真空の比喩 36

今あなたが
目の前に存在している
というのにぼくは
どうせ残される自分
どうせあなたは消えてしまう
ということを見つめていて
存在から
非常に遠いところにいるようだ
ぼくも今ここに
存在しているというのに

  …ひょっとして
   今まさにぼくは
   あなたを残し
   消えて
   いたりして…

そんな自分が
鏡みたいな現実に映っている
から
みんな ぼくを残し
消えてしまうみたい
に見えるのだろうか

ぼくは
ぼくをばかり
見ているのだろうか

真空の比喩 36

真空の比喩 36

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-09

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