真夜中の交響曲
静かな真夜中に
指揮が振られ始めた
修学旅行生の一室にて
寝るために布団をひいて
高校1学年全員が寝静まった。
「なぁなぁ...」
ある一声が聞こえた。
その時真夜中の交響曲が始まった。
「お前、誰が好きなんだよ…
隣のあいつとか好きだろ…」
1人が話しているのか
微かに声が聞こえてくる。
僕は真っ暗な天井を眺めながら
聞き耳を立てて置いておいた。
「なんだよ、俺もう寝るよ」
「いやぁ、絶対そうだろ〜!」
少し大きな声だったのか
その後小突く音が聞こえた。
「でも居るには居る」
この時何か嫌な予感が走った
僕には好きな人がいる。
でもその人の名前が挙がったら
僕は終わりではないか。
彼は運動部、
僕は文芸部、
勝てっこないのだ。
一気に心臓がドキドキとして
今にもはち切れそうだった。
「⋯だよ」
小声で彼が何か言った。
同時に相手のやつが
「なんて言ったんだ?」
と聞き返した。
誰…誰だ…
頼む…彼女の名は出ないでくれ…
ドキ…
ドキ…
「先生…英語の先生だよ」
ちぇっ
面白い話だったのに
聞いてて損した。
「○○は?」
うげっ
唐突に彼女の名前が挙がった。
「いや…あいつは違う…」
ちょっと心の中でそんなこと
言うなよ…!って思った。
が、また違う声が聞こえて来た。
「何話してんだよ…」
あいつ…
友達の声だ、陽キャ寄りで
よく可愛がられている。
だからか話に入りやすい。
「好きな人の話だよ」
「え、なら居るよ好きな人」
え…まさか友達が好きな人被る…?
いやいや…
まさか
「○○だよ」
…
はっきり聞こえてしまった。
最悪だ…もうふて寝してやる。
…
「あいつが好きなんだよ」
「「へ〜」」
「友として…応援してやりたい」
「あいつ寝るの早いんだよな」
「俺たちで協力しようぜ」
「「いいね!」」
「こら!早く寝なさい!」
まだ…ドキドキしている。
心の交響曲は
未だ鳴り止む様子を見せない。
真夜中の交響曲
おやすみなさい