『ごはん日記。1』
この日記はこんなかたがたへおすすめです。
就労支援施設B型ってどんなところ? と感じたり、中に入るとどのような感じ? どんな人びとがいるの? とふしぎに思うかたがたがもしもいましたら、ぜひお時間あるときお読みになってみてください。
そしてお近くの就労支援施設の前を通りがかったとき、そこはどのような施設なのか想像を少しだけ働かせてみて、その想像が当たっているのかどうか確かめてみてください。
朝ごはんはなにを食べようかとお考えになっているかたも、もしもいましたらもちろんお気軽に読んでみてください。
始まり踏みだす一歩を迷うかたへ。
ぱんのたべかた。
施設のパン工房で作っているチョコクリームが中に入っている丸いパン、チョコパンの夏向きのおいしい食べ方がわかった。
冷蔵庫できちんと1時間以上冷やしてから、トースターで1、2分弱温めること。
そうすると中のチョコレートクリームがひんやりとしたまま溶け出さず外側の生地はパリパリとして、おいしくいただける。
チョコパンだけではなくクリームパン(中身にクリームが入っている丸いパン)やジャムパン(中身にいちごジャムが入っている丸いパン)などの種類の菓子パンにこのやり方が合いそうだ。
今度試してみたい。
わたしが施設でよく買い、冷蔵庫に置いてあるグラタンパン(平たく丸いパン生地にマカロニグラタンとチーズやパセリがのっている)やウィンナーチーズパン(長方形のパン生地の上に3等分したウィンナー1本とチーズ、ケチャップがのっている)などの惣菜パンの食べ方は、レンジで500wで20秒ほどチンした後、それらの惣菜パンに好みで粉チーズや乾燥パセリ、粗挽きコショウを追加でふりかけてからトースターで2分ほど温め直していつもおいしく食べている。
コッペパンで作る、手作りドッグサンドイッチにも少し工夫をしていただく。
焼きそばコッペサンドにはかつお節や青のり、マヨネーズをプラスしたり、ホットドッグにはケチャップと粗挽きコショウをプラスしたりする。
卵サンドコッペには乾燥パセリをふりかけてみる。
温め直す手間やトッピングの工夫はすべておいしくわたしの胃の中におさめるためだ。
わたしは支払うお金の対価として釣り合わないおいしくない食事を胃の中に入れるのは実はとても苦手だ。
値段が安かろうが高かろうがどちらでもなかろうが、お金の対価とわたしが想像するレベルがイーブンであるかさらにおいしくなければ、毒を口に含んでいるような気分になってしまう。
だからこそ、買った値段と想像する味、それをおいしく食べるための小さなアイデアたちはわたしにはメビウスの輪のように繰り返される運動であり裏と表、切っても切れない関係性である。
わたしはチープな味も、自然体な素材の味も、繊細な技巧派な味も、好きだ。
想像を超える味も、想像どおりの味も好きだ。
いかにおいしく胃におさめるか考えることも好きだと思う。
限られたなけなしのお金を支払ったパンをおいしく食べたい一心でいつもどのような方法があるのか考える。
わたしの好きがつまった行為だ。
うちの施設のパンの良いところはお買い求めしやすい安価で多種類のパンを選ぶ選択肢があることであり、福祉的な視点を育める場所へ投資できる社会的意義ある行為をスキマ時間でできることであり、他の福祉施設のパン工房にも負けず劣らずの味までさまざまな立場の人々のお力をかりなんとか向上したことで、消費者、購買者が自ら工夫してさらにおいしく召し上がるアイデア行為が生まれることである。(オタク用語でいう二次創作みたいなものだと思う)
もしも無料でたくさん、うちの施設のパンを貰ったとしても、最初は幸運で嬉しくてもわたしはすぐに飽きて明後日を向いてしまう。
わたしと施設のパンの関係は毎日のほんの小さな問いだ。
問われれば答えたい。
わたしはそういう性分なのである。
ちなみにコッペパンのドッグシリーズは容器の蓋を開けると、せっかく作業でふりかけてある青のりやマヨネーズ、玉ねぎやケチャップやマスタードが蓋にほとんどくっついてしまう。
食べる時にトッピングがほぼ無いのである。
わたしはパン工房で生地を丸めながらもパンを買う消費者の一人として物悲しい気持ちにいつもなってしまう。
うちの施設にはコッペパンに生クリームやチョコレートソースをはさんだ菓子パンがある。
生クリームが汚く崩れないように生クリーム系の菓子パンに付ける透明シートというものがある。
それをコッペパンのドッグシリーズに貼るひと手間を加えるだけでその課題は解消に一歩近づくはず。
こういうことを考えることもすべてはおいしくパンをわたしの胃におさめるためなのである。
ぱんみみのそうぞう。
今日の朝ごはんは就労支援施設で買ったお安いパン耳スライスをピザ風にしてみて、おいしくできて嬉しかった。
パン耳は食パンをごく薄くスライスした形状をしている。
そんなパン耳をレンジで500w20秒くらい温め直しピザソースを塗り広げ乾燥バジルをふる。
先にトースターで2分ほど火を通しておいたスライスしたたまねぎやピーマンやナスをパン耳に置いて、ミックスチーズを大さじ1くらいをぱらぱらとふる。
仕上げに乾燥パセリをふりかけ、あとはトースターで2分から3分焼いて出来上がり。
薄く広いスライス状なので手でそのままピザのようにかぶりついても、ふたつにおりたたんでブリトーのようにして食べてもおいしいかなと思った。
2枚をピザ風で作ってみた。
お腹いっぱいになり満足だった。
わたしは4枚入りのパン耳の半分をピザ風にしてみたのであとの半分はどうしようかなと思っている。
レシピを調べたらフレンチトーストでもおいしくいただけるそう。
お金はあったほうが絶対自由度が上がって良いし、わたしはお金が大切だけれど、ある範囲のお金で楽しめる工夫も日々挑戦してみると毎日が創造的に少し変わっていくものなのかもしれないとも思う。
お金は個人個人で使いどころや使いかたが違って良い。
そのひとの価値観が出てくる。
一部のひとたち以外はお金という資源は限られている。
無尽蔵ではなく自由度限られたなかで日々生活を営む。
多くの人々はそういう生活を生きるということをしているわけだから創造の芽は育つとわたしは思う。
おまつり。
きょうは町のお祭りだ。
天気の様子は不安定でわたしがお祭りを周ろうとしたとたん小雨が降った。
お祭りの近くのお店で傘を買い求めて、お祭りの雰囲気を楽しんだ。
お祭りの中に入っていくと炭火の香りだったりお腹に響く音楽だったり、お店の人々の元気の良いかけ声、店先のフルーツ飴やチョコバナナ、たこ焼きなど色彩豊かなお祭りならでは定番商品たちがむかえてくれる。
お祭りは楽しむための非日常だ。
小雨と人いきれがあったため母が買ってくれたたこ焼きを家で食べた。
大きめで熱々、かつお節がひらひら踊っていて口に入れたら上品で紅生姜を微かに鼻に感じ、臭みの無い美味しさが広がった。
お祭りの味だ。
もう一点、これは自分で、燻製のおつまみセットも買った。
これは夕方に味見したい。(燻製チーズを食べたが強すぎない自然体な燻製の香りが豊かで美味しかった。家族も完食できた)
お祭りは人々同士の繋がりを確かめる手段のひとつでもある。
内から外へ、引かれたラインを超えて繋がる勇気を持つ日。
やがて非日常に手を振り、人々はまた日常に立ち戻り生活を粛々と営む。
非日常の想い出写真を、日常でふと惜しみながら。
こっぺぱん 1
今日の朝ごはんは体調の関係でちょっと作ることがおっくうだったけれど、施設にて買ったコッペパンをおいしく食べたい一心で時間もあることだし、作ってみた。
2つコッペパンをナイフで背割りしてからトースターで2分未満火を入れ、千切りにしたにんじん、ミルクと砂糖をお好みで入れた卵液、ウィンナー1本を用意し、フライパンで調理していく。
ウィンナーは油を引かずソテー、卵液はスクランブルエッグに、にんじんは油炒めで特に味はつけなかった。
焼きあがったコッペパンの底にケチャップを入れ、それぞれに自分のお好みで具材をのせていく。
わたしはにんじんとスクランブルエッグは両方に入れ、たまごの少ない方にウィンナーソテーを追加し、仕上げにパセリと粗挽きコショウをふりかけて出来上がり。
インスタントコーヒーとともにおいしく食べられて良かった。
全体としては自然な甘さがある味付けで子ども向けかもしれない。
自分で作るときは塩分を控えめにしているので、味のパンチが欲しいひとがいたなら、マスタードを追加したりケチャップではなくピザソースにしたり塩気を足したら大人向けの味になると思う。
野菜の種類はサラダのような生のトマトやレタス、紫生玉ねぎなどももちろん合うと思うけれど、ソテーしたにんじんやキャベツ、きのこ類もコッペパンには合いそうだ。
今回は火を通したにんじんと一緒にいただいた。
コッペパンはハンバーガーやサンドイッチに挟む具材ならなんでも合いそうだと思った。
セサミコッペパンなどがあったら変わり種でおもしろいかなとも感じた。
コッペパンは3つ入りなのであとひとつ残っている。
明日は、どうやっていただこうか。
こっぺぱん 2
コッペパンの最後のひとつを簡単に調理して朝ごはんに食べた。
時間ある休日の朝だからできること。
前の晩の夕食、タラのムニエルが冷蔵庫に残っていたので、それを使うことに決める。
コッペパンは背割りにしてトースターで2分未満焼く。
具材はタラのムニエルの骨を外し、身をほぐして、マヨネーズで和え粗挽きコショウをふる。
フライパンでみじん切りした玉ねぎと冷凍パセリをソテーし塩コショウで味付け、タラと混ぜ合わせる。
アイコという水分が少なめのミニトマトを輪切りにしておく。
あとは焼きあがったコッペパンの間にミニトマトやタラの具材を詰めて、乾燥パセリと乾燥バジルをふりかけて出来上がり。
タラの臭みを気にして味をしっかりめにつけたけれど、意外とミニトマトの爽やかさな甘酸っぱさがタラの味を引き立ててくれた。(タラにも塩分が含まれているため塩味の調節はお好みで)
マヨネーズだけではなく粉チーズを混ぜたりマスタードを混ぜても美味しいのではとわたしは思った。
タラの切り身一つにたいしてコッペパン一個は具材の量が多いのでコッペパン二つがちょうど良さそうだ。
美味しいものを美味しく食べる。
これが数多の命をいただく人間が人間らしく生きる姿のひとつかなと思う。
ふと施設のパンをお買い上げしたお客様たちはどうやってお召し上がりになるのだろうと感じた。
人それぞれのご家庭、食卓に、ちいさなしあわせの芽を生み出せるようなパンであれば良いなとわたしは思う。
施設の好きなパン投票ランキングがあれば施設のパンを誰もが身近に気軽に楽しめるなとも思った。
ろーるぱんさんど。
今日の朝ごはんはロールパンサンドイッチを作ってみた。
昨日の夕方に、固めのゆでたまごと玉ねぎのみじん切りのバター炒めを作っておいたもの、買っておいた千切り済みキャベツを利用して朝に簡単に調理した。
冷蔵庫に置いておいた施設のロールパンを背割りにしてからトースターで2分未満リベイクし、洗ってキッチンペーパーで水を落とした千切りキャベツを焼いたロールパンの中にしく。
小さめボウルにゆでたまご1個と炒め玉ねぎ、マヨネーズと塩コショウをお好みでふりかけ混ぜ合わせタルタルソースを作る。
冷蔵庫にきゅうりの浅漬け(酢と辛子入りの父が作ったもの)がのこりものとしてあったので、わたしはそれも少しだけみじん切りにしてタルタルソースに加えた。
タルタルソースを千切りキャベツの上にバターナイフで置くように塗り、最後に乾燥パセリをロールパンの中央にふって出来上がり!
ホットコーヒーとともにいただいてみたが、ロールパンは控えめに自然な甘さと柔らさ、千切り生キャベツとタルタルソースはさくさくと爽やかな夏らしい風味だ。
わたしは難病の理由から脂質控えめのマヨネーズを使用しているため、さっぱり薄味めに仕上がるからそう思えたのかもしれない。
タルタルソースに酢や砂糖を多少加えたり、ひとにより味付けの好みを追求しても楽しそうなロールパンサンドイッチだ。
昨日の夜から元気が無かったわたしだけれど朝ごはんが癒してくれた。
少しだけ自分自身に丁寧に接することは日々を魔法にする。
そのことを、人間だけが知っている。
おすしおにぎり。
今日の遅め朝ごはんは、おすしおにぎり。
疲れたときわたしはおにぎりが食べたくなる。
夕ごはんののこりもの、甘塩焼き鮭一切れの半分を使った。
鮭をレンジで軽く温めなおしトースターにアルミホイルをしいて2分ほど焼く。
身を菜箸でほぐす。
酢飯の素は黒酢を小さじ1杯未満、砂糖を小さじ2分の1弱、混ぜ合わせる。(塩はお好みで。ただ甘塩鮭を使うのでわたしは入れなかった)
ごはんを一杯分深皿に盛り酢飯の素と合わせしゃもじでかき混ぜてから、ほぐした鮭を入れさらに混ぜ合わせる。
かつお節を少々散らし粗挽きコショウをふり、混ぜて馴染ませる。
ラップに小さめのおにぎりを2つ作り、焼きのりでそれぞれ巻く。
ほうじ茶とともにおいしくいただいた。
酢飯が疲れた身体をやんわり癒やしてくれ塩あじの効きすぎない優しい味だった。
塩こんぶを少量加えてみたり、ごま油を少しだけ垂らしてみたりしてもさらにおいしいかもしれない。
今度試してみたいと思う。
あまり強い刺激を受けたくなくておすしおにぎりを食べている間ラジオの音楽を聞いた。
NHK リサイタル・パッシオという番組。
わたしは時々聞いていて、今回はギタリストの音色。
音楽への技巧と情熱が合わさると美しい演奏だなと思えるし感動に震える心を内側に感じる。
こういうものからも元気をいただけて、おいしい朝ごはんになった。
なにもできないときは能動的には動けなくても、受動的に受け取る刺激や情報をセルフコントロールしてみる。
そうしてゆっくりと思い出す。
なんでもできることが人間にはないように、なんにもできないことも、人間にはないのではないかと。
朝ごはんの時間はいろんなことをわたしに教えてくれる。
でざーとろーる。
今日は庭で採れたブルーベリーを最後の1個のロールパンに使ってみたくてデザート風甘めロールパンサンドにしてみた。
背割りにしたロールパンをトースターで2分未満リベイクし、クリームチーズを背割りした底面に塗り、ママレードジャムも背割りにした側面に塗りひろげた。
バナナを三分の一ほどナイフで薄くスライスし、ロールパンの背割り部分に挟むよう並べ隣にもブルーベリーを数個並べる。
シナモンパウダーを真ん中に少々ふりかけて出来上がり。
残ったバナナやブルーベリーは無糖ヨーグルトと蜂蜜と一緒にいただく。
デザート風ロールパンサンドは、ブルーベリーの甘酸っぱさ、ママレードの柑橘系な爽やかさをクリームチーズの軽めなまろやかさが包んでくれて、初夏らしい味わい。
あたたかいほうじ茶とともにおいしく食べた。
朝、小窓の切れ端から見上げる青空たなびく白い雲は、今日だけはわたしのためにある。
そんな錯覚をしてしまうほど、ちいさなしあわせを運んでくれた、朝ごはんだった。
ちらしふうかんたんおにぎり。
朝ごはんのお話ばかりの日記だけれど、書く。
わたし自身なぜこんなに朝ごはんのお話をしているのかは、よくわからないのだけれどたぶん、書きやすいのだと思う。
そうではないお話はとうめい。ブログ 花雨。名義のほうで書いているので、気になったかたがもしもいましたら、プロフィール欄にリンクが貼っているので読んでみて欲しいです。
今日の朝ごはんはちらしずし風おにぎりを食べた。
きのうはつい、おいしく食べ過ぎてしまったのでさっぱりとした朝ごはんが食べたかった。
つくりかた。
黒酢小さじ2分の1と砂糖をお好み量を混ぜ合わせておき、ごはんにふりかけしゃもじで混ぜかんたんな酢飯にする。
父が作った夏野菜のきゅうりの浅漬け(生姜、大葉入り)を包丁で刻み、かにかまを2本さいて、塩こんぶをお好みの量とともに酢飯にいれる。
具材と酢飯を混ぜ合わせラップでおにぎりのかたちににぎり焼きのりでまく。
あたたかいほうじ茶といただく。
かにかまの赤色ときゅうりの浅漬けの緑がいつものおにぎりよりも色があり食欲をそそる。
酢飯でちらしずし風にすることでほどよい酸味が食をすすませる。
さらに目にいろどりが欲しかったり身体に栄養を摂りたかったりする場合は、ごま油で炒り卵を作ったものを具材に混ぜ込んだり、刻んだ生の大葉や白ごまなどを少量追加したりしてもおいしくいただけると思う。
焼きのりはまいてもまかなくても、おいしいとは思うけれど、わたしはおにぎりらしさを求めるのと、食物繊維を少しでも摂りたいのでまいていることが多い。
きのうはクレープやチョコバナナなどをお店で食べたり買ったりしておいしく食べた。
お祭りではなかったのだけれどお祭りに売っているようなデザート類をいただいた日だ。
あるクレープ店(テイクアウト店であるけれどイートインスペースもある)で食べたキャラメルクレープは、カスタードクリームがきっと手作りでたまごの香りや優しい甘さが口のなかに広がり、クレープ生地のもっちり食感が満足感を身体にいつも与えてくれる。
クレープは生クリームかカスタードクリームかを選択でき、追加料金を支払えばそれらを合わせることもできるそう。
味が多種類あるクレープだけではなく、軽食にロングポテトや飲み物で地元の牛乳を使用したソフトクリーム入りコーヒーゼリークラッシュなど目に楽しいメニューが季節ごと豊富にあるお店だ。
クレープ店とは他のお店だけれど、たまたま見つけ売っていたチョコバナナはお祭りよりもお安く手軽に買えて食べやすい味だった。
幸運でおいしかった。
きのうはたくさんいただいたので今日はお腹の具合をみながら過ごしたいと思う。
明日の朝ごはんは、なにを食べようかなと楽しみにしながら。
つうしょのようす。
わたしの体調があまり良くないまま1週間が過ぎた。
今日は久しぶりに朝、起きることができたので体調の流れに逆らわず通所した。
いつもより動きがナマケモノのように遅く(抑うつという症状かもしれない)、手間がかからない冷凍オムライスを朝ごはんに食べ、ドタバタと通所の準備をし、なんとかいつもの出勤時間に間に合った。
本日はパン工房の出勤日だったので、施設に着いたら工房着という制服に更衣室にて着替えた。
パン工房に入室し工房専用の上靴に履き替え、髪の毛をヘアネットの中にしまい手をよく洗う。
粘着テープでころころと工房着の細かなホコリを取る。
さて、作業の始まりだ。
注文が入ったパンや在庫補充のためのパンなど、パンの種類とグラム数をホワイトボードでまず確かめる。
職員や利用者たちの間でも口頭で生地の種類やグラム数を確認し合う。
今日はレーズンパンや菓子パンなどの種類を作った。
決められたグラム数、パン生地を切り分け計り、生地を張るよう丸める作業をわたしはした。
番重や天板を用意する利用者もいる。
レーズンパンの生地はパン生地にレーズンが数個入っている状態が理想のため、切り分けるときや丸めるときにレーズンをなるべく切らないよう数個ずつ入れ、生地を丸める時にはレーズンがパン生地から飛び出さないように生地中身や生地底面に押し込むように丸める。
そのため時間がちょっとかかってしまう。
少しコツがいるレーズンパンだけれど、パン生地は張るように丸めないとパン生地はきちんと膨らまないそうだ。(丸めすぎても膨らまないらしい。そして触る手の体温でどんどん生地の発酵が進んでしまうためある程度の素早さとバランス感覚が求められる)
個人的にはレーズンパンという作業ひとつとっても、集団として生産を上げる効率的なやり方、作り方を取るか、個人個人の技術や経験を少しでも上げる作業の難易度のやり方、種類を取るか、作業目的によりさまざまな視点があると思っている。
菓子パン生地は具材が無いため比較的丸めやすいとわたしは思うけれどレーズンパン生地より生地量が多めなので、そのひとのてのひらの大きさや握力によっては、丸めやすさはひとそれぞれ変わると思う。
お昼ごろの作業は洗った番重や天板をひたすら拭くことだ。
食中毒警報が鳴る真夏に、番重や天板の汚れを落としきり水気をきちんと拭き取ることはとても重要だ。
縁の下の力持ちだと言い聞かせひたすらわたしは作業をする。
他にも数種類の生地の粉や調味料を計量する作業もある。
ごはんを食べて休憩を取って、午後の作業は残った洗いものや焼き上がって粗熱を取ったレーズンパンを詰める作業、掃き拭き掃除、ゴミ捨てなど、利用者たちそれぞれ分かれて作業をする。
わたしは冷蔵庫や冷凍庫、作業台や粉入れにふりかかる白いアレ(小麦粉)をひたすら濡れタオルで拭き取った。
この作業をすると動かしにくさが身体のどこかから出てくるため、自身の身体が現状どれだけ浮腫んでいるかどうかがすぐわかる。
浮腫すぎると、やはりわたしにとっては体調が悪くなるサインだ。
そうして作業が一段落すると全員が整列し、お疲れ様でしたと作業終了の挨拶をする。
パン工房を出る。
パン工房の場合の1日の流れはだいたいこのような感じだ。
曜日によってパンの種類や量が違うので、大枠では同じことをしているとは思うけれど、微妙に工房内の雰囲気が違うことを個人的に感じる。
パン工房の面白さは異なる得意技を持つ集団で連携プレーをし、ひとつの結晶を作ることだとわたしは感じる。
ゆるくつながることが苦にならないひとに向いているような気がする。
通所の様子はだいたいこのような感じだ。
施設の作業所のパンはどうやって作られているのか不思議な人びとがもしもいたなら、こんなふうに集団で頑張ってお作りしていますと答えたい。
『ごはん日記。1』