zokuダチ エスカレート編・13

復讐のゲス・10

「さあ、スネークさん、お薬ですよ、飲んで下さい……」

「どきどき、どきどき……、スネーク、どうか
元に戻って……」

「うう……」

いろはがスネークに薬を飲ませ、側では再び
少女モードに変身したこむぎがドキドキ
しながら状況を見守る。他の皆も……。
暫く立つと、スネークが目をうっすらと
目を開いた……。

「……此処は……、いろは嬢ちゃん、わんこ嬢ちゃん……」

「……スネークさんっ!よ、良かった~!」

「わんわんっ!わ~んっ!」

「あはっ!スネークさんも元に戻ったんだね、
良かったね、大福!」

「……♪」

いろはは元に戻れた経緯と薬の説明をスネークに
話し、ニコとメエメエの紹介もする。

「ニコでぇ~す!これからニコ達も宜しくねっ!」

「はじめまして、執事のメエメエと申します、
どうぞ、お見知り置きを……」

「……そうか」

「……う~ん、何だかまだ、ニコニコー!
……には、なれないみたいだね、仕方無いけど……」

スネークはニコとメエメエの方は見ず、返事を返す。
静かに床にしゃがみ込むと葉巻を取出し、一服するの
だった。

「……そうか、色々と世話になっちまったな、
だが、しかし……、このスネーク様とあろう者が
……、洗脳なんかされやがって……、俺は心底
情けねえ男になっちまったんだな……、俺も
もう歳か……、情けねえ……」

「してしまった事は私達も同じよ……、大切な
友達を傷つけたんだもの……、絶対に許される
事ではないわ……」

「……そうだね……」

ユキとまゆも再び俯く……。洗脳されていても、
闇のもう一人の自分達が行った事を……。彼女達は
自分達のした事は全て覚えているのだから……。

「!!何言ってるの!まゆちゃんもユキちゃんも
悪くないよっ!だから……、もう自分を責めないで!
……お願い……!」

「そうだよ、ちゃ~んとこうして帰って来て
くれたんだもん、こむぎも嬉しいよ……、えへ……」

いろはとこむぎはまゆとユキをぎゅっと
抱擁。もう何処にも行かないで欲しい。
ずっとずっとこうしていたい。大好きな
まゆとユキを。いろは達の優しさの温もりを
彼女達も改めて感じるのだった。

「ありがとう、私達、これからもずっと
一緒だね、いろはちゃん、こむぎちゃん……」

「……じゃあ、いろはとこむぎがもしも嫌だって
言ってもずっと一緒にいていいのね……、ふふ……」

「もう~、嫌だなんていわないよっ!ユキのバカ!
そんな事言ったらこうだよっ!べえ~っだっ!」

「何よっ、こむぎっ!」

「……ふふふ、ふふ……、あったかい、
友達って本当にいいな……」

泣きながら抱き締め合うわんぷりガールズ達を見て、
何か悟ったのか、漸くスネークも顔を上げる。
そして、先程ユキに引っ掻かれて手放した、
自分のライフルを拾い上げた。

「……やっちまった事は幾ら悔やんでも
もうどうにもなんねえ……、んな事は
当たり前だ、……俺もバカだった……、
あんな小せえお嬢ちゃん達に教えられる
なんざ……、よし、もう一度……、俺も
立ち上がるか……出来る事はしねえとだな、
眼鏡の坊主……!」

「……ス、スネークさんっ!」

スネークは悟の頭をぐじゃぐじゃ撫でる。
そして合図と目配せするのだった。

「よしっ、おい、其所の残りの坊主達もだ、
今から俺と徹底防衛だ、今は戦場時なんだ、
子供だって休んでる場合じゃねえぞ!」

無論、残りの坊主達とは、谷口と少年の事である……。

「え、え~と、僕も……、でしょうか……?」

「……僕に構わないでって言ってるのに……」

「何時、又他の奴等が戻ってくるか分からねえからな!
ニコ嬢ちゃん、俺にも薬を分けてくれ!」

「うんっ、良かったー!♪やっとおじさんも
元気を取り戻して、ニッコニコになったねえー!」

「ハイっ!ですねえ~!」

「おい……、其所の眼鏡ヒツジもだよっ!」

「メぇっ!?……わ、わたくしも……、ですかあーーっ!?」

「……当たりメぇだっ!野郎は皆協力するんだよっ!
よしっ、ミッション開始だっ!」

「じゃあ、いろはちゃん達、ちょっと行って来ます!」

「うん、悟君、気を付けてね……」

悟はいろはに大福を預けるとユキとまゆに
手を振りスネークと共にパーティルームを
飛び出して行く。まあ、ミッションと言っても
ランニング&見回り程度だが……。スネークも
味方に復帰してくれた為、もうマンションの
護衛の方は完全に安全面に……。

「はあ、これでホントにど~にか此処は
落ち着いたみたいね、あたし、何だか
疲れちゃったわあ~……」

「……美奈は人質になってただけじゃないか、
良く言うよ、たく……」

「何ヨッ!アルテミスっ!」

「有難う、あなたが守ってくれるって
言ってくれたから、私、頑張れたよ、
怖くなかった、……ありがとう……」

サラが静かに少年にお礼を言う。少年は
相変わらずの仏頂面で静かに言葉を洩らす。

「ふん、ずっと言ってる通り、気が向いたから
そうしただけだよ、もう構わないで欲しいな……、
やれやれだよ……」

「ふふ……、じゃあ、気を付けてね……、
マンションの見守り、宜しくお願いします……」

「……ふん……」

(みんな、凄いなあ、俺もまだまだだなあ、よし、
丸井達がちゃんと戻って来たら、練習再開だ、
練習量も倍に増やさないと……!マンションの
見回り、よしっ、これも特訓の内だっ!)

ドサクサに紛れ、谷口のど根性サド具合が
パワーアップしそうであった。

「……な、なんでぇ~、わたくしまでが……、
とほほ~……」

「メエメエ、ふぁいとおーっ!ほら、悟は
もう先に行っちゃったよーっ!」

「……はっ、さ、悟くう~んっ!……お待ち
くださぁぁ~い!!わたくしも参りますよーーっ!」

「……」

ニコに悟を引き合いに出され、猛スピードで
メエメエも飛出して行った……。そんなメエメエを
只管ジト目で見つめていた、いろはの腕の中の
大福アニキでありました……。

「……本当にまゆちゃんとユキちゃんが
戻って来てくれて良かった……、後、私達に
出来る事はジャミルさん達がどうか無事に
帰って来てくれます様に祈るだけだよ……」

「……ええ、そうね……」

「どうか無事に帰って来て、ジャミルさん、
皆……、私達、皆が帰りを待ってるよ……」

「♪大丈夫だよっ、ジャミルはしぶとい
管理人さんだもん!後の皆を連れて絶対
に戻って来てくれるよっ!」

「……こむぎ……、だ、駄目だよ……、
今頃ジャミルさん、くしゃみしてるかも、
ご免なさい……」

「……彼、ハンマーで頭叩いても倒れそうに
ないものね……、逆に怒って飛び掛かって
来そうだわ……」

「もう~、ユキまで……、……でも……、
あはははっ!」

「♪ふふふふっ!」

ユキの暴言に笑い出すまゆ。いろはとこむぎは
そんな二人を見て微笑み合い手を繋ぐ。そして、
窓から星空を見上げた。まだ全員戻って来て
いないにも係らず、少しマンション内は
バカ騒ぎになりそうであったが、それでも皆は
一時の安らぎと明るさと希望を得る事が
出来たのである……。

そして、話は再び屋敷側に移る。ジャミルとチビは、
離れ離れの仲間と合流する為、広い屋敷を走り回り、
……放浪していた……。

「……はっくしんっ!……だ、誰だ、
俺の噂してるのは……」

「大じょぶきゅぴ?お風邪ひいた?
さっき、お水に落ちちゃったもんね……」

「ハア、此処、さっきも通ったよな、……畜生、
同じ様な景色が続き過ぎて……、一体何処
走ってんだか分かんなくならあ、まいった、
……はあ……」

「ジャミル、……頑張って、ぴい~……、
もう少しだよお~……」

疲れて来て、遂に走る足を止めてしまったジャミルを
チビが頬を舐めて励ます。が、俊足のジャミルももう
疲れて足がパンパンだった。何せ今日は、はーちゃん
失踪からもう休む事無く、只管動いているのだから、
普段元気なジャミルでも疲れが来て当然だった。

「ああ、頭じゃ分かってんだけどな、急がなきゃなって、
……けど、チビは空が飛べるからな、俺らとは断然的に
違うんだ、どうしても……、な……」

「ジャミルうう~……、ぴいい~……、ジャミルが
元気ないとチビ悲しいよお~……」

「……チビ……」

疲れの所為と焦りもあるのか、つい、ジャミルも
愚痴り出してしまう。チビに八つ当たりする気は
ない物の……。今日は気分がモロダウド状態だった。
自分は疲れている中、自分の目の前で平然と空を飛び、
頑張れと口にするチビを見ると、どうしてもイライラが
募ってしまうのである。


???:侵入者排除、ウンコは排除します……


「ぴい~?」

「だ、誰だっ!?…」


坊や達、お久しぶりね……


「その声……、!!お前は……、ルーゼっ!
何処だよっ!姿を見せろっ!相変わらず卑怯な
クソババアだな!」

「ぎゅぴ!ルーゼっ!?ぎゅ、ぎゅぴいいっ!?
ジャミルーーっ!!」

「……な、ななな!何だテメーはっ!」

「……何だテメーはってか、ぎゅびびび!」

ジャミルとチビは身構える。ルーゼの声はする者の……。
本人の姿が見えず……。だが、その場に現れたのは、
異様なドラゴンのメカロボットだった……。

「初めまして、やあやあこんにちは、私はルーゼ様に
作られし、最強ロボ、チータと申します……」

「はあっ!?」

「ぎゅっぴいいっ!?」


……そうよ、ジャミルとクソドラゴン……、
残念ながらあんた達はもう此処でお終い、
このロボットは研究を重ね、そのクソドラゴンから
戦闘力、知能データを抽出したコピーロボットよ……


「何だと……?じゃあ、アイツはチビのニセモン……、
て、事か……?」

「……チビの偽物……、なの……?」

「チビっ!動揺すんなっ!落ち着くんだ!」

「……び、びいい~……」

「ジャミ公、クソドラゴン、あんた達は邪魔です、
私こそが本物の究極ドラゴンなのです、幸せは
歩いてこないので、もう此処で終わりなのです、
ジャミ公、其処で大人しく観ていなさい、その
糞チビが私に叩き潰される瞬間をっ……!」

「……始めて会ったクソ野郎にまでジャミ公
言われたかねえっっつんだよっ!チ、チビ……、
うわっ!!」

「ジャミルぅぅーーっ!!」


邪魔よ、ジャミル……!あんたはもう何も出来ないの!


何処からか、突如巨大な砂時計が出現し、ジャミルは
その瓶の中に閉じ込められてしまうのだった……。


……ホホホ!良い眺めです事!さあ、チータ、
こいつの目の前で偽物を徹底的に潰しておやり!
いい気味だわ!じゃあね!


「おい……、なんじゃこりゃああーーっ!ルーゼっ!
テメエ、ふざけてんなよっ、こっから出せええーっ!!
出せったらだせーーっ!!」

ジャミルは拳で瓶を叩いてみるが、瓶はびくともしない。

「ジャミル、待ってて!今チビがブレスで瓶を
燃やして出してあげるね!」

「ふざけた事はしません様に、此処は偽物と
私の一対一のタイマン勝負なのです、……余計な
事すると、……」

「びいっ!?」

「……はうわああーーっ!!」

チータがドスンとジャンプすると突然ジャミルの
頭上から大量の砂が……。どうやら、こいつが
暴れると砂時計から大量の余計な砂が落ちて来る仕組みの
様で有り、下手をすれば、ジャミルが速攻で砂で埋まって
しまう恐れも……。

「びいいーっ!!」

「如何ですか?古典的でしょ?……糞チビ、ジャミ公は
人質です、制限時間内に私を倒さないと、あの砂が全部
振って来た時、タイムオーバーです、彼は砂に埋もれて
死ぬ事になります……」

「チ、チビっ……、俺は大丈夫だ、畜生、……こんなモン……、
……あでえええーーーっ!!」

「……ジャミルっ!イジワルな偽物めっ!ふざけるのは
やめるきゅぴ!今すぐジャミルを彼処から出してっ!」

お約束発動。また拳で力を込めて瓶を叩き割ろうと
したジャミ公。見事に失敗し、腫上った拳で痛さに
のた打ち回る。チータはそんなジャミ公を見て、
ゲラゲラ笑いだした。

「バカですね、だから出してやらないとは言っておりません、
あなたが私と勝負して素直に勝てばいいんですから……」

「び、びいい~……」

「どうですか?やる気になりましたか?
拒否しても直ぐに彼を窒息させる事は出来るの
ですから……、あなたに拒否権は有りませんよ、
ですが、……あなたはこの最強のドラゴン、チータには
絶対に勝つ事は不可能……!!」

チータはチビを挑発する。そして、更に巨大な
ドラゴンへと姿を変えた……。

「分ったよお、チビ、チータと戦うよお、そして絶対
ジャミルを助けるからね……、待っててね、ジャミル……」

「……フン、何時までその口が聞けます事やら……、
哀れな……!」

「チビ……、っく、……バカ野郎、俺がまた油断して
ドジ踏んだりしなけりゃ……、チビ……!」

チビとチータは互いを挟んで睨み合う。……ジャミルは
閉じ込められた砂時計の中、どうする事も出来ず、自分の
頭上から落ちてくる迫り来る砂を掴みながら……、
悔しげに只黙って見ている事しか出来ないのであった……。

「……行きますよ、糞チビさんっ!覚悟しなさいっ!!」

「びいいーーっ!」

チータが青い炎を吐く。チビも負けじと炎のブレスを吐く。
しかし、チータはルーゼに作られし、チビの能力を取り込んだ
得体の知れないロボット。……小さなチビの方が明らかに
押されているのである。青い炎は瞬く間に巨大化し、チビを
包み込んだのであった。青い炎に包まれたチビはダメージを受け、
地面に落下する……。

「ぎゅぴいいいーーっ!!」

「……チビっ!チータっ!てめ、やめろおおーーっ!!
チビっ!どうしたんだよっ!頑張れっ!あんな
ニセモンに負けるなっ!」

ジャミルが叫ぶがどうにもならず……。……辛うじて、
チビはどうにか生きてはいたが……。

「ぴいいい~……」

「さすが、渋といですね、……あなたは普通の
ドラゴン達と違うのは認識しています、ですが、
もうそれで終わり、偽物のあなたを倒した後、
あなたの力はこの私が完全に受け継ぎます、この私が、
……いずれは長のレッドドラゴンをも倒し、ドラゴンの
中のドラゴン、最強の力を持つ、このチータ様が
ドラゴン谷を支配、ドラゴン達のエリートとして、
頂点に立つのですから!!ははははっ!」

「……ドラゴン谷を支配……?びいいいっ!?」

「んなろう!ルーゼの野郎!ニセモンにチビの力を
取り込ませたのもそれが目的かよっ!!」

「……大丈夫、チビが……、絶対にそんな事……、
させないよっ!!」

「そうだよっ!偽物が絶対本物に叶う筈ねえんだよっ!
チビはお前一人だけだっ!本物のチビだよっ!」

「……ジャミル……」

「……黙りなさい、癪に障りますねっ!本当に
やかましい男だ!」

「ぴ……、ぴいいいーーっ!!」

チータは倒れているチビを更に挑発。爪でチビの頭を
思い切り引っ掻いた。

「チビっ!だからテメエっ!!やめろって言ってんだ
よおおーーーっ!!」

「……うるせージャミ公ですね、口を塞いであげますよ、
ほら、砂の量を倍にしてあげます、お腹も空いている
頃でしょう、た~んとお食べ!」

「……うぎゃああーーっ!!」

ジャミルの頭上からは更に倍の砂が……。もうジャミルが
砂に埋もれてしまうのも時間の問題だった。ジャミルは
何とか砂から顔を出し砂を吐き出す。

「……っぷ!ぶはあっ!……畜生……、チビ……」

「実におもしろい光景……、ジャミ公、あなた、
まるでアサリみたいですね、あさりちゃん!」

チータは瓶の中でもがいている、呆れたあの子は……、
あ……、状態のジャミ公を見てゲラゲラ笑うのであった……。

「ジャミル……、チビ、チビ、どうしたらいいの、チビ、
このままじゃ……、負けちゃうよお~……、ジャミルを
助けられない……、ぴい~……」

「一つだけ……、彼を助ける方法を教えて差し上げます……」

「ぴ……?」

「どっちみち、もうあなたは私には勝てません、だから、
選択権をあげます、今此処で私に誓いなさい……

「ぴいい~……?」

「私にひれ伏せ、そして、ルーゼ様に従え……、
そして、私の部下となれ……、それだけです、
簡単な事でしょう……?」

zokuダチ エスカレート編・13

zokuダチ エスカレート編・13

SFC版ロマサガ1 トモダチコレクション キャプテン まほプリ ロマサガ3 FF9 わんぷり FF8 コードネームはセーラーV クレしん メタルギアソリッド クロスオーバー バカ どんどん増える変な住人 カオスな世界 ドラクエ オリキャラ 陰からマモル 幻想水滸伝ティアクライス 幻想水滸伝1

  • 小説
  • 短編
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-10-22

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二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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