zokuダチ・エスカレート編・26

ジャミ公、mii広場に行く・後編

前回のあらすじ miiすれちがい広場征服を目論む
悪の黒幕は、実は広場の案内人、ミーちゃんだった。
真の姿を現し、大魔王と化したミーチャアンは、
アイシャを無理矢理誘拐し、何処かへ拉致してしまう。
……すれ違いmii広場で、すれ違ってしまった、唐沢、
吉田、斉藤のグンマー3ババを嫌々仲間にしたジャミ公は
大魔王討伐の旅へ。今、すれちがい伝説が幕を開けた。
 
「……しめていい!もうしめていいからっ!幕をしめろっ!」
 
「おんやああ~、幕をしめてしまったら、あのお嬢さんは
捕まったままですよう~?」
 
「ふん、おちつきがねーこと」
 
「ひっひっひ!ひっひっ!」
 
「……なあ、あの、斉藤っつー婆さん、……ひっひしか
いえねーの?」
 
「おてーのたったのててて!」
 
「オウっ!?」
 
斉藤ババ、突然立ち上がり、意味不明の言語を発す。
 
「あれも……、グンマー方言つう奴?」
 
「いや、あれはあいつだけの言葉だよ!相手に
すんじゃねよ、意味わかんねから」
 
吉田ババは淡々というが。出来れば俺だって
相手にしたくねえと、ジャミ公は思う。果たして
この話は何話まで続くのか。ジャミルは仕方なしに
広場をまた歩き出した。……その後に3ババが
のそのそと、後を付いてくる。
 
「こ、こんなRPG……嫌だあああーーーっ!!」
 
「はあ~?」
 
「だから早く帰りてんだけんど!」
 
「ひひひ!ひひ、ひっひひひ!」
 
と、ジャミ公が絶叫している処に、モンスターが
現れる。……書いてる奴は、すれちがい伝説の敵が
分からない為、適当に書きます。現れたのは、
スライムの様な外観な敵の顔に、敵です。と
書いてあるモンスター。
 
「ちっ、しょうがねえ、婆さん達、下がってな、
此処は俺が……、けど、大丈夫かな……、足がこんなに
短くなっちまってるし……」
 
……どうにも彼は足の短さばかり気にしている。
 
「いんや、おれがやる!」
 
「は……?」
 
吉田ババはジャミルを押しのけ、率先して前に出る。
そして準備運動でシコを踏んだ。
 
「おい……、無理すんなっつーの!怪我でもしたら
老人パワハラ疑惑で俺が責められんだろうがっ!」
 
しかし、吉田ババは言う事を聞かず。……ある物を
取り出す。……草○温泉にはなくてはならん物、
湯もみ棒である。
 
「人の言う事きけええーーっ!!……おい、まさか……」
 
「くサアー○、よ○とー○……」
 
「……金取られるーっ!歌うんじゃねえーーっ!!」
 
「チ、うるせーなあ、これやらねえと、攻撃力が
上がんねえんだよ、おい、唐沢おばあ、斉藤おばあ、
手伝え……、せめて合いの手だけでも打てや」
 
「♪ちょいな~」
 
「♪ひっひ~」
 
吉田は湯もみ棒を振り回し、後の二人、唐沢ババと
斉藤ババは吉田ババが湯もみ棒を振り回す動きに合わせ、
踊っている。どうやら吉田ババは湯もみ棒で敵を
攻撃しようとしているらしい。そして、唐沢ババと
斉藤ババが踊っている合いの手ダンスは、
……吉田ババの攻撃力を上げるらしい。
 
「はあ、好きにしろや、俺、頭痛くなってき……」
 
 
……吉田ババのこうげき!クリティカルヒット!
敵です。、……に、9999のダメージ!
 
 
「……がああああーーーんっ!」
 
「どうだ、倒したで」
 
「♪ちょいな~」
 
「♪ひっひ~」
 
ジャミルはショックを受け……、その場にしゃがみ込み、
暫く立ち直れなかったと言う。……その後も、吉田ババは
湯もみ棒で次々と襲い掛かるモンスターを蹴散らしていった。
暫く不貞腐れていたジャミルも時間が立つにつれ、完全に
開き直って行った。
 
「ま、楽でいいや、婆さん達、頑張ってくれや!俺、
後ろで寛いでるからさ!」
 
最初は婆さん達の先頭を歩いていたジャミルも、
いつの間にか、婆さん達の後ろに回って歩く様に
なってしまっていた……。
 
 
……ジャミルのバカーーっ!!
 
 
「うわ!」
 
突如耳にキンキン響き、聴こえてきた甲高い声、
……アイシャの声であった。
 
「おおお、おま、またテレパシー使ってんのかいっ!?
……だからこれ……、もうマザー2じゃねえんだよっ!」
 
『いいのっ!この話だけよっ!何いじけてんのよっ、
バカっ!それでも勇者なのっ!?しっかりしてよっ、
バカバカバカバカっ!……う、ふええぇ~……』
 
喚き声は徐々に泣き声へと変り……、ジャミルは
焦り出す……。
 
「……泣くなあーーっ!あ、あああ!やべえ、これ、
物凄くやべえ……」
 
またアイシャを泣かせてしまい、しかし、本人は
拉致られている為、大変な思いをさせている上、
慰める事も出来ず、一体どうしたらいいのか、
……ジャミル自身も泣きたくなってくるのである。
 
『私は……、ちゃんとジャミルに助けて欲しいの、
……だって、ジャミルは……、その……、私の……、
勇者様……、だもん……』
 
「アイシャ……、俺……」
 
「おう、くせーのがはじまったんべな、硫黄の
ニオイがプンプンすらあ」
 
「だねえ~……、お若いねえ~……」
 
「ひっひっひ!……ポ」
 
「うるさいっ!……コホン、アイシャ、その、な……、
こんな足が短足で、コケシみたいになっちまってる
俺でも、……勇者になれんのかな?」
 
やはり短足に拘る男、ジャミル。
 
「……だからうるせーってんだっ!」
 
『勿論よっ!ジャミルはジャミルだもん!だから……、
お願い、頑張って!』
 
「分ったよ……、絶対助けに行くから……、ちゃんと大人しく
待ってろよ?暴れんなよ……?」
 
『うんっ!……約束だよ、絶対来てね……、
待ってるからね……』
 
「ああ……」
 
そして、アイシャの声は聞こえなくなった。
 
「ふう~、もうおらあ、腰が痛いわ、残念だけど、
おれは此処でリタイアさせて貰うわ、……くったびれ
ちまった、後はわけーこだけで、ま、がんばりや」
 
「と、いうこと、です……、吉田バーさんがそう言って
ますので、わたしらも引退します」
 
「ひひっひ~……」
 
「婆さん達……、もしかして俺に……、気を遣って
くれてんのか……?」
 
「んなワケあんべーや!疲れたって言ってんだよ!
年寄を扱き使いやがって、……老人虐待で訴えて
やるぞ、ワケーもん!」
 
「……アンタが率先して勝手に戦ったんだろうがよっ!」
 
吉田ババは実に自分勝手な性格であった。が。
 
「ハア、これ、アンタにやるわ、武器がねえんだろ、
おめえ、これ使ってま、精々頑張れや」
 
「……い、いいよ……」
 
「うるせー!受け取れったらうけとんべえ!」
 
「ひいいいーー!」
 
吉田ババは自分が使っていた湯もみ棒をジャミ公に
無理矢理手渡す。……これで戦えと言うんである。
確かに武器がないと困るんではあるが……。
湯もみ棒には、しっかり、『くさつ』、と、
書いてある……。
 
「……だああーーっ!もうこの際何だってええわいっ!
やってやらあ、糞大魔王め……、みてろおおーーっ!」
 
「おお、兄ちゃん、やっとやる気取り戻したな、
ま、精々がんばってこ……」
 
「愛する人の力って、すごいん……で~すねえ|
 
「ひひひ~ひ、ひひひ……」
 
「……うおおおおーーーっ!」
 
ジャミ公は湯もみ棒を大剣の様に両手に抱え、広場の、
更にその先へと突っ込んで行った……。

そして、数々の試練を乗り越え、(嘘) 敵を蹴散らした
ジャミルは洞窟に入り、等々、魔王が潜伏している、
アイシャが捕えられている場所へと。
 
「糞魔王ーっ!来てやったぞーっ!アイシャを返せーっ!」
 
「あはっ!ジャミルーーっ!」
 
洞窟の奥にはアイシャを抱えた大魔王が。こいつを
何としても倒し、無事にアイシャを取り返し、
元の世界へと戻らねばならない。
 
「……ウソつけーっ!何が試練を乗り越えただ!ただ棒を
振り回して暴れてただけだろうが!」
 
「うるさいっ!もう何でもいいんだっ!何せ書いてる奴が
内容何も知らねーかんな、これでいいんだっての!」
 
「くそう……、無茶苦茶な小僧めが……」
 
「アイシャ、平気か?そいつに何もされてねーか!?」
 
「うん、私は大丈夫、今の処は……」
 
「よしっ、すぐに助けてやるからな、待ってろっ!」
 
「信じてるからね、ジャミル!」
 
……二人のあまずっぺーやり取りに、大魔王は、
やってらんねえ、クソガキが……、と、思うのであった。
 
「だが、粋がるのも此処までっ!出でよ、我がシモベっ!」
 
大魔王は大量の……、ムスカmiiを召喚する。
 
「あ、あう!」
 
「ジャミルっ、気を付けてっ!」
 
アイシャが叫ぶ。しかし、気を付けても何も、非常識過ぎて、
気を付けようがない。
 
「みろ、人がゴミの様だ!」
 
「他に誰もいねーっての!」
 
「……うるさいぞ小僧!突撃いたすーーっ!」
 
「え、えええ!ちょ、ちょいまちっ!」
 
「……ジャミルーっ!」
 
恐らく、15人くらいいるであろう、大量の
ムスカmiiは一斉に襲い掛かる。ジャミルも、
湯もみ棒を振り回し、ムスカ達を時にはバットの
様に打ち、何処かへかっ飛ばした。
 
「……みろ、私がゴミの様だ!」
 
「自分で言うなよ!」
 
しかし、ムスカの言う通り、倒しても倒しても、
ムスカはゴミの如く増え続ける。段々疲れてきた
ジャミルは油断した処を、等々ムスカ軍団が覆い被さり、
ジャミルは潰され身動きが取れなくなる。
 
「くそっ……、重いいい~……」
 
「ふはは!どうだ、思い知ったか!小僧めが!」
 
「ああっ、ジャミルっ!……ンモ~っ!何て事
するのっ!それにアンタは何もしないでずっと
見てるだけの只の卑怯モンだわっ!」
 
「うるさい!……勝てばいいのだよ、勝てばっ!
はははは!」
 
「許せない……!」
 
アイシャは自分もどうにか何かしないとと思い、
あれこれ考えるが、縄で縛られている為、動けず、
おまけに側には大魔王が監視し、一体どうしたら
いいのか……。
 
「う、アイシャ……、言っただろ、大人しく
してろって、お前、暴れんなよ……、俺が絶対
何とかするから……、だから……、無茶すんじゃねえぞ……」
 
「でもっ、このままじゃ、……ジャミルがっ!」
 
「信じろって言ったろ、俺を……」
 
「ジャミル……」
 
ムスカ集団の下敷きになりながらも、ジャミルが
アイシャに向かって声を絞り出す。……とは、
いうものの……、足は短足で背丈は縮んでいるmiiに
なってしまっている以上、真面に戦えず、手も足も
出ない。……どうにか元の姿に戻れればまだ希望は
あるのだが。此処は普通の人間モードでは決して
入ることの出来ないバーチャル世界、mii広場である。
 
「……ふふふ、さあ、どんどん行こうか……、フエール
フエール、我がシモベ……、どんどん増えろ、そーらそら……」
 
「……うきょーーっ!?」
 
大魔王は更に召喚魔法でシモベのムスカを
召喚し続け……、ジャミルの上に覆い
かぶさっているその数、何と50人になった。
 
「ジャミルーーっ!も、もう我慢出来ないっ!
私、戦うっ!」
 
遂にアイシャ、ブチ切れる……。
 
「く、オメー、また……デコピンされてえのか……?」
 
「デコピンでも何でもしなさいよっ!私はジャミルを
助けるんだからーーっ!おでこが腫れたっていいわよっ!
えええーーいっ!!」
 
「うおおお!?」
 
アイシャは縛られた状態のまま、大魔王に
体当たりするが、怒り狂った大魔王は、逆に
魔法でアイシャを弾き飛ばした。
 
「きゃーーっ!!」
 
弾き飛ばされたアイシャは気絶してしまう。
……miiモードではアイシャも、ブチ切れ覚醒
モードにもなれないのであった。
 
「……アイシャっ!だ、だからっ!……っくしょうーーっ!!」
 
ムスカ集団に潰されそうになりながら、ジャミルが
悔しそうに歯噛みした……。
 
「さあ、最後の仕上げだ……、いでよ、最強の下部よっ!」
 
「うあ!……やべえ、マジでこれやべえって……!」
 
……大魔王は更に凶悪なシモベのmiiを召喚しようとしている。
本当に絶体絶命状態であった。
 
 
「……俺を呼んだのは……、貴様か……?」
 
 
「……うわーーっ!も、もう完全に終わりだあーーっ!!」
 
大魔王が召喚した、凶悪下部miiは……、ブロリーのmiiであった。
 
「おお、おおお……、来たか……、最強のmiiよ……、
さあ、小生意気な糞勇者に思い切り止めをさすが
よいぞ……」
 
「ふん……」
 
miiになっていても、ブロリーの破壊基地パワーは、
とてつもなく恐ろしいのであろう……。もうどうにもならず、
ジャミルはゲームオーバーを覚悟したその時……。
 
「……オオオオオーーーーーーっ!!」
 
「!?」
 
ブロリーmiiはスーパーサイヤ人白目モードになると、
大魔王に近づく。……そして、大魔王の頭を鷲掴みにする。
 
「……貴様……、この俺をわざわざこんな姿にして呼び出し……、
パシリにするとはいい度胸だ……、覚悟しろ……」
 
「お、お、お、おおおーーーっ!?」
 
「……これはやばいぞ、撤退だ!」
 
「同じく!……ふはははは!」
 
「……ゴミはやはり私であった!」
 
「貴様らーーっ!何をしているーーっ!この大魔王様を
置い……あぎょおおーーーっ!!」
 
ジャミルの上に覆いかぶさっていた50人のムスカ
miiは、主を置いてスタコラ逃走す。流石薄情モンの
正真正銘の悪人であった。
 
「誰か止めろオオオーーーっ!このままでは我が
握りつぶされてしまうーーっ!!」
 
「そいつを止められんのは、そいつの親父が
持ってる機械だけだよ、ま、変なバーサーカー
召喚しちまったと思って諦めな……」
 
「こーのーやろおおーー!うう、今回は諦めて
撤退してやるが……、うう、またいつか出てやるぞ、
覚えていろーーっ!すれちがい伝説Ⅱで又会おうーっ!
では、さらばーーっ!」
 
「……Ⅰも真面に書いてねえのにこれ書いてる奴に
Ⅱが書けるかああーーっ!!」
 
……うるさい。とにかく、大魔王は撤退し、アイシャも
救出し、すれちがいmii広場には無理矢理平和が戻ったので
あった。ちなみに、大魔王が去り際に、あまりの恐ろしさに
ブロリーを無理矢理元の世界に戻したらしい。
 
「良かった、良かった、これで僕らもまた、気軽に
すれちがい広場に遊びに来れるよ!」
 
「勇者様、本当に有難う、大魔王を倒してくれて!」
 
いつの間にか、広場にはまた、沢山のmii達が戻って来ていた。
 
「うふふ、めでたしめでたし、だね!」
 
「そうだなあ~……」
 
「きゃ!?」
 
笑うアイシャの横に立ち……、アイシャを横目で
見ているジャミ公……。
 
「何よっ、何なのその嫌らしい顔っ!」
 
「悪かったなあ!俺はどうせこういう顔なんだよっ!
それより、約束は約束だ、……いう事聞かねえ、暴れた
罰として、……今回はデコピン×30!」
 
「仕方なかったのよっ!あれはジャミルを助ける
為だったんだからっ!」
 
「でもな、おま、確かに言ったよな、デコが
腫れてもいいってさ……」
 
「う……、や、やっぱりいやああーんーーっ!!」
 
「あ、お待ちっ!卑怯者ーーっ!……お待ちーーっ!!」
 
ジャミルは逃げ回るアイシャを追掛け、2人は
広場を走り回る……。そんな2人の様子を他の
mii達は口を開け、ぼーっと眺めていた。
 
「……ま、待って!私達、どうやってマンションに
帰るのよっ!」
 
「!そ、そういやそうだ……、連れてきた奴が
大魔王だったんだから……、一体俺達を誰が
マンションに返してくれんだよ……」
 
「そう言えばそうでしたね、僕らもどうやって
帰ったらいいのかな?」
 
「困ったねえ~……」
 
気付いた事実に他のmii達もオロオロし始める……。
一体いつジャミ公は短足状態を脱退できるの
だろうか。

「……大丈夫です、あなた方は、今回だけ、私がちゃんと
元の世界にお送り致します」
 
「黒子……!」
 
「黒子さん!」
 
ジャミルとアイシャが同時に叫んだ。広場に現れたのは、
黒子だったからである。
 
「オメー、マジでなんなんだよ、なんかすげー怪しく
なってきたな、おい……」
 
ジャミルが警戒しだす。最初から充分怪しいのだが……。
 
「今は私の正体について考査している時ではありませんよ、
ジャミルさん……」
 
「……」
 
「ジャミルさん、今は大人しく私の話を聞き、
言う事を聞く様に……」
 
黒子はほぼ脅しに掛る。突かれたジャミルはたじろぐ……。
 
「ジャミル、黒子さんのお話、ちゃんと聞いた方が
いいわよ、どうしたって逆らえないんだから……」
 
「流石、アイシャさんは分かっておられます、ご立派です」
 
「チ、分ったよ、……話してみな……」
 
「では、……広場にいる皆さんも聞いて下さい、私は
人々の癒しの場として、このすれちがいmii広場を
建築致しました、誰でも、miiの姿でバーチャルに、
そして、気軽に……、遠くの方とでも、この広場に
訪れれば、いつでも何処でも触れ合える、そんな
癒しの場になる様にと願い、すれちがいmii広場を
創ったのです」
 
(……この広場って、黒子が創ったのかよ……、けど、
俺に一言も連絡しなかっただろ、しかも、あんまり
癒されねえんだけど……)
 
「何ですか、ジャミルさん、言いたい事があるなら
ちゃんと言いなさい……」
 
「な、何でもねえよ……」
 
「あの、大魔王さんの事なんですけど……、あの方は……」
 
「アイシャさん、いい処に気づきましたね、あれは
はっきり言ってテロ行為です、私は一般人の方から
この広場の案内人のモニターを募集し、力を与えました、
ですが、力を与えた方を間違ってしまった様です、欲望を
持った方が、大魔王のmiiを創り、自らこの広場を制圧
しようと考えたのでしょう、あんなのがいるとは、私も
迂闊過ぎでした……」
 
「……迂闊過ぎだっつーの!適当に募集するからだっ!」
 
「大魔王さん、また来るんじゃないですか……?」
 
「アイシャさん、あなたには大変な思いをさせて
しまいまして、面目ないです、……ですので、
ジャミルさん、あなたには、この広場を守って頂く、
お役目をあなたにお任せしようと思います……」
 
「へ……、へ……?」
 
黒子はジャミルに近寄ってくる。……黒い頭巾の下から……、
黒子の邪悪な笑みが一瞬……、垣間見えた様な気が……、
ジャミルにはした。
 
「これからは、マンションの管理人、そして、今回からは、
mii広場を守る勇者としてのお仕事をどうぞ宜しくお願い
致しますね、ジャミルさん……、もしも、また大魔王が現れたら、
その時は、勇者として皆さんを守ってあげて下さい」
 
「……うわあああーーーっ!!勘弁しておくれやすーーっ!!」
 
「うん、彼なら……、いいね、僕も賛成だよ、何せ
大魔王を仕置きしたんだものね」
 
「私も賛成よ!」
 
「……おおおーーっ!」
 
広場にいるmii達からも、一斉に歓声が上がる。正確に
言うと、大魔王を仕置きしたのは、ジャミ公では無く、
ブロリーなのだが……。
 
「良かったじゃない、ジャミル……、普段、いつも
寝てばっかりなんだもの、お仕事が増えた方が
ジャミルの為になるわよ、きっと……」
 
「アイシャうるせーっ!あああ、お、俺の……、
平和な日常が……、また崩れて行く……」
 
「ふははは!命乞いしろ小僧!」
 
「やかましい!……テメーみたいなのがいるから
俺が駆り出されんだっ!」
 
「あいた!」
 
ジャミル、短い足でまたムスカの頭部を蹴り倒した。
 
「では、お願いしますね、ジャミルさん、あなたになら
任せて大丈夫ですね、時々でいいですから、このすれちがい
mii広場に足を訪れて下さいね、お願いします」
 
……すれちがいmii広場は、3DSを持っていれば、
誰でも3DSを通じて其処から行き来出来る仕様に
黒子がしたらしい。なので、次から、mii広場に
来たい時は、3DSを使って行き来するのである。
ジャミ公の押し入れからの入り口は、大魔王と
なった男が勝手に作ったのである。しかし、
大魔王となった男は黒子から貰った力を所持したまま、
現在も逃走中である。黒子は、ジャミルさんなら、
いつか大魔王を捕まえてくれるでしょう、期待して
いますよ、……、と、滅茶苦茶な言い訳をし、ジャミルに
3DSを渡すと、市役所にのそのそ戻って行った。本当に
訳の分からん黒子である……。
 
そして、2人は漸くマンションに帰省し、mii姿から
解放され、元の姿に戻る事が出来たのであった。
 
「はあ、やっと元に戻れた……、うう~、足が
長いっていいなあ~……、でも、時々はまた……、
超短足にならなきゃいけねえのか……」
 
ジャミ公は愛おしそうに、元に戻った
自分の足を擦った……。
 
「でも、結構面白かったよね!うふふ!」
 
「うふふじゃないでしょ、お嬢さん、……デコピン……」
 
「!!こ、今回は許してったらあ~!そ、それにね、私……、
凄く嬉しかったんだから……」
 
「アイシャ……」
 
「ジャミルがちゃんと助けに来てくれて……、私、本当に
嬉しかったのよ……」
 
「アイシャ、……俺もさ……」
 
「ジャミル……」
 
2人はじっと見つめ合う……。甘い時間が始まるかと
思われた、その時……。
 
 
……プルルルル!
 
 
「っ、電話っ!……黒子の野郎ー……」
 
唐突に2人の時間を邪魔する糞電話、ジャミルは
イライラしながら受話器を取る。出たのはやはり
市役所の黒子であった……。
 
「……もしもしっ!」
 
『ああ、ジャミルさんですか、先程はどうも、
黒子です……』
 
「えーえー、分かってますがな!で、何だっ!」
 
『折角お帰り頂いた処、誠に申し訳ありません……、
実はですね、すれちがいmii広場にて、凶悪騒音公害
リサイタルを始めてしまった方がいらっしゃいまして……、
皆様が騒音で大変ご迷惑なさっています、ジャミルさん、
あなたに成敗して頂きたいのですが……』
 
「あのな、おりゃあ大魔王の監視は引き受けたけど……、
迷惑客の成敗にまで手を下すとは承諾してねえんだが!」
 
『あなたの勇者としての立派なお仕事です、では、
お願いします、ジャミルさん……、ガチャン、
ツーツーツー……』
 
「……にゃぎゃあああーーーー!!」
 
「が、頑張って、ジャミル……!」
 
こうして、ジャミ公は、マンションの管理人、そして、
すれちがいmii広場を守る短足勇者様と……、更に余計な
仕事が増えたのだった。
 
「……短足は余計だあああーーっ!!

zokuダチ・エスカレート編・26

zokuダチ・エスカレート編・26

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 わんぷり FF8 コードネームはセーラーV クレしん メタルギアソリッド クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界 ドラクエ オリキャラ 陰からマモル 幻想水滸伝ティアクライス 幻想水滸伝1 テイルズオブハーツ

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-14

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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