模倣されど存在証明
すべては模倣だ
それも不完全な模倣
誰もがそこに足を踏み入れていて
誰もがそこから出られない
私も幽閉されている
オリジナルであることはできない
オリジナルであろうとすればするほど
それは単なる模倣になる
不完全な模倣は
大抵が改悪だ
あらゆる生が模倣であるように
あらゆる死さえ模倣
われわれ人間は無性生殖ではないから
遺伝子という名の呪縛を継承している
模倣に意味を見い出そうとすればするほど
模倣の意味は薄らいでゆく
開き直っても内省しても結果は変わらない
ただその空虚さに耐えるしかない
耐えながら、ここから出られないなら
せめて吠えることくらいはできるはずだ
意思が残っているとは
まだ生きているということだから
模倣されど存在証明