真空の比喩 29

詩は
風のようだ
それは確かに感じられるのに
みえず
たえず過ぎていくばかり
いつも 二度とない
再現できない
ことばを使ったって

風は
どこにもない
吹いているということそのもの
の呼び名

は吹いてなきゃ風じゃない

詩は
風と似合っている

真空の比喩 29

真空の比喩 29

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-09

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