無化願望

ああ これ以上 心を感じたくない
心に振り回されたくない
こんなものがあるせいで 私は
無駄に感傷的になってしまうのだ
意味もなく傷つきたがってしまうのだ
心は檻 ここから早く出たい
私に構わないでくれ
独りにしてくれ、と思う
独りになれば誰も傷つけなくていい
これは優しさではなく 諦め
私は傷つきやすさを誇りにしていた
もっと傷つきたいと望みさえした
けれどそれは間違っていた
優しさと傷つきやすさは何の関係もなかった
むしろ傷つきやすさは攻撃性と関連していた
心がなければ喜びもない?それでいい
それがいい 心ありきの喜びに用はない
感情に用はない あるのは無化願望だけ

無化願望

無化願望

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-10-28

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