真空の比喩 58
『風船は
遠くを知っている』
風船は
不自由に自由に
浮かんでいる
少年は
風船を離さない
持っていても
空へ連れていってはくれない
のに
手を離せば風船だけが
遠くへいく
ことを分かっている
「いつか少年は
手を離すのかな」
どうだろうね
それは少年が決めることだろう
…
いつか
風船が
とんでいった
とき
少年は
どこにもいなかった
真空の比喩 58
『風船は
遠くを知っている』
風船は
不自由に自由に
浮かんでいる
少年は
風船を離さない
持っていても
空へ連れていってはくれない
のに
手を離せば風船だけが
遠くへいく
ことを分かっている
「いつか少年は
手を離すのかな」
どうだろうね
それは少年が決めることだろう
…
いつか
風船が
とんでいった
とき
少年は
どこにもいなかった
真空の比喩 58