ずっと夏

なつのおわり、きみがきれいなこえでうそをついたから、ぼくたちはずっといっしょにいるんだよ。

さいしょのもじは「な」
そのつぎは「つ」
そうやってどんどん、ふかみにはまる

やまないあめはないから
やまないわけがなかった

まっくろになっためだまやき
いまぼくがいきていること
のぞんでるのはきっときみだけ

ゆうやけとあぱーととおばあさんがくれたはちうえ
きっときっとそれでいいのに
できぞこない、ごめんね
おくすり、もう、ない

「お願いだから探さないで」
ふとつぶやいてみて、ほんとうになりそうでこわくて

またきみのむねのなかで、なにもしらなかったころにもどるんだ

いつだってきみのめはなきそうにうるんでいるから、うみなんかいかなくっていいんだよ。

さいしょのもじは「な」
そのつぎは「つ」
そのつぎは夏
そのさきも夏

ずっと夏

ずっと夏

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-11-10

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