ツンデレお嬢は限界オタク

 お嬢様・お坊ちゃまが集まる最高峰の私立白鳩学園でもひときわ目立つ存在──長い金髪をゆるく巻き、宝石のような瞳をした九条梛は、誰もが認める“完璧美少女お嬢様”だった。
 ただし、それはあくまで表の顔。
 裏では、深夜アニメの展開に涙し、推しキャラの誕生日にはケーキを焼き、イベント限定ボイスが実装されるたびにスマホを抱えて震える……筋金入りの限界オタクなのだ。
 だがそれを知る者は、今のところこの学園にはいない。
 ──正確には、たった一人を除けば。
 「お、お嬢……また昼休みに倉庫裏でアニメ観てるのかよ」
 声を掛けたのは、同じクラスの普通すぎる男子・梓川リト。他の人とは違いお坊ちゃま感がない。一応家は太いようだ。
 梛はビクッと肩を震わせ、慌ててスマホを隠した。
 「べ、別にっ……!? ち、違いますわ! これは、その……語学の勉強用動画で! お、オタク向けアニメなんて観ているわけありませんでしょう!」
 「今、画面に“絶対領域フェスティバル編”ってタイトル出てたけど」
 「み、見てないって言ってますでしょーーっ!!」
 ツンデレ特有の“圧”を放ちながら全力で否定するが、頬は真っ赤で、スマホケースは推しキャラのアクリルプレートでぎっしりだ。
 もはや隠す気があるのかどうかすら怪しい。
 リトは苦笑しつつ、そっと隣に腰を下ろした。
 「お嬢、好きなら別に隠さなくていいのに。誰も馬鹿にしないって」
 「……っ、わ、わかってませんわね。わたくしは九条家の娘ですのよ。そんな……推しの新規キービジュに呼吸を忘れるような人間だなんて、知られたら……」
 「え、今も若干呼吸止まってたけど」
 「し、してませんわぁあ!!」
 そのとき──梛のスマホから、突然あのキャラの新規実装ボイスが流れ出した。
 《お嬢様、今日もあなたのために剣を振るいます……》
 「っ!? ちょ、ちょちょちょっ!? し、静まりなさいッ!!」
 あわてて音量をゼロにしながら、彼女は膝を抱えて小さく震えた。
 「……い、今のは聞かなかったことにしてくださいます……?」
 「いや、無理だろ。めっちゃ可愛かったし」
 「かっ……!? か、可愛いとか言うなぁぁああっ!!」
 その叫び声は倉庫の壁に反響して、妙に大きく響いた。
 梛は幼い頃から誰かに”好かれる”ことがなかった。だからこそ、そのツンツンした言葉の裏側には、零れ出る“好かれたい”という気持ちが存在しているのだ。
 そして梛自身も気づいていない自分の気持ちを、リトは無意識的に受け取り、行動をともにしている。その行動が二人の信頼関係を築いていっていた。
 だが、このときの二人はまだ知らない。
 明日、学園で“推しアニメのコラボ文化祭”が突然発表され、梛の限界度がさらに爆発的に加速することを……。
 翌朝。白鳩学園の校門前は、いつも以上にざわついていた。
 ──理由はただ一つ。
 巨大な横断幕に踊る言葉。
 「白鳩学園 ×《ARK-BLADE》コラボ文化祭 開催決定!」
 それを見た瞬間、九条梛は固まった。
 いや、正確には“魂が抜けた”。
 「…………」
 「お、お嬢? フリーズしてる……?」とリト。
 梛の口は震えて、ようやく言葉を絞り出す。
 「こ、こ、こ、これは……わたくしの……推しアニメの世界観が……が、学園に……っ!」
 「うお、声ちっさい。逆にヤバい時のやつだ」
 「はぁぁぁぁあ……尊……っ、息できませんわ……」
 「落ち着け!? 深呼吸しろお嬢!」
 リトが肩を支えると、梛はぶんぶん首を振る。
 「ち、違いますの! こ、これはその…嬉しいとかじゃなくて….べ、べつにオタクとして興奮してるわけじゃなくて…っ」
 「どこからどう見ても興奮してるだろ」
 「み、見ないでくださいましぃぃぃ!!」
 その時、アナウンスが流れる。
 『本日の放課後、生徒会より重要なお知らせがあります。文化祭に関する説明会を開きますので──』
 梛はビクリと反応した。
 「ど、どうしましょう……! あの文化祭、絶対に推しの展示とか……コスプレ企画とか……限定グッズとか……!!」
 「だから嬉しいんだろ?」
 「べ、別にっ……ッ! 嬉しくなんか……ひゃっ!? な、なんでにやにやしてますのあなたは!」
 「いや、可愛い──」
 「可愛いって言うなぁぁぁ!!」
 その声は今日も学園に響き渡った。
 ***
 放課後、生徒会室の前。
 セレスティアは扉の前でそわそわしていた。
 「お嬢……そんなに緊張する?」
 「べ、別に? 生徒会の説明会ですもの。当然淑女として礼儀正しく──」
 扉の向こうから聞こえてきた言葉で、彼女は固まった。
 『来月のコラボ文化祭、クラスごとに“ARK-BLADE”の世界観をテーマに出し物をしてもらいます。キャラ再現度コンテストも開催予定です』
 梛、顔真っ赤。リト、察する。
 「……お嬢、出るの?」
 「だ、だだだ出ませんわよ!? わたくしが……あ、あの推しキャラの衣装など着れるわけが──」
 「似合いそうだけどな。めっちゃ」
 「っっっっ!?!?!? し、死ぬでしょうわたくし!!」
 さらに追い打ちをかけるように、生徒会長が続ける。
 『コスプレ参加者には、限定描き下ろしアクリルスタンドを配布します』
 「…………っ!」
 「……お嬢?」
 「…………わたくし」
 「うん?」
 「……わたくし……出ますわ」
 限界オタクの決意は固かった。
 しかし、この瞬間二人はまだ知らなかった。
 その“キャラ再現度コンテスト”には、まさかの強烈なライバル──梛の推し、アッシュを長年崇拝する“狂信的トップレイヤー”が出場することを……。
梛の決意表明に、リトは静かに頷いた。
「わかった。無理はすんなよ、お嬢」
「む、無理などではありませんわ! これは使命ですの! 推しへの愛を、形にする…っ ! 限定アクスタを手に入れるため、わたくしは立ち上がりますわ!!」
彼女の目は、いつものツンデレの“圧”とは違う、本気のオタクの“炎”を宿していた。その真剣さに、リトも思わず笑みがこぼれる。
「じゃあ、俺も手伝うよ。裁縫とか衣装作りの経験はないけど、小道具とか、買い出しとか」
「……え?」
梛は目を見開いた。意外だったのだろう。
「べ、別に……あなたの手伝いなんて、必要ありませんわ! わたくし一人で、完璧な推しを再現できますもの!」
「そっか。じゃあ、重い荷物とか、俺が運ぶわ。お嬢に怪我でもされたら大変だし」
リトはそう言って、梛の返事を待たずに生徒会室の扉を開けた。説明会が終わり、生徒たちがぞろぞろと出てくる。
「っ……!」
否定の言葉を飲み込んだ梛は、リトの背中を、真っ赤な顔で見つめたまま立ち尽くした。
その日の放課後から、二人の秘密の活動が始まった。場所は、もちろん例の倉庫裏だ。
「ええと……この布で、剣士の服の“あのフリル”を表現するんですのね……?」
梛は、高級感のあるベルベット生地を前に、真剣な顔つきでミシンを操作している。九条家の令嬢として、彼女は幼少期から刺繍や裁縫も一流だった。
「そのキャラ、めっちゃフリル多いよな。大変そう」リトは、衣装に使う予定の巨大な模造刀の持ち手を、ダンボールで補強しながら言った。
「た、大変とかじゃありませんわ! 推しが望むなら、わたくしはどんな困難も乗り越えますの!」
だが、フリルの一つに四苦八苦した梛は、思わず本音を漏らした。
「あああ、もうっ! このアホ毛が邪魔ですわ! 集中できませんの!」
彼女は、自身の長い金髪の房を掴み、軽く振り回した。
「アホ毛って……それ、お嬢の綺麗な髪だろ」リトが呆れて言う。
「うるさいですわ! 今はわたくしじゃなくて、推しに集中していますの!」
制作が難航する中、リトはそっと缶の緑茶を差し出した。
「ほら、休憩。……お嬢、さっきからずっと同じところ縫ってるぞ」
「い、いらないって言ってますでしょう! 甘いものは苦手ですわ……って、緑茶ですの?!」
梛はパチリと瞳を瞬かせ、リトの手から緑茶を受け取った。
「アッシュの好物が緑茶、と以前話していましたわね。……ふふ、わたくしとしたことが、うっかり推しと同じ飲み物で休憩してしまうなんて。べ、別に嬉しいとかじゃありませんわよ!」
彼女は一口飲み、そして小さく「……美味しい」と呟いた。
「よかった。なんか、お嬢が楽しそうで安心した」
「たっ……!? 楽しいとかじゃありませんわ! これは、推しへの愛の修行ですの! 誤解しないでくださいまし!」
しかし、その夜、梛がリトに送ったLINEには、興奮冷めやらぬメッセージが綴られていた。
> 「(緑茶のスタンプ)アホ毛が邪魔でしたわね。今夜はゆっくりと寝て、明日また制作に励みますわ。……ちなみに、明日も倉庫裏に来ますの?」
文化祭の準備期間が始まって一週間。梛の衣装は、その完成度から既に学園内で噂になり始めていた。
そんなある日、昼休みの教室に、生徒会長が緊張した面持ちで入ってきた。
「みんなに重要なお知らせだ。キャラ再現度コンテストに、サプライズゲストの出場が決定した」
生徒たちがざわめく中、会長は一枚の写真をスクリーンに映し出した。そこに写っていたのは、アッシュと瓜二つの人物。
『超有名コスプレイヤー”ロゼス"コンテスト電撃参戦!』
「ロゼス……?」
梛の顔から、さっと血の気が引いた。
リトが小声で問う。
「誰だ、そいつ?」
「しっ……! ろ、ロゼス様は……この界隈では知らぬ者はいない、神ですわ……!」
梛は震える声で答えた。
「推しへの理解度、衣装の再現度、そしてなにより推しへの狂信的な愛……全てが限界突破しているトップレイヤーですの!」
スクリーンに、ロゼスの紹介文が表示される。
> 「ロゼス。ARE BLADEのアッシュを、活動初期から一筋で愛し続ける。そのコスプレは、魂の降臨と称される」
「うそ……ロゼス様が……この学園に……。しかも、わたくしと同じ推しで……!」
梛は、手強すぎるライバルの登場に、一瞬で心が折れかけた。
その日の放課後、倉庫裏。
「お嬢、衣装はほぼ完成だろ? 諦めるのか?」リトは梛に問いかけた。
梛は膝を抱えて、頭を振る。
「む、無理ですわ……。ロゼス様は、神ですもの……。わたくしのような、まだひよっこオタクが、神に勝てるわけがありませんわ……」
推しへの愛は本物でも、その前に立ちはだかる“壁”の大きさに、彼女は初めて自分の限界を感じていた。
リトは、完成した豪華な衣装をそっと撫でた。
「神とか、ひよっことか関係ないだろ。お嬢は、そのキャラの衣装を、自分の手で縫い上げた。誰にも負けないくらい、愛情がこもってるよ」
彼は梛の目を見て、まっすぐ言った。
「推しへの愛に、序列なんてないだろ」
その言葉が、梛の心に深く突き刺さった。
「……っ、わ、わかってませんわね! 愛に序列がなくても、完成度に序列はあるのです! 完璧でなければ、推しに失礼ですわ!」
「でも、お嬢は限定アクスタを諦めるの?」
リトの言葉に、梛の宝石のような瞳に、再び強い光が戻る。
そう、限定グッズのためにここまできたのだ。
「……わたくしは、九条梛ですの。やると決めたら、最後までやり遂げますわ。……ロゼス様が神なら、わたくしは神に挑む者ですわ!」
彼女は立ち上がり、完成したアッシュの衣装を抱きしめた。
「リト、手伝ってくださいますか? 最終兵器を、作りますわ」
「おう! 任せろ、お嬢!」
二人の、推しへの愛をかけた、最後の戦いが幕を開ける。
梛がリトに頼んだ「最終兵器」とは、推しキャラの必殺技を再現するための特殊効果だった。
「推しは、剣を振るう際に、必ず銀色の魔力の光を纏いますわ。あの光がなければ、わたくしの推しは不完全ですの!」
「銀色の魔力の光……か。よし、任せろ」
二人は学園祭前夜まで、倉庫裏で作業を続けた。リトは理系科目が得意で、電子工作にも詳しかった。彼は、衣装の剣に仕込むための小型LEDと特殊な拡散シートを使ったギミックを提案した。
「この剣の溝に、極小の銀色LEDを仕込む。そして、衣装の動きに合わせてスイッチが入るように……小型の振動センサーを組み込むのはどうだ?」
「振動センサー……!? つまり、剣を振るった瞬間に、銀色の魔力が一瞬だけ爆発的に輝くというわけですのね!?」
梛の瞳が輝いた。それは、技術的な完璧さと、オタク的な「解釈の一致」が結びついた瞬間だった。
徹夜明けの朝。文化祭当日。
倉庫裏で、梛はついに全ての装備を身につけた。長い金髪をウィッグで隠し、推しキャラの絶対領域が眩しい騎士装に身を包む。普段の彼女からは想像もできない、神々しい完成度だった。
「……どうですの?」
頬を赤く染め、梛は緊張しながらリトに尋ねた。
リトは目を丸くして、絶句した。
「……可愛いとか、もうそんな次元じゃないな。本物だ。魂が入ってる」
「っ!? か、可愛いって言うなぁぁああ! でも……ほ、本物ですって……!? べ、別に嬉しいとかじゃありませんわよ!」
否定しているが、梛は嬉しさのあまり、軽く飛び跳ねた。
「よし。最後の確認ですわ」
梛は、最終兵器を仕込んだ模造刀を手に取り、優雅に、だが力強く一閃した。
シュンッ――という風を切る音と共に、衣装の各所に仕込まれたLEDが一瞬だけ銀色の閃光を放ち、すぐに消えた。
「成功ですわ! ロゼス様がどれほど凄かろうと、わたくしにはこの愛の証がありますの!」
昼下がり。体育館には、文化祭の目玉である「キャラ再現度コンテスト」の参加者と観客が集まっていた。
梛は客席のリトに向かって、そっと緊張の面持ちで頷いた。リトも親指を立てて応援する。
そして、ついにロゼスの登場アナウンスが響いた。
体育館の照明が落ち、スポットライトがステージ中央を照らす。そこに立つロゼスの姿に、会場からどよめきが起こった。
「す、凄い……」
梛は舞台袖で息を飲んだ。
ロゼスは梛の推しキャラと全く同じ、深い色のウィッグ、寸分の狂いもない衣装、そして何よりも静謐な佇まいで、観客を魅了していた。その姿は、まるでゲームのキャラクターがそのまま現実に出現したかのようだった。
「これが……神の再現度……ロゼス様のアッシュ...」
ロゼスの醸し出す”圧”は凄まじく、そこにいるだけで推しへの愛の重さが伝わってくるようだった。
ロゼスのパフォーマンスは、まさに完全無欠。セリフ、ポージング、全てが完璧で、会場は感動の渦に包まれた。
「……勝てませんわ」
梛は、手に持つ剣を握りしめながら、絶望に打ちひしがれた。
いよいよ、梛の出番がきた。彼女は深呼吸をし、ステージへと歩み出る。
「続いての参加者は、九条梛さんです!」
観客席から、ロゼスと同じくらい、いやそれ以上の大きなどよめきが起こった。「あの九条さんがコスプレ!?」
梛は、スポットライトの下で、震える体を無理やり固定した。
ロゼスの完璧な再現度を見た後では、自分の愛が小さく、不完全に思えて仕方がない。
「わたくしは……推しに……失礼なことをしてしまっ……」
その瞬間、客席からリトの声が聞こえた。
「お嬢! 呼吸を忘れるほどの愛を見せてやれ!」
その声に、梛の瞳に、再び推しへの愛の炎が宿った。
「わ、わたくしは……九条梛。推しを愛する、限界オタクですわ!」
ツンデレの“圧”などではなく、一人のオタクとして、彼女は真実を叫んだ。
そして、演技が始まった。梛は推しキャラが敵に立ち向かうシーンを演じた。
剣を構え、セリフを叫ぶ。その声は、完璧なロゼスの演技よりも、感情が溢れていた。
「わたくしは……あなたのために剣を振るいます! 」
最後のセリフと共に、彼女は渾身の力で剣を上段から振り下ろした。
ザシュッ!
その瞬間、リトが仕込んだ最終兵器が閃光を放った。銀色の魔力の光が衣装全体を覆い、舞台に強烈なエフェクトを生み出した。その光は、梛の瞳に映る推しへの愛の輝きと重なった。
光が消え、ポーズを決めた梛は、そのまま舞台で号泣した。
「はぁぁぁあ……尊い……っ! この衣装を着て、この技を再現できるなんて……わたくし、生きててよかったですわぁあああ!!」
その姿は、完璧さとは真逆だが、純粋な愛の爆発だった。会場は静まり返った後、すぐに割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。
審査の結果――
優勝は、九条梛だった。
「か、勝った……? わたくしが……ロゼス様に……?」
呆然とする梛に、ロゼスがステージ上で静かに微笑んだ。
「貴女の“愛”には負けました。あの魂の震えは、私には出せません。貴女こそ、真のオタクです」
梛は、限定アクスタを手に、舞台袖でリトに飛びついた。
「り、リトぉ! やりましたわ! わたくし……推しに報いることができましたわ!」
「おめでとう、お嬢。最高だったよ」
彼女は、はっと我に返り、すぐにリトから離れた。
「べ、別に……嬉しさで気が緩んだだけですわ! わ、わたくしは、あなたなんかに、別に感謝とかしていませんからね!」
そう言いながら、彼女は限定アクスタを、そっとリトの手に握らせた。
「これは……その……協力のお礼ですわ。別に、あなたにあげたいわけじゃ……その……あなたが持っていた方が、わたくしがいつでも見られて便利だからですのよ!」
リトは笑って、そのアクスタを受け取った。
「わかった。大事にするよ。お嬢の愛の結晶だからな」
梛は、顔を真っ赤にして、倉庫裏へと逃げ去った。
倉庫裏の壁にもたれかかった梛は、小さく呟いた。
「……もう、隠さなくてもいいのかしら……」
翌日、梛はリトと登校した。彼女のスマホケースは、相変わらず推しキャラでぎっしりだ。
「お嬢、今夜、新作アニメの初回放送だろ。一緒に観るか?」
「なっ!? い、一緒にって……! べ、別に観たくなんかないですわ! ……その、偶然リトの家に通り道があるだけですのよ!」
「そんなこと言って、可愛いn…」
「っ?!可愛いって...言うなぁぁぁあ!!」
梛の声が響く。
今日から九条梛、限界オタクによる新たな「推し事」が始まる。

ツンデレお嬢は限界オタク

ツンデレお嬢は限界オタク

超短編小説です

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-11-23

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著作権法内での利用のみを許可します。

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