『喉奥の約束』

言えなかった言葉
あの日殺された蜂蜜色の恋心


『喉奥の約束』


電話の向こうはやけに冷静で
アタシだけ密かに泣いていた
駅のアナウンスが虚しく響き
これも日常の延長線上だと主張する

言ってしまえれば楽だったのかな
アタシはいつもそう言って振り返るけど
明るい友達はもう終わったことと
電車の乗り換えみたいに軽く言う

一度好きになるとすぐには忘れられない
振り切ることが苦手なの
だってあんなにも糖度の高い日々
今もあの甘さが舌に残ってる

約束はたったひとつだけ
だけどそのたったひとつさえ
守られないまま呑み込んで
甘かった何かが胸に溜まるばかり

肌寒いホームで待ち続けても
もう会えないことは理解してる
爪先が痛くなるくらい背伸びすることも
もう無いって理解してるつもりなのに

眼鏡を外した時に少し目を細めるのが
本当に好きだったから永久保存
それくらいいいでしょって
あの日みたいに悪戯に笑うから



「甘すぎた約束で喉が焼けるほど」

『喉奥の約束』

『喉奥の約束』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-02-16

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