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いつまであの人のこと好きなんですか?と訊かれていつまでなんだろう、ずっとかも?と冗談混じりに返したつもりだったのにそうですかとだけ言いそのまま部屋を出て行ってしまった。怒らせちゃったかなという罪悪感と直接気持ちを伝えてくれはしない分かりづらさに愛おしさを感じつついつものようにナイトテーブルに置かれたお札を手に取り、それが幾らなのか確認する。そんなことを必要もないのだが。
私の何に気を遣ってくれているのか知らないけれどこうして会う度決まりごとのように一万円を置いていく。最初は買われてるみたいで最悪だったのにこれがあの子なりの気遣いの形なのかなと思うようになってからそれが少しだけ楽しみになっていた、これが私の家で今頃健やかに眠っているであろう干からびた男との関係を憐れんだものだったとしても。毎週知らない天井と、もらったお札を手に取って眺めてる時間が自分の生活の中からどこか浮世離れしてくれているおかげでこのまま飛び降りたって空も飛べてしまうんじゃないかと思う。外からの光も入らない閉鎖的な空間の中で、この気持ちだけが私を自由にさせてくれるから。
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