真空の比喩 82

ぼくは為す。為すばかり。何も起こらない。いくらでもできる。為す、為す、為す…。為すか為さぬか、それだけのことだから。
あるのは選択のみ。選ぶか選ばぬか、それも為すこと。

ぼくを超えて、為すを超えて、何か起これ。ぼくはペンになりたい。ぼくには血が、切れることのないほどに、満ちている。誰かぼくを握れ。そして書いてくれ。ぼくは為さずに、流れてゆくのみ。

真空の比喩 82

真空の比喩 82

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-09

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted