真空の比喩 60 (安楽死)

窓の外から人が
こちらに話しかけている
よく聞きとれない
異国の言語か

外の
そのまた向こうに
窓が見える

かつての友人らは
窓の外にいった
帰ってきた彼らは
異国の言語を話す
もう話はできない
帰ってこない者もいた

彼らの猜疑心好奇心には
うんざりだ



―そんな君はそのままでいい
 幸せに死んでゆけるさ

真空の比喩 60 (安楽死)

真空の比喩 60 (安楽死)

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-09

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