?
懲りないわねっ!!」

「おー、うるせー団子りゅ、この話では直に顔あわせんのは初めて
りゅね、……呼ばれたからにはおめーら此処で全員纏めて成敗して
やりゅ!」

リトルがフォークの先を全員に向けた。今はリトルだけで何してんだか、
ララルの姿は見えず。

「まあ、落ち着けや、……俺ら、もう降参する事にしたんだよ……、
大人しくお前らに負けを認めたのさ……」

「りゅっ!?」

「……ちょっとジャミルっ!?」

「ジャミルさんっ!?」

「モッフー!?」

……ジャミルの突然の敗北宣言……、皆は驚きを隠せず……。

「ほ、ほ、……ほんとかりゅ!?もうおめーら降参するんかりゅ!?」

「ああ、高3でも中3でも何でもいいよ、好きにしろや!」

ジャミルはそう言い、胡座を掻いて地面にどかっと腰を下ろした。

「何考えてんのっ!ジャミルっ!!」

アイシャが問い詰めると、……黙ってろと言う様にアイシャを諭し、
飛び跳ねているリトルに聞こえない様、みらい達も呼び、小声で
話をする。

(……静かにしてろ、これも作戦の内なんだよ……)

(……作戦……?)

(そう、あの馬鹿小悪魔を利用するのさ、負けたって言って大人しく
捕まった様に見せかけてさ、魔法使いの所まで連れて行って貰うのさ、
その方が手っ取り早い、反撃なんざ幾らだってできらあ、とにかく今は
ことはを助ける事が先決だかんな、……腹立つけどな……)

「そ、そっかあ~、成程、……ごめんね、ジャミル……」

「うっし!分かればいいの事よ!」

「やっぱりこういう時のジャミルさんの判断力と頭の回転の早さは
本当に凄すぎね……」

「よおーしっ!みんなで捕まろうーっ!ワクワクもんだあ!」

「……こ、こらっ、声が大きいっての!それに捕まるのにワクワクして
どーする!怪しまれんだろうが!……もっと落ち込んだフリしろっ!!」

「……あ、あはは!そうでした……、う、うえ~ん、こわいよう……」

「みらい……、わざとらしいモフ……」

ジャミル達が騒ぎ出したので、飛び跳ねていたリトルが不審に思い、
近寄って来る……。

「あ~ん?おめーら、なーにこそこそ騒いでりゅ!」

……こそこそ騒ぐとは全くもって変な日本語である。

「何でもねえよっ!それより俺らを女魔法使いの所まで連れてくんだろう!?
早くしろ!」

「フン、生意気な逆切れ囚人りゅ、念の為りゅ、おい、そこのプリキュアの
おめーら、おめーらの持ってる変身アイテム、全部こっちによこすりゅ!」

「そんな……」

「ひどいモフー!」

「くっ、みらい……、今は堪えるのよ……、はーちゃんを助ける為よ……」

「リコ……、分かった……」

「まーた何かこそこそと!早くすりゅ!」

みらいとリコはリトルに言われるがままに、リンクルストーンと魔法の杖を
全てリトルへと手渡す。これではーちゃんに続き、2人もプリキュアへと
変身不可能となってしまう事になる……。

「みらいちゃん、リコちゃん……、大丈夫?」

「アイシャさん、大丈夫です……、行きましょう!」

「……今に絶対見てなさいよっ!」

「2人とも、大変だろうけど、今は辛抱してくれよ……、必ず道は
いい方向に開ける筈さ……」

ジャミルの顔を見て、みらいとリコは静かに頷いた。

zokuダチ エスカレート編・37

zokuダチ エスカレート編・37

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 わんぷり FF8 コードネームはセーラーV クレしん メタルギアソリッド クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界 ドラクエ オリキャラ 陰からマモル 幻想水滸伝ティアクライス 幻想水滸伝1 テイルズオブハーツ 獣拳戦隊ゲキレンジャー

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-02-21

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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