真空の比喩 31
窓の向こうに
勝手に歩いていった彼を
眺めながら
まだ十分に残っているコーヒーを
飲みながら
彼をおもう
距離がある
窓辺の私と
歩いてゆく彼との間に
果てしない距離が
…
彼には血が
流れていない
顔が
ない
時が
流れていない
彼は存在しない
存在するのは私だけだった
真空の比喩 31
窓の向こうに
勝手に歩いていった彼を
眺めながら
まだ十分に残っているコーヒーを
飲みながら
彼をおもう
距離がある
窓辺の私と
歩いてゆく彼との間に
果てしない距離が
…
彼には血が
流れていない
顔が
ない
時が
流れていない
彼は存在しない
存在するのは私だけだった
真空の比喩 31