真空の比喩 76 (ある)

例えは
ひとつでもいい
みんな同じことさ

ぼくは空っぽだ
ぼくは何かに満たされている
その何か、何かはぼくではない
何かは、去来する

ぼくは叫んでいるだろうか
ぼくは叫んでいない
ぼくは
コップだ
注がれた何かしらが
ぼくそのものというように叫ぶだけだ
ぼくはあるだけである

ぼくは
空っぽ
である

ぼくは
道
空
スクリーン
行き交う人々の足元に
雲があろうとなかろうと
投影される映像の背後に
ぼくはいる
変わらずぼくがいる

真空の比喩 76 (ある)

真空の比喩 76 (ある)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-09

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