らくがき集2「地縛霊 in the 8F」
真白い箱の中に行きたい
それがこの小さな世界での遺言
終わりを待つ
それがある地点における結論
さようなら
いまはただそのばしょで
地縛霊ちゃん
何も知らずに 部屋を借りた
そこはひとりか ふたり暮らしか
触れ合えないけど いつでも見てる
君が求めているのはここじゃないどこか
安楽の先っぽを恭しく燃やして
石の上にも三年 虫の死骸をゴミに出す
カタログが届いて 名前を知った
好きで生きてるわけじゃないから
好きなことだけでは生きていけない
向いてない仕事を続けてる
怠惰を 犠牲に 書き換えて
家賃は折半じゃなくていい
でも君が求めているのはここじゃないどこか
そこにいるのにいないみたい
僕も大して変わりはしない
だから君と一緒でいたい
ずっとここで悼んでいたい
そこにない重みが 感触が 冷たいベッドを軋ませる
しあわせが ただの息継ぎ それなら死んだ方がまし
誰も知らない向こう側
闇に溶け込む影の中
いいから早く連れてってくれよ
ほんとは俺の妄想なんじゃないの?
だとしたらこれも独り言だよね うける
ああ もしそうなら 怖えよなあ
そこにいるのにいないみたい
僕も大して変わりはしない
だから君と一緒でいたい
ずっと君と一緒にいたい
未練よ 永遠にとけないで
アイスコーヒーチルドレン
ワクワクが足りない。すべて恐怖に変わるから。出会いがなければ別れもない。ただ生きて死にたいだけ。
普通になりたい。まともになりたい。飽きもせずによくやるよ。
コーヒーの泡立ち。クモの複眼。あなただけを見つめている。
グラスの中の生殖行為で、幼少の僕を復元して。
安楽の毛布をまとい、快楽を享受した。孤独の殻を強固にした。
氷漬けの生殖行為。
内側に生えた無数の針に貫かれる痛み。
忘れたいと思うことを、ちゃんと忘れられる人になりたい。
いつか離れないでと言った、君のたわごとを信じてみる。なんとなく気だるげにはじめてみる。痛くなるまで感じたい。いつかあんなふうに笑えるのかな。
グレーのショーツ。空が泣き出す前の色。
ネイビーのシャツ。今日も君は一人きり。
誰かを想って、満たされなかったその場所に、どうにかして俺を潜り込ませたい。
すべてをゆるしたぬかるみの感触。
アイデンティティ。花も草も飲み込んで。
深く深く、深く沈めて。
コーヒーのぬくもり。けれど冷たい目、心の内に潜んでいる。(眺めている)
詩の瞑想。言葉の音は鳴り止まない。
等間隔。一定のリズムで、君の血滴を垂らして、俺をおかしくさせてくれ。
崩壊した日常。積み上げるものもないなら、全部まとめてすり潰してくれ。
粉末を溶かして、カップの中の生殖行為。
深く深く、深く沈めて。
切れかかったインクが残すシャドウ。
日常を享受して、君の弱さに踏まれたい。
ゆるしたいんじゃなくてゆるされたい。
時間も何も溶かしたい。
指に染みつく君の孤独を舐めたいよ。
僕のものにしたいよ。これはもう愛じゃないよ。
けれど受け取って、受け取って、受け取って。
アイスコーヒーチルドレン。グラスの中で生まれ変わって、言葉だけで輪郭を描く。
アイスコーヒーチルドレン。僕の中で、ゆっくりと育てて。
異常気象
暗い部屋で一人
もう何も求めないという嘘をつき続けている
12:35 非常階段で泣いていた
アンハッピーサンセット
ハイボール7%
178度ななめに掲げて
気分はさながら貴族さ
異常気象 異常気象
異常に白い日焼け止めに染まった腕
祝日の街は見るだけでむしゃくしゃする
給湯室 4,5回連続でおのれをビンタ
カメラを持って走る少年を隠し撮る
生きるために嘘つきになるんなら、馬鹿正直なまま死にたいよ。
唇が破裂した
Artificial Intelligence
いちばん好きな人と出会い、そして別れられた。
暗い部屋で一人
もう何も求めないという嘘をつき続けている
消えたっていい 死んだっていい
そんなぬるさ もうたくさん…
アンハッピーサンセット
ハイボール7%
178度の熱にうかされ
眠るころには醒めている
なんともつらい話
カンバセーション
よく澄んだ十月の終わりに君の好きな歌詞を共に反芻する。
正気は綺麗な曲線を描いて、五日目についえた。
かつて君と過ごした神殿は朽ちて、もう香りも空も存在しない。
すべて外に繋がっているが、そこは結局箱の中だ。
空の一番上が蓋じゃないって、どうやったら証明できるんだろう。
ノンストップブレイン、ゆえに、常に思考のオーバードーズ。
「理論も傾聴も必要ない」なら今すぐこの手を離しておくれよ。
君という存在そのものが悪問。
血の流れない自傷行為。
もっとも愛おしい夜の過ごし方。
「死にたいのに生きる特大の嘘」
ちがう、矛盾を必死に抱えてるだけだろ。
考えようとしなくても考えられちゃうから、常に思考のオーバードーズ。
目を閉じる、ただそれだけのことがとても難しい。
カンバセーション。血の流れない自傷行為。
また僕を求めたね。
ずっと夏
なつのおわり、きみがきれいなこえでうそをついたから、ぼくたちはずっといっしょにいるんだよ。
さいしょのもじは「な」
そのつぎは「つ」
そうやってどんどん、ふかみにはまる
やまないあめはないから
やまないわけがなかった
まっくろになっためだまやき
いまぼくがいきていること
のぞんでるのはきっときみだけ
ゆうやけとあぱーととおばあさんがくれたはちうえ
きっときっとそれでいいのに
できぞこない、ごめんね
おくすり、もう、ない
「お願いだから探さないで」
ふとつぶやいてみて、ほんとうになりそうでこわくて
またきみのむねのなかで、なにもしらなかったころにもどるんだ
いつだってきみのめはなきそうにうるんでいるから、うみなんかいかなくっていいんだよ。
さいしょのもじは「な」
そのつぎは「つ」
そのつぎは夏
そのさきも夏
だれ?
だれがわたしをみているの
ゆびのはらが がさがさして
ちくび さわると すこしいたいの
いたいの いたいの きもちいいの
なにも かんがえちゃ いないの
おさら おふろ せんたくもの
ぬらして あらって かわかして
ゆびのはらが がさがさして
なかにいれるとあいえきがしみるの
だれがわたしをみているの
だれもわたしをみてないでしょ
でんきゅうのいろをこたえてみて
いま なきそう
だから たすけて
おふとんは けさほしたから
ごめんな
「死なない」だけが目標で
「死なないで」とだけ願われて
いつまで経っても まともに生きられない
「お砂糖いれて」そうお願いしたけれど
渡されたのは 蜂蜜入りのカフェ・オーレ
ねぇ なんか 酔っちゃった
これがないと ごめんなさいって言えないや
ごめんな ごめんな ありがとう
すきだ すきだ 愛してる
なんでこんなのなめれんの
どうしてそんなに綺麗なの
もう なんで好きなのかも ほんとはわかんないんだよな
生きるって決めた 殺してくれないから
知ってるよ でもつけるから
ごめんな ごめんな ありがとう
すきだ すきだ 愛してる
ごめんな
おすすめから再生中
今朝、布団の中であのバンドを聴いていたけれど、やっぱり好きじゃなかったよ。
誰かの本音でも私にとってはフィクションだから。そしてフィクションとして割り切れないから。
あの番組への投書も、私にとっては「中高生」っていうフィクションよ。
他人の経験や言葉なんて、慰めにもならん。
渦中にいるわけじゃないのに当事者にさせられる、それが嫌なん。
不適合代表者面すんな。
自分の欲求を満たすために他人の身体を使いたくて、それでお金を払うってすごいな。
おっぱい?おしり?どっちもねぇって。
負けたくないから戦ってたよ。
夜食で人生を肯定して、ちょっと余裕が出てくると、また忍び寄ってくるまやかし。
だから目の前の苦痛すら失うのが怖い。
ぽっちゃりとガリガリ、ひらがなとカタカナ。
ボディ?ポジティブ?私は含まれているんでしょうか。
めんどくさいから、もう、おすすめから再生中。
見放されたい
酒が飲めるだけの子ども
薬効かねぇな今夜も
次こそは優しくするって
言った 言った そう言った
生きるためなら手段を選ばない
そんなふうになりたいな
死んだように生きんのだって
ひとつの立派な選択肢
いつだって 死んだっていいと
叶わない未来 思ってんのか
必死でやんなきゃ挫折も味わえない
そうだ そうだよ そのとおりだよ
いったい何の意味があんのか
分かんねぇことばっかやってんだ
オナニー覚えたガキみてぇに
四六時中 君の中で夢見てたいな
見放されたい
なんてさぁ
持ってる奴の贅沢だって
知ってる 知ってる 知ってんだ
中途半端じゃ死にきれない
知ってる 知ってる 身を持って
もう あのドラマは観られる気がしないから
消してもいいよ 俺と一緒に
らくがき集2「地縛霊 in the 8F」