zokuダチ エスカレート編・30

正月後日談編

正月のツケ

楽しかった正月もあっと言う間に終わり近づきそろそろ故郷に
帰省している住人の連中もマンションに戻って来る頃。……正月
なんぞあっと言う間である。
 
「まいったのう……」
 
そして、ジャミルは一人、部屋で唸っていた。……上半身裸で……。
 
「これ、マジまいったんだけど……」
 
そう言いながら、自分の脇腹をちょっと摘んでみた。
 
「……ついてる、確実に……」
 
何が付いているのかというと、年末から正月に掛けての
飲み会やら、食べ歩き、加えて食っちゃ寝の暴飲暴食で、
ほんの少しだが身体に余分な肉が付いたのである。
 
「い、いつも履いてるジーパンがきついし、コレ、マジやべえなあ、
……ふんっ!」
 
確認で一応外したジーパンのホックを止めようとするが、かなり
きついらしく相当困ってわたわたしている様子。
 
「細さと素早さがウリのジャミルちゃんなんですから、
これじゃ困りますよっと!……う、うううう~!!い、
いてててて!」
 
無理矢理ホックを止めたが腹の肉が喰い込んでかなり痛いらしく
引き攣った表情になっている……。
 
「そ、そうだ、ダウド……、あいつだって……」
 
「何?何か呼んだ?オイラ呼びましたか?」
 
「おい……」
 
声に振り向くと、早速ダウドが後ろにおりスルメを齧りながら
ニヤニヤしている。
 
「……ダウド、おま、30日の飲み会の後、確か、きらい家の
牛丼一緒に食べに行ったよな……?」
 
「うん、行ったよお!あの時は大変だったよお、あれだけ食べて、
まーだ締めにおーし、大盛り牛丼一発食いいくお!とか言い出してさあ、
まあ、ジャミルも酔っぱらってたからね、お付き合いするオイラも
大変なのよ……、ん、な、なにさ……」
 
……ジャミルはダウドに近寄ると、じーっと身体を見つめた……。
 
「ちょっと見せて見ろ、……お前の腹っ!」
 
「ちょちょちょちょ!何すんのさあーっ!止めてったら!あーーっ!
きゃーえっち、変態、すけべーーっ!!」
 
「うるさいっ、おだまりっ!……騒ぐんじゃないわよっ!!」
 
「あああーーん!!」
 
ジャミルはダウドの身体を抑え付けると、シャツを無理矢理捲り
腹を触り、思い切り摘んでみるが……。
 
「何……?何もついてねえだと……?」
 
「何がついてるんだよお!バカっ!……もう~、オイラ帰る!
こんなとこいたら、オ、オイラ……、処女でいられなくなっちゃう…」
 
「何がだ、アホッ!」
 
ダウドはさっさと逃げ帰り残ったジャミルは部屋に唖然と
立ち尽くした。
 
「嘘だ、あいつだってあれだけ食いまくってたのに……、何で
俺だけ……、嘘だ……」
 
「……ジャミルっ、忘れてたけど、ホークに言われてるから、
お知らせだからもう一度顔を出すよ!……10日に、新春銭湯を
囲む会で、マンションの男連中はほぼ強制参加の付き合いで、
夜に銭湯に集合だからね、以上っ!」
 
ダウドはそれだけ言うと、再び姿を消した。
 
「……何の会だああーーっ!!」
 
聞くからに、むんむん汗臭そうな集まりである。……碌な事を
思いつかない元海賊親父。ジャミルはふと考えて、もう一度
自分の腹を擦った……。
 
「たく、何考えてんだよ……、こんな腹じゃ……、うう、ますます
まいった……、……狸親父の野郎~……」
 
どうするか、どうするか、……10日、それまでに腹に付いた
肉をどうにか落とさないと……、ジャミルは困って部屋の中を
ウロウロ回り回った……。
 
 
「アイシャ、いるか?」
 
「なあに?あ、ジャミル……、何かご用?」
 
ジャミルはアイシャの部屋を訪れる。アイシャがドアを開けると、
相変わらず何だかふわりと甘くいい匂いが漂ってくる……。
 
「あのさ、明日、朝走るか?……ほら、お前もやばいだろ?
正月、食いまくったんじゃねえの?」
 
「何よお~、……あ、私は平気よ、体重計測ったら、別に何とも
なかったもの、それに、今少し寒いしね、えへへ……、これから
久しぶりにあったかいお汁粉でも作って食べようかと思ってたの」
 
「……なあにい~……?」
 
……どうやら、彼女はここの処、体重にも変化は無く、
落ち着いているらしい。と、なると、ジャミルだけが
だらしない生活習慣が祟り……。
 
「俺だけ、デブったのかよう……」
 
「???」
 
 
……翌朝……、ジャミルは独り、公園へひとっ走りへ。何だか、
異様にさみしさみし~な隙間風が吹いた……。
 
「さむ……」
 
「ジャミルさん、お早うございます……」
 
「おう、お前らか、相変わらず早いな……」
 
すでに実家からマンションに戻って来ていた谷口が挨拶した。
相変わらずの早朝練習である。
 
「お?今日はアイシャさん、いねぇじゃねえか、どうしたんでぃ?
まーた泣かせたんじゃねえのか?おい!どうしようもねえな、今年も
テメエはよ……」
 
「遂に愛想つかされたんじゃないんですかね、はははっ!」
 
……丸井とイガラシの暴言にジャミルの顔に血管が浮くが、
谷口が慌てて2人に注意した。
 
「……駄目だろ、こらっ!あ、すみません、では、失礼します……」
 
「……ジャミルはん、元気だして~な、幾らふられてしもたから言うて、
ヤケを起こしたらあきまへんで……」
 
「……このデブ……、ふられてねえってんだよ……」
 
野球馬鹿達は朝練へ繰り出す。ジャミルはヤケクソで噴気しながら
公園を猛スピードで走りまくるのだった……。
 
「……ハア、10週は走ったな……、それにしても空しいなあ……」
 
ジャミルが芝生の上にねっ転がっていると、誰かが上から顔を覗く。
 
「アイシャ……」
 
「もう……、ちゃんと言ってくれれば付き合うのに……、何で一人で
行っちゃうのよ!それにしても、ジャミルも自分からちゃんと走る気に
なったんだね、ふふ!」
 
「い、いや……」
 
笑うアイシャにジャミルが顔を赤くする。まさか、年末から
正月に掛けてのツケが回り、流石に動かなければならなくなった……、
とは言えず……。
 
「はい、これ……、差し入れよ……」
 
「!!!ま、まさか……、これ……」
 
アイシャが差し出した紙袋を見てジャミルが脅える……。
 
「何でそんな引き攣った顔してるのっ!……今日は凄く美味しく
お弁当が出来たのよっ!だから届けに来たのにっ!!」
 
「ん?そういや、今日は変なニオイがしねえ……、お、おおお!?」
 
ジャミルが紙袋からアイシャが渡した弁当を取りだすと、
中から丁寧に詰めてある弁当が顔を出した。定番の卵焼きに
タコさんウインナー、海苔巻、唐揚げ、デザート……、どれも
これも、普段のアイシャが作ったとは思えない程の力作の
お弁当だった。
 
「おま、これ……、う、嘘だろ……?」
 
「何よ、失礼ねっ、私だって頑張る時は頑張るのっ、ねえ、
それより早く食べてっ!」
 
アイシャはワクワクしながらジャミルの方を見ている。折角、
身体に付いた余分な物を落とす為に走りに来たのにこれでは
意味がない……。しかし、折角の彼女の行為と雅に奇跡……を
見逃す事も出来ず……、何より目の前の美味しそうなお弁当が
ジャミルを誘惑している……。
 
「ええいっ、くそっ、……しかも、う、うめえーーっ!ちゃんと
味があるーっ!!」
 
「……ぶうーっ、だから何なのよおーっ、失礼ねーっ!もう~!
……もっと落ち着いて食べなさいよっ、又喉に詰まるわよっ!」
 
ジャミルは夢中で弁当に齧り付く、ガツガツガツガツ……。
そして、気づいた時にはすっかり丸くなった腹を抱えて
苦しんでいた……。
 
「げ、げふ……、もう食えね……」
 
「あはは、ちょっと作りすぎちゃったかな、えへへ、
お粗末さまでした!」
 
……結局、今日の件でジャミルは更に腹に余分な物が
付いてしまい、アイシャが真面な弁当を作ったのは後にも
先にもこれだけであったそうな……。


餅食え地獄

ジャミルはようやっと、いつもの体形に戻したものの、まだ問題は
終わらなかった。正月中にご近所さんやら彼方此方から貰った大量の
餅の後処理に困っているのである。
 
「定番の雑煮はもう飽きたし、焼いて食うのもつまんねえし……、
弱ったなあ、後は、きなこ餅に汁粉、うえ、甘すぎる……、これじゃ
まーたブタ逆戻り行き、待った無しだよ……」
 
「ジャミル、いるかしら?」
 
「この声は……、クローディアか?待ってろ、今い……」
 
「こんにちは……」
 
「フッ……」
 
勝手にドアが開く。声の主はクローディアであったが、やはりいつもの
余分なおまけ……、護衛のグレイがしっかり付いていた。
 
「何だよ、クローディアはいいけど、てめえ(グレイ)の顔見てると
苛々すんだよ、たく、年明けからベタベタベタベタと……、幾ら
護衛だからってひっつき杉だろうが……」
 
 
……お兄ちゃんっ!何処まで着いてくるのっ!?トイレに
行くだけでしょっ!!いい加減にしてよっ!!これじゃ
身内ストーカーになっちゃうよっ!?
 
コハクっ!そんな事言ってだなっ!シングの野郎と遠出する気
だろうが!……に、兄ちゃんの目は誤魔化せねえぞっ……!
 
あはっ!じゃあ、近場ならいいんだねっ!?それじゃあ、コハク、
遊びにいこっか!
 
……出やがったな!このお邪魔糞虫シングめえーーっ!!
 
ひええーっ!ヒスイーっ!な、何怒ってんのさあーーっ!!
 
 
「……はあ~……」
 
廊下の方から、ハーツ兄妹+ガンドコ馬鹿漫才が聞こえた。
ベタベタは此処だけではなく、もう彼方此方で発動中である。
 
「で、何か用かい?」
 
「ええ、実家の方から、お餅が届いたの、沢山あるから……、
ジャミルにもおすそ分けをと思って……、祖母オウル特製のお餅よ」
 
「……」
 
ジャミルは目をパチクリする。もう正月は終わってんのに……、
今更勘弁してくれや……、と、思う。
 
「……貴様、その顔は……、もう今更餅など要らん……、と言うツラだな……?」
 
グレイがいつもの如く、アイスソードを取り出しジャミルに近づけた。
 
「あーのーなあっ!脅したって俺ん処だって、食いきれねえ餅の
処理で困ってんだよ!」
 
「……グレイ、やめて……、いいのよ、そうよね、今更お餅なんか
食べないわよね……、ごめんなさいジャミル、ご迷惑お掛けして
しまって、……それでは……」
 
「あう~」
 
お人好しジャミル、悲しそうなクローディアを見て、結局餅の処理を
引き受けてしまう。
 
「ま、又餅が増えちまった……、はあ~、……俺ってホント駄目だわ、
肝心なとこで……」
 
首を落とし、項垂れていると、更に廊下の方から……。
 
「こんにちはー!ジャミルさんいますかー?」
 
「開けてー、♪わんわん、こむぎ達が参ったよー!」
 
「生きてた……?生きてるわね、ハア、貴方はしぶといから……、
取りあえず良かった……」

「……ユ、ユキ……、駄目だよ、す、すみません、明けまして
おめでとうございます!」

「あはは、こんにちは!どうもですー!」

「……♪」
 
「あのな……」
 
ドアを開けると、やはりそこに立っていたのは……、わんぷりガールズ、
悟&大福コンビ。彼女らも正月中は実家の屋敷に里帰りし、ついさっき
こっちに戻って来たのである。
 
「あの、気の所為かしら、ジャミル、あなた少し顔が丸くなって
いないかしら……?」

「ホントだー!ジャミル、何だかおもちみたいでおいしそうー!」

「……ユキっ!」

「……こむぎっ、めっっ!」
 
「いっ!?んな事あるかっ!ねーってんだよっ!……それより何か用か!?」
 
「……そう?私の気の所為かしら……」
 
鋭いユキに突っ込まれ、ジャミルは慌ててそっと自分の腹に
手を当てる。まさか、食い過ぎて本当に一時期、デブったんだよ……、
とは情けなくて言えなかった。
 
「……で、本当に今日は何の用だい?」
 
「はい、お正月に私のお家で皆でお餅つきをしたんです、去年は私達、
凄くジャミルさんにお世話になったから、そのお礼も兼ねて、
犬飼家特製のお餅を是非、おすそ分けをと思って……」

「すっごく楽しかったねー!」

「ええ、お餅つきなんて始めてだったから……」

「あはは、僕も大福と一緒に頑張りましたー!」

「……♪♪」
 
「……げ!」
 
「♪こむぎもみんなもいっしょにぺったんぺったん、頑張ったんだよ!
特製のおもちー!だからすっごく美味しいよー!」

「い、いらね……、餅はもう間に合……、うわーーっ!!」
 
こむぎが背負っているリュックの中から大量の餅が飛び出し
部屋に溢れる。……その餅の数は半端でなかった……。
 
「では、私達はこれで、今年も宜しくお願いしまーっす!」」
 
「わんわん、またねー!」

「……じゃあ、お暇するわね……」

「お邪魔しましたー!」

「僕達も行こうか、大福、ジャミルさん、それでは……」

「……」
 
わんぷり集団は大量の餅をジャミルの部屋に投下し、引き上げて行った。
 
「うう、畜生……、人の話聞けよ……、間に合ってるって言ってんのに……」
 
と、更に其処に……。
 
「ジャミルさあ~ん、ゆうなでーすっ、明けましておめでとう
ございまあーっす!」
 
「だから……、正月はもう終わってるっちゅーに……、な、なんなんだよ、
俺は絶対ドアを開けね……」
 
しかし、ドアは勝手に開き、晴れ着姿のゆうなと連れのマモルが姿を現した。
 
「おい……」
 
「……やあ、ゆーなが新年の挨拶巡りに来たいって言ってたからさ……」
 
「これからまもくんと、初詣行くんでーすっ!」
 
「……遅すぎるっちゅーねん!」
 
「これ、明けましておめでとうバナナでーす!食べてくださあーいっ!」
 
「それじゃ、僕らはこれで……」
 
「おーい、……コラぁぁぁーーっ!!」
 
餅ではなかったが、ゆうなはジャミルの部屋に大量のバナナを置いて
逃げて行ったのである。

 
………
 
「大変だねえ、ジャミルも……、ま、普段から食べ物に卑しいのが
祟ったねえ~」
 
「うるせーんだよっ、馬鹿ダウドっ!ううう、このままじゃ俺、
餅に殺される……」
 
「……葬儀場、予約しておいた方がいいかなあ……」
 
「……」
 
「あたた!じょ、冗談だってばぁ!あたたたた!」
 
コンコン……
 
又、誰かが部屋のドアを叩く音がした。
 
「ジャミルいる?私、アイシャよ……」
 
「アイシャか……、はあ~、まあいいや、早く入れよ……」
 
「なーに?その疲れ切った様な返事は……、もうー!」
 
呆れながらも、とてとてと、アイシャが部屋に入って来た。
 
「うわ!凄いお餅の量ね……、こんなに食べきれるの…?」
 
部屋で出番を待つ大量の餅の数を見てアイシャが目をパチクリさせ、
驚いている。
 
「だから困ってんだよ……、幾ら何でも食いきれねえよ……」
 
「♪そうだ!」
 
アイシャがポンと手を打った。……それを見たジャミルは後ずさりする……。
こういう時のアイシャの思いつきは碌な事にならないからであった。
 
「逃げちゃ駄目だよお、ジャミル……、んじゃ、オイラはお邪魔すると
悪いので……、逃げます……」
 
「……こら待てダウドーっ!逃げんなあーーっ!!」
 
逃げちゃ駄目と言った本人、危険を感じて真っ先に逃走す……。
 
「私ね、この間、ジャミルに作ってあげたお弁当で自信が付いたの!
だから、今色々、お料理のお勉強してるんだけど、丁度いいわ、
このお餅で、アレンジして、美味しいお餅料理作ってあげる!
普通に食べるんじゃ飽きちゃうものね、でも、アレンジしたら
美味しく食べられるでしょ?」
 
「おいおいおい、だからもう、餅は飽き……、うわーーっ!!」
 
しかし、アイシャはジャミルの部屋の台所を借り、もう勝手に
クッキングの準備に早速取り掛かっていた。
 
「……行動はええーよっ!」
 
「まずは、お餅のグラタンにチャレンジっ!後は、デザートに、
あんこたっぷりお汁粉パフェ!……うーんと、後は……お餅カレーも
美味しそう……」
 
「おいおいおい!何だよ、如何にもなそのしつこそうな料理と
ゲロ甘スイーツはよっ!!」
 
そして、一時間後……、ジャミルの部屋からは煙が上がり、謎の
大爆発が起きた……。
 
「なんだなんだっ!……火事かっ!?」
 
「火元は何処かと思って探し回ったけど……、やっぱアンタの部屋
だったのかい……、たく……」
 
「……ジャミルっ!年明けから火事なんか起こすんじゃないよっ!!」
 
騒動に気づき、火元を探し当て、ホーク、シフ、バーバラの
3人がジャミルの部屋の惨状を見て、呆れかえるのであった……。
 
「バカ野郎っ!俺がやったんじゃねえっ!……う、うう~、
まーた俺の部屋……、修理しなきゃならなくなっちまったじゃ
ねえかよ……、ゲホ……」
 
「ケ、ケホ……、何でこうなるのよう~……、ふえぇ~……」
 
ジャミルの部屋は又破壊されたが、アイシャの破壊料理により、
結局の処、餅地獄からは取りあえず、解放されたのであった……。

zokuダチ エスカレート編・30

zokuダチ エスカレート編・30

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 わんぷり FF8 コードネームはセーラーV クレしん メタルギアソリッド クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界 ドラクエ オリキャラ 陰からマモル 幻想水滸伝ティアクライス 幻想水滸伝1 テイルズオブハーツ

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-01-02

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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