『冷めた祝福』

一番を敢えて選ばないあの子は
いつだって程々に幸せ


『冷めた祝福』


それで我慢できるならその方がいいのかも
程々じゃ満足できないアタシは
当てもなく探し続けるばかり
疲れても代替品では納得できないの

ある程度の我慢は必要だって?
それは一番と二番の差が僅差だからでしょ
アタシはこの世でたったひとつの
輝ける星を見つけたいの

その星が手に入るなら
他の何にも要らないんだよ
二番も三番も有りはしない
そういう世界を求めているの

でも君がこれで充分と言うのなら
きっとそうなんだろうね
彼氏が途切れたことないなんて
アタシには価値が分からないけど

シルバーリングを誇らしそうに
見せつけてくる得意げな顔
可愛いとは思うからそれで許して
それ以上の感想なんて持ってない

よかったねと言えば少し不満そうに
じゃあそっちはどうなの?なんて
納得できるまで探すって決めたの
心だけは売り渡さずに生きてきたのよ

貞操観念の緩さを知ってるから
君もそうやって言うんだろうけど
それとこれとは別だってこと
遊んだ男の子のことなんて忘れたわ

寝る度にいちいち好きになってたら
心が幾つあっても足りないでしょ
昨夜はありがとうでお別れするのが
アタシのルールでありマナー



「誰が泣いても、輝ける星じゃなければさよなら」

『冷めた祝福』

『冷めた祝福』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-08

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