『断罪』
教室中の注目の的になって
あの子はきっぱりと指差した
『断罪』
私は悪くないんです
隣の席の小さな声が震えてた
私だけじゃないんです
それは確かにそうかもしれない
誰か一人に押し付ければ
楽になれると皆知っているから
今沈黙が続いているという現状
壊すとしたらもうすぐ鳴るチャイム
だけど罪は一点集中した
ただ一人を除いて誰もが安堵する
自分の罪じゃなかった
悪いのは自分じゃなかったと
本当に?本気でそう思えてる?
沢山の悪意と無意識に紛れて
自分は無罪と言い切れる根拠は何
それとも断罪する側になれば罪は消えるの?
止めを刺したのが誰かなんて
もう意味が無くなった今になって
議論する余地がまだあると言うの
言い逃れ以外の言葉で話して
アタシはアタシに罪を科した
精算することのできない罪を
嘆いて非を認めて今は静かに
死ぬまで罰を受ける覚悟がある
彼女が生きた証があるとするなら
それはアタシという罪人だけ
最後まで抱き締めていたかったけど
また会えるまでどうか待っていて
「そして無慈悲にチャイムは鳴り、日常が動き出す」
『断罪』