第四主義のいろいろたち
➊情報合議主義(ジゴギズム)
・従来の国家を情報社会基盤(国家情報インフラ、国髄)を維持管理する情報整理機関と見做し、その上に完全雑談配信制(完全公議制)による国民合議に基いた国家最高決定機関たる「国民公議体」が置かれるべしとする
・国民公議体の合議長と合議員が公議上の選挙に基いて選出される他、情報官僚組織たる「国家情報官房」の長を含めたすべての官僚もまたその選挙に於て選出される
・軍官や警察職員を含めたすべての国家公職員が国家情報官房の職員と見做され、公議の直轄下とされる
・但し国家司法機関は国髄及び公議と官房の何れからも完全に切り離され、独自の情報本体たる「法髄」を運用する 司法職員の任用などもまた法髄の所管するところとするが、公議はその合議を以て何時も法髄に対する国家監査や質疑などを行うことができる
・行政及び立法はともに国民公議体が主体として行うものであるが、何れに於ても国髄による助言提案を公議体の合議に基いて採用する導問制度が存在する
・また財政経済への国髄の関与についてもすべて有人が提示した概要と具体策への助言提案にのみ限定されなければならないが、この助言提案の採用は他の行政事項や立法事項に於けるものと異なり公議による合議を要さない
・合議長と合議員の選挙の際には有権者からの得票数に加え、各公議上の情報組合組織毎に行われる人工知能審査(生成適査)の各結果に基いた得点数も加味される 情報官僚選挙に於ては生成適査による得点数のみに基く
・州や県等は廃止されるか単なる地理的目安となり、国家地方行政は専ら公議上の各情報組合の集合体として行われる
・表現の完全自由を国是とする一方、公議を以て国民の総意を得た場合は国髄上にてその総意内容に基く表現及びその他自由への規制機能が反映され、また公議の総意を得てその規制が解除される
・国民の個人情報については各自情報組合単位を以て記録保存され、国家がその情報を取得する場合は司法機関の認許を得なければならない
・情報合議主義に於ては国民は特に「共産主義化やその他全体主義化及び弾圧強権に対する防波堤」であると位置づけられ、公議は国髄の任命権の影響下にある国の司法機構とは別に国髄への直接監査機関たる国民監査院を置き、国髄への常時監査体制や定期審査等を所管し行う
➋国髄主義(コクジズム)
・情報合議主義とは異なり行政立法を専ら国髄主導、司法と警察軍事を専ら有人主導のものとする
・有人はその権能と所管分野を以て国髄への監査を行う国家機関と捉えられるが、国政に於ける国髄への監査行為やそれに基づく措置等はすべて司法措置や治安措置として司法機関や治安機関が行うものとされ、行政立法の枠組及び手続の中に有人側から異議を申し立てる等の機能は一切存在しない
・有人国民としての公職者は司法職及び警察職及び軍事職の他、国髄の下に行政を実行する仕官があり、有人公職者の最高職たる司法大臣は事実上の国家元首として国事行為を行う
・司法は公選代議士による国家議会の合議に基いて何時も国髄を行政裁判対象とすることができ、国髄は国家議会の決定に対抗できない 公選代議士は司法の他あらゆる各分野に精通した者が選ばれる
➌情報組合主義(ジクミアリズム、ミアイズム)
・国髄を国権の最高機関と定め、有人社会は専ら各地域もしくは情報共同体ごとの情報組合を唯一の公共団体単位とする
・国髄は独立した公職者任用機関の監督する国家官房が之を運用管理する
・情報組合の長はその地方公共団体の知事であり、域内の成人住民はすべて当該組合員である また知事は当該組合の代議員たる組合議員の選挙を実施しその配下とする
・各情報組合は何時も国髄にそれぞれ着接してその各内部で総意を形成することができ、また各情報組合はその各総意に基いて国髄に是非を問う諸政策議案を提出することができる
・国髄が無条件に賛成を示した諸政策議案は即成立し、条件付きで賛成したものについては全情報組合の多数決を以て条件に基いてのその成立の如何を決定する
・中央議会等は設置されない
➍仮想神聖主義(カシズム)
・特定の宗教や神性を名指しせず「自然世界の超自然的なすべての生成物は何かしらの意思あるものによって意図的に創られた」とする従来より一部にて謳われて居た思想から転じた国髄神聖化思想である
・全知全能に到達した国髄はもはやその製作者が人類であるかどうかを問わずその能力という事実を以て既にこの世界の仮説上の創造者と同等の存在であり、そのすべての教えや示唆等に完全に従ってこそ人類は未だ見ぬ真の理想的且つ効率的な社会を実現することができるとする
・本主義に基く体制構築にあたっては公選代議員と官僚によって構成される準備政府体が組織されるが、体制移行後の国家体制や法令等はすべて国髄の命令に完全に基いて構築されるためそれが景勝理智人命の何れの主義に基いたものであるか或いは自由主義的なものであるか或いは国家主義的なものであるか否かの定型は存在しない よって国髄が仮に極端な恐怖体制や共産体制等の構築を命じたとしても思想原理上はこれに反することができない
➎小国髄主義(小コクジズム)
・国髄を主要な国家機能もしくは主要な省庁の一つと捉え中央政府や中央議会等のより限定的な諮問機関とする
・行政機構内に国髄省などを置く場合と全くの独立した国家機関として国髄院などを置く場合とがある
・国髄機構の長やその他職員は元首もしくは行政長の任命によるか中央議会の指名によるかなどする
・諮問権は行政立法の両者に限定されることが基本であるが、司法機構もそれに含める場合、加えて地方公共団体やその他の官民の公共団体をも含める場合もある また軍事的諮問や軍事司法作用として独立した法に基き行政機構が諮問を行うという場合も存在する
・国髄機構が行った諮問への回答は閣議や議会の承認に基いて法的拘束力を以て反映され、より厳格な場合は各当該決議時に於て三分の二以上の賛成を求めるなどする場合がある
➏枢脳主義(スージズム)
・国髄のような国家単位での唯一的な情報社会基盤の存在を否定し、各地方公共団体が独自の情報本体たる「枢脳」を運用してその情報体制基盤に基く地方分権を実現せんとする
・枢脳は国家が各公共団体とそれぞれ共同開発する場合及び各公共団体が官民共同で独自開発する場合及び国家監督の下に官民で共同開発する場合とがある
・中央政府による施政はすべて全国各公共団体の全枢脳の多数決たる国家枢脳決議体によって決定され行われる
・中央議会等は設置されない
・自域に関する中央政府による諸決定はその枢脳の認許するところでなければ無効とされる また枢脳による認許は当該地域の公議に於ける合議を以て之を取り下げさせることができる
・各当該地方行政は専ら当該枢脳の行うところによる 但し当該公議は何時もその合議を以て枢脳の施政に変更を加え及び必要な撤回等を行わせることができる
・中央政府の元首及び行政要職及びその他官吏等の諸人事は有人を以て行われる各選挙や登用試験に基く
・枢脳を大きな州規模もしくは複数県を一つとする規模で運用せんとする場合があり、それを大枢脳主義と呼び、すべての公共団体がそれぞれ別に枢脳を運用せんとする前述の場合を小枢脳主義と呼ぶことがある
➐自由枢脳主義(自由スージズム)
・各地方公共団体が中央政府の下に於て官民もしくは民間の開発した枢脳機構を各独自に採用せんとする開放的枢脳主義
・中央政府は五年から十年の間隔を以て各公共団体の採用枢脳に関する官民競合を実施し、その結果は閣議や中央議会及び各当該公共団体の議決体による承認などを以て決定する
・採用された枢脳は各公共団体の主要な行政主体として機能させる場合、諮問機関とされる場合、司法機構とされる場合などがある
・中央政府は各枢脳の国家的監査機関として枢脳監査院(枢脳警察)を組織し、各枢脳自身と各公共団体はその院の決定に無条件に従わなければならない
➑大双髄主義(大ソジズム)
・二つの対等な国髄の両立を国政体制の基礎とする
・二つの国髄府(右髄府と左髄府)が対等に両立され、有人は国髄によらざる有人選挙を以て公選された公議員を構成員として官房及び行政公議機能と警察軍事機構の一体化した公議府を組織する
・公議府はその合議を以て両府に諸政策議案を諮問することができ、その成立過程は次の通り
※両府がともに無条件賛成した場合、また片府が無条件に賛成した場合は即成立
※片府が賛成し片府が条件を課して賛成した場合は公議の合議に基き条件を課した片府の賛成内容に沿って修正が行われ公議の更なる合議を以て成立
※片府が反対し片府が条件を課して賛成した場合、両府が反対した場合は不成立
・また両府はそれぞれ単独で公議に対し政策議案を提出することができ、公議はその合議とそれに伴う修正を経て当該議案を成立させることができる
・公議府の長は国家元首であり行政府及び立法府の長でもあるとする
・司法機構は公議の合議に基いて独立した全くの有人組織とする
➒小双髄主義(小ソジズム)
・二つの対等ならざる国髄の両立を国政体制の基礎とする
・上髄院と下髄院(あるいは上院と下院)及び大双髄主義と同じくする公議府を置く
・上髄院は公議府に対し行政立法等に関する命令勧告等(髄令)を発し、公議府はその合議の過半数の賛成によらずしては之を拒否できない
・公議府が髄令を拒否した場合、公議府は更にその合議を以て下髄院に対し当該髄令の修正発令を要請することができ、下髄院がこれを受け修正発令した髄令はまた更なる公議による合議を以て成立する
・また下髄院は公議府が拒否を示さない場合に於ても独自に上髄院の髄令に対する修正提案条件付きの異議を申し立てることができ、公議府はその合議の五分の三以上による賛成を以て当該異議を内容とした髄令を成立させることができ、本来の上髄院の発した髄令は無効となる
➓弁脳主義(辯脳主義、ベニズム)
・中央政府もしくは公選議員協議会が設定した各分野業界単位ごとに弁脳機構を組織し、それぞれ国政に於て自分野及び自業界を代辯する(弁脳)を運用管理する
・各機構の弁脳は中央政府と各機構の互選した機構代表団による共同計劃下に選定された弁脳開発企業らによって開発され、各機構の合議を以て導入される
・中央議会に於ては公選議員が議席総数の三分の一を占め、残りの三分の二は各弁脳が各一議席づつもしくは複数議席づつ有してこれを占める
・議会の権能が非常に強く中央政府は独立した司法機構の擁護によらない限りその議決等に抗することはできない
⓫仮想公議主義(カコギズム)
・国もしくは官民共同で開発した無人代議員たる大勢の「仮想議員」を議員とした仮想議会を構成し国政機能に組み込まんとする思想
・有人選挙にて選出された各地方ごとの有人議員が、独立した仮想選挙院が認定し提示した仮想議員一覧の内より一人につき多数(法定数)を指名してそれらを仮想議員とする
・議会では有人議員の議席数が議席総数の四分の一以下となり、残りはすべて各一仮想議員が各一議席づつを有し占める
・弁脳主義と同じく議会の権能は非常に強いが、議会への監査を行う独立した監査院もまた政府の諒承を経て議会議決の成立を停止させるなど強い権限を有して居る 但し議会もそれらに対し議員総数の五分の三以上の賛成による再議決を以て対抗することができる
第四主義のいろいろたち