真空の比喩 25

生きているのは
燃えているもの
のようだ
燃えているもの
立ちこめる煙
を瓶の中に閉じこめる
ようなことをぼくはしているのだろう

煙はぼくの詩だ
瓶は言葉で作られて閉じられる

瓶の中に閉じこめられた薄煙
ぼくはそれにこだわる
瓶はいらない それは
無意味だ 本当は
煙がそのままあったらいい
しかしそれは叶わない

煙は漂い
消える

ぼくも燃えつきるだろう
その最後の煙にまでずっと
ぼくは執着する
かも

真空の比喩 25

真空の比喩 25

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-09

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