『アタシを使い捨てたのは誰』
何より恐ろしいのは冷たい貴方より
どこまでも残酷になれる自分自身
『アタシを使い捨てたのは誰』
流れ着くように愛したけれど
決して惰性なんかじゃない
沢山の夢を壊して手に入れた
貴方というたったひとつの希望
冷酷な言葉で武装していても
ひと目で分かったわ
誰より優しくて寂しい人
突き放す手段さえこんなにも
貴方を知れば誰だって愛してしまう
そう、アタシじゃなくても
その内誰かに気づかれてしまう
だから誰にも見つからないよう隠したの
心の奥底では気づいてた
アタシじゃない方がいいってこと
だけど苦笑混じりに抱き締められる度
誰より残忍になれると思い知る
全ての逃げ道を塞いで
耳も目も塞いで
その脳にアタシだけを刻みつけるの
アタシだけが希望だと思い込ませるの
少しだけ良く生まれ持った顔と身体は
導入口としては上々だった
後は受け入れて同意して代わりに泣いて
この繰り返しで人は分かり合えたと錯覚する
貴方も可哀想なくらい
アタシを信じてしまったね
それでも手足を奪うくらいしないと
どうしても安心できなくて
ごめんねと泣けば仕方ないと
貴方は許してまうから
疑似餌に引っかかって失望した?
そんな言葉を飲み込んで抱き締める
「そういう寂しい優しさが憎い」
『アタシを使い捨てたのは誰』