ときめく恋はカフェオレの香り チャプター4

鈴原結奈(すずはらゆいな)は、28歳の恋愛初心者の女性であった。

せっかく、付き合った彼氏の笹原蒼空(ささはらそら)くんだったが、手料理がうまくいかず、、蒼空くんにあきれられる始末なのだった。

結奈は、蒼空くんからのメールでちょっとショックを受けたのだ。


きっと蒼空くんが、「また部屋に来てね、ゲームでもしようよ」っていう内容のメールをしてくれると思ってたのに・・。(なんか、悲しい、)



ーー数日後。

友人の琴葉と、公園でランチをしながら雑談する2人である。
2人の手にはクラブハウスのサンドイッチで、料理が好きな琴葉がわざわざ、結菜のために作ってくれた「ランチ」なのである。それをあらかた食べ終えて、アイスミルクで胃に流し込むと、結菜は「せきを切ったように」
事のてんまつを琴葉に話したのだった・・・。

・・・年上との飲み会や、蒼空くんからのメールのコトなど、など。


それを聞いた琴葉は、そういう時の対策として『別の男性と会ったりすることも解決策よ』と気軽に笑顔で答えてくれたのだ。
『は、はあ・・。蒼空くんと揉めているのに、新たに男性と会うなんて』
     (心で、結菜がつぶやいていた!)

さすがに、恋愛が百戦錬磨の琴葉である、まったく、同じ女性とは思えなくって、ちょっと心が痛む・・。


たまたま、琴葉の勤務する幼稚園の同僚の先生が独身らしく、合コンを計画しているようだ。
結局、週末には、、結菜は琴葉に連れられて合コンの会場に行っていたのだ。そこには・・・男女の12人くらいが、お洒落をしてきてやって来て、みんな彼氏とか居ないらしく、奥手な女性も見える。


結菜と言えば、妹に借りてきたロングの黒のスカートだったが、最近太ったらしくファスナーがしまらない。
なんとか、セーターで隠しているのだが・・。そっちが気になり、琴葉が「とりあえず、話しかけてみることね!」ってアドバイスしてくれたけど・・うわの空であった。

『ああ、、、ファスナーよ、下がらないでね。(グスン)』
20分もするとあっちから、ちょっと細身で青のベストを着ている男性が、結菜に近付いてくるではないか・・??


「こんばんは! ちょっといいですか?好感が持てたので・・。」
急に誘われてどっきりしたが、それとなく会話をしてその男性は結菜のことを気に入ってしまったようだ。

だが、結菜の頭の中は大好きな蒼空くんの顔が思い浮かんで、目の前でにたにたしている、細身の男なんてどうでもよかった。!!



   【 ~ 蒼空くんの事情 ~ 】

一方、蒼空くんは結菜にメールしたように、仕事が忙しくなり余裕が無かった。


「ああ、コンビニもけっこう大変だよ、夜の勤務はキツイな」
とりあえず、結菜のことは心でシャットアウトしていて、また暇になったら連絡すればいいだろう、と気軽に考えていたのだ。

コンビニの夜、、、11時過ぎ・・・。
客はまばらで、ちょっと眠気を感じてきたころ、蒼空くんのコンビニにある女性が入ってきたのだ。

「これ、ください・・」
蒼空くんがレジを打った後、客の女性の顔を見て。。思わず、手に持っている菓子パンを落としそうになったのである。

ーーーー4ヵ月前に、お互いの浮気が理由で、別れてしまった彼女だったのである。
      (結奈と出会う前に、話をつけていたのだ。)


その彼女の名前はーー 前渡莉音(まえわたりりおん)。24歳の美人である。
蒼空くんは、ダーツ同好会に入っていて、そこで入会してきた彼女と親しくなり、恋人の関係になっていた。


「え、ええ? 莉音(りおん)じゃないか? しばらくぶりだなあ。」

「やっと気が付いたわね、すっかり髪の毛が伸びて、、、別人みたいね」
莉音(りおん)と呼ばれた女性は、いたずらっぽく笑い、周りに誰も居なかったので蒼空くんの手をにぎったりしている。

夜中の12時に仕事が済んだので、蒼空くんはパーキングの車内に彼女を入れてあげて、話を始めた。


ちょっとはにかんだ莉音(りおん)は、今の生活のことや自分の家族について蒼空くんに話して、優しい蒼空くんはうなづいていたのだ。


「実は、、私、、妊娠しているみたいなの」
5分ほど経った後に、ひとりごとのように、莉音は呟いたのだ。

「ええー。そ、それって、ウソじゃないよね・・?」
びっくりする蒼空くんで、莉音は助手席でうつむいている。


莉音(りおん)の話によると、1か月前くらいから体調が悪くて病院に行ったら妊娠していると、
告げられたこと。。
また、ヨリを戻すのは悪いからひとりで産もうと考えていること、を蒼空くんに打ち明けたのだ。

それから、莉音(りおん)が帰った後に蒼空くんはずっとひとりで、車の中で考えていたのだ・・。
ーー 『俺の子供かな、、、もう一度、莉音とやり直そうかな』


その時、蒼空くんの中には、結奈のことは全く無かったのだ。
深夜の1時30分過ぎ・・のことであった。



—それから、1か月後のことである。

結菜の友人・・・緑川琴葉には、実は2歳年上の姉が居たのだ。
名前は、緑川麻里(30歳)、、結菜のことも、中学校のころから知っていて結菜の恋バナも妹から聞いていたのだ。(このコトは、結菜も承諾している)

冬の2月のある日、、麻里は勤めている会社のオフィスにいた。

何気なくぼんやりしていたら、後ろからずっと昔から居る女子後輩のおしゃべりが聞こえてきたのだ・・。



「ねえねえ、、聞いた・・?莉音(りおん)って妊娠しちゃったみたいなのよ?!」

「えっ?だって、前の彼氏の笹原蒼空くんって言う男性と、別れてたわよね?誰の子供なのかな・・。」
そこで、、「笹原蒼空くん」っていう名前に、反応する琴葉の姉・真理だったのだ!


「それが、お腹の子は遊びで付き合った不倫男性の子供が、できちゃったみたいだけど、、、出産費用が無いみたいなの。」
「へえ、、それでどうするの・・?」

「それが可哀そうに、蒼空くんに『あなたの子よ』って打ち明けたみたいよ、酷いわよね、莉音って。」


それをずっと聞いていた真理は、狼狽すると同時に頭の中で、妹の琴葉から聞かされていた話とマッチして、またびっくりしていた。

『笹原蒼空くんって言うのは、結菜ちゃんの彼氏ってコトなのよね。』
『えっ・・蒼空くんが、お腹の子供の身代わりの父親ってことね!?」
ーーーこのことを、一刻も早く琴葉と結菜ちゃんに
     告げないと、大変な事態になってしまうわ。。



それから次の日の夕方に、喫茶店で話し込む3人の姿があった。
びっくりする結菜と琴葉に、オフィスで偶然に聞いちゃったことを教えてあげると、、、突然、結菜が泣きべそをかき始めた。

「ぐすん、ぐすん。あまりにも蒼空くんが可哀そうすぎるわ」
そんな泣きべその結菜を構わないで、、行動力のある琴葉は蒼空くんのアパートに行こうと、喫茶店から、飛び出す。



【 ーー 蒼空くんのアパートで、(3日後の夜だった)】


蒼空くんは、来てくれた2人(結菜と琴葉)のために紅茶を入れている最中だったが、琴葉が莉音(りおん)オンの名前を出した。

思わず、紅茶のテイーポットを落としてしまい慌てている蒼空くんで、顔が引きつっていたのだ。

「うん、蒼空くん、莉音(りおん)さんって姉の会社の後輩なのよね、、」
「あ、、そうなんだ、何か話でもあるの・・?」
と蒼空くん。

それらか琴葉は、姉がおしゃべりを聞いた後に改めて会社の後輩たちから、「その妊娠騒動」について、聞いた事実を話した。
あと後輩によると、蒼空くんは父親じゃないことを、はっきりした口調で蒼空くんに伝えその脇で無言の結菜であった。



莉音(りおん)の話が、ウソと知って、、、、
しばらく、蒼空くんは無言でうなだれていたが「ホッととしたよ、」と言って2人にお礼を言ってくれたのだ。

・・また、しくしく泣き始める結菜でそれを笑ってみている琴葉だったのだ。

その後、莉音(りおん)は、蒼空くんの前に現れることは二度と無かったようである。


蒼空くんのコンビニも繁忙期が過ぎて、、また、前のように結菜はアパートを訪ねることも多くなった。

ーー 久しぶりに、駅前の洋菓子店で買ってきたレアチーズケーキを、前にしている2人・・。



「カフェオレでも、飲む・・??」

蒼空くんは立ちあがり、結菜のために温かいカップを持ってきてくれる。

「わあ、、いい香りね。。。」


 ーー 数日後の飲み屋でーー


40代で、見た目がくたびれている滑川さんは、頭をかきながら困ったように謝ってくれたのだ。

「すまん、すまん。勝手に結菜ちゃんが男に振られてる、とか言っちゃって・・。悪かったなあ。」
その脇で、42歳の天然の女子先輩の漆原美香(うるしばらみか)さんは、白けたようにウーロン杯を飲んでいる。
「まったあ。滑ちゃんには恋愛相談はあぶなっかしくてムリみたいね!」



結菜にとって、中年世代(40代以降・・)の人って一緒に飲むには楽しい人たちだが、ちょっと、煩(わず)らわしい存在だった。
 ( 突然、説教とかしてくるし困ったモノだ。)


でも、この2人となら、『ずっと付き合ってもいいな』って、結菜は、自分の心の中でOKサインを出していたのだ・・・。

ときめく恋はカフェオレの香り チャプター4

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ときめく恋はカフェオレの香り チャプター4

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更新日
登録日
2026-01-22

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