『喉奥の約束』
言えなかった言葉
あの日殺された蜂蜜色の恋心
『喉奥の約束』
電話の向こうはやけに冷静で
アタシだけ密かに泣いていた
駅のアナウンスが虚しく響き
これも日常の延長線上だと主張する
言ってしまえれば楽だったのかな
アタシはいつもそう言って振り返るけど
明るい友達はもう終わったことと
電車の乗り換えみたいに軽く言う
一度好きになるとすぐには忘れられない
振り切ることが苦手なの
だってあんなにも糖度の高い日々
今もあの甘さが舌に残ってる
約束はたったひとつだけ
だけどそのたったひとつさえ
守られないまま呑み込んで
甘かった何かが胸に溜まるばかり
肌寒いホームで待ち続けても
もう会えないことは理解してる
爪先が痛くなるくらい背伸びすることも
もう無いって理解してるつもりなのに
眼鏡を外した時に少し目を細めるのが
本当に好きだったから永久保存
それくらいいいでしょって
あの日みたいに悪戯に笑うから
「甘すぎた約束で喉が焼けるほど」
『喉奥の約束』