詩終 106 (詩終)


自分が動かなかったら
あうことのなかったように見えるものは
隠されていたものを
わざわざ見つけてしまったもの
なのだろうか。それとも
どれだけ動いていったって
結局見えないものがあるだろう
隠されているものは
それなのだろうか。

ぼくたちは何事かを
気の向くままなのか
やらざるをえないようになのか
何事かをしたり求めたり追われたりを
続ける
ぼくらは
明るみの中をさまよっているのか
未知の深い影の方へと歩んでいるのか
…どこまでいっても
隠されたものにぼくらは
届かない
明らかなことだ
どこに行かなくても
明らかにされるものもあるだろう
ぼくはそれに
関与できない
ぼくの生に見えるものは
ぼくのものではない
誰のものでもない
誰も

ぼくは
風です
もしくは…
喩えだけがあふれている
問うても、問わなくても
答えはまるごと
在るだけだろう

お手上げです
詩はいらない

詩終 106 (詩終)

詩終 106 (詩終)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-17

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