真空の比喩 139 早川佳希 ぼくはぼくの手前にいるぼくの話を、ぼくを使って話す。手前のぼくは言葉を話せない。ぼくは言葉を知らない。ぼくはぼくを通じて、誰かのぼくのぼくと話がしたい。言葉を使わずに。 真空の比喩 139