真空の比喩 62
いまが終点だとして
あの時ぼくは
この終点に至る道の
始点を走っていた
あの時ぼくは
終点についた
いま終点に立つぼくを
まるであの時のあの時のぼくだ
とぼくは言うだろう
全てが道すがら
ぼくは終わらない
何も目指さない
ぼくはずっと走るだろう
ずっと息を
切らして
心臓を
どきどきさせて
真空の比喩 62
いまが終点だとして
あの時ぼくは
この終点に至る道の
始点を走っていた
あの時ぼくは
終点についた
いま終点に立つぼくを
まるであの時のあの時のぼくだ
とぼくは言うだろう
全てが道すがら
ぼくは終わらない
何も目指さない
ぼくはずっと走るだろう
ずっと息を
切らして
心臓を
どきどきさせて
真空の比喩 62