インタビュア

まだまだ経験が浅く、文章構成も駄目駄目ですが、興味がある人は読んでいってください。

1人

いつもの学校の帰り道。
夕暮れを背に、私は一人で歩いていた。後ろから、何人かの笑い声がする。
ねえ、なんで笑えるの?
ふいに聞いてみたくなった。他愛もない話で、どうしてそんなに笑えるの?わからないよ。私には。
友達ってなんですか。
なんの役にたつんですか。
教えてください。誰でもいいから。
一人、私は横断歩道の前で立ち止まる。
「…ッ」
涙がこみ上げ、押さえきれずに私は泣いた。声を押し殺して、泣いた。
わかってるんだ。わかってるんだよ。その答えは。
ただ…そばにいてほしいんだ。
寂しいから、そばにいてほしい。どんな時でも、一緒によりそって、話を聞いてほしい。
でも、こんな私なんか、だあれもいらないんだよね。私と誰かが入れ替わってても、誰も困らない。ごく普通にすごすだけ。そんなことだったら、私がいなくても平気で、もし私が死んでも、誰も泣かないんだね。
信号が青になり、小幅で歩く。
いつも思う。
みんなに、質問してみたい。
例えばー。
「好きな音楽はなんですか?」
「好きな食べ物はなんですか?」
「…君の、好きな人は誰ですか?」
空想の中のみんなに聞いてみる。けれど、やはり答えはない。
井上さんの、好きな音楽ってAKBのRIVERかな。
小山くんの、好きな食べ物ってカレーかな。
矢田くんの、好きな人って…誰なんだろう。もしかして、私かな。
そんなことを思い浮かべて、わくわくする。
でもそれは、ただの思い込みで。余計に自分が悲しくなっていくんだ。
みんなのことをもっと知りたい。
でもみんなは私を遠ざける。
孤立している私は、どうなるんだろう。
私は秋風に身震いした。


家に着き、ドアを開ける。
「ただいま」
できるだけ大きな声で言う。親に心配をかけないために。
「おかえりー」
リビングから母の声が聞こえた。
私は階段を上り、自室へ入った。
かばんを放り、ベッドへとダイブ。そこで私はいつもの音楽を聴く。
”インタビュア”という曲だ。
音声を最大にして、部屋中に響かせる。
「”かけがえのない命だと”」
「”流行の歌はいうけれど”」
この音楽が恐ろしいほど自分と重なっているもんだから、聴いているとなんだか泣けてくる。
そして、私はいつもこの歌詞で泣く。
「”借り物の僕らイスを探してる”」
ぴったりだった。
今の自分に。
そうだ。仮でもいいから、みんなと打ち解けたい。自分の居場所が欲しいんだ。
今の私には、居場所なんて…ない。
でも欲しい。
無い。
欲しい。
それらが私の感情を支配して、虚しくなってくる。
「…また、だ…」
今までかかっていた音楽がここから先は聞いちゃ駄目とでもいうように、急に止まった。それもかなり重要なところで。
”あれこれ諦めてた景色の向こう側が滲んで”
から止まった。
滲んで、それでどうなったのだろう。
この先は一切知らない。何回聞いてても、100%止まる。なんでだろう。壊れてんのかな。
でもほかの音楽はきちんと流れるのに。おかしいな。

母に呼ばれ、私は急いで階段を下りていった……。

インタビュア

読んでいただきありがとうございました。
もちろん続きもありますので、頑張って書いていこうと思います。

インタビュア

ボーカロイドのインタビュアという曲に合わせて作った小説です。

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-02

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