マツケン奮闘記・・?!⑧

今じゃ誰も知らない人は居ないんじゃないかってくらい、誰もが居座るようになったお馴染みのカフェの店・・。

そんな店の隅のテーブル席で、兄貴は奈津美の姉貴さんと何やら話しが盛り上がってた。

そんな中、兄貴は・・。

「あの?一つ聞いてもいいかな?」

「ええ、何かしら?・・」

「あっいやぁ、そう改まって返されると、ちょっと聞きずらいんだけど・・あのう・・この店を辞めたのって・・、
ああいや、こんな事聞くような事じゃないかな、あ、いいんです、忘れて貰えますか、すみませんね?」

すると・・・。

「あら、別に構いませんよ?・・・私、東京で就職したんです。友達が向うにいましたからね・・それでここの店辞めた
んです。でも両親には散々反対されましたけど、それでも私の夢でしたから、ちょっと強引に・・・それでも今は
何とか落ち着いてきたんです、それでこうして里帰りも出来たって感じかしらね、あ、でもそんなには長居はできま
せんから、近い内には向うへ戻らなきゃいけませんけどね?・・」


「ああ、戻るんですか?ああっいや・・そりゃあそうですよね、何言ってるかな俺は・・、ああ、すみません・・」

すると何気に美由紀さんがクスクス笑い出して・・。

「松岡さんって、楽しい方なんですねぇ?最初の印象は、取り消さなきゃいけないわぁ?」


その頃、俺はと言うと、そのカフェに向かいだしてるとこだ・・・。

けど、その出先の途中、何気に桜井を見っけた・・。

(何やってんだぁ?あいつ・・)

そこでだ。俺はなんか遊び心に火がついちゃって、なんかワクワクしながら桜井の肩に指を突き立ててみた・・。

そんでもって・・・。

「よっ?桜井、久しぶりー?!」

てなもんで、声をかけた・・。

すると桜井の奴、振り向きざまに「はっ?あっ・・」で、《ブスッ・・》ってな・・。

(よしっ!!)

なんとアッサリ、俺の思惑に、しっかりハマってくれちゃった桜井君・・ってなんか最高・・・。

(やったねっ?!)

「はは、案外、やってみると面白いもんだなぁこれってさぁ?はは・・よう桜井!元気かぁ?・・」

とか言うと、何気に桜井の奴、俺の顔見るなりおっかない顔して、俺の突き立てた指を払いのけた・・。

すると・・・。

「おいコラッ?!何やってんだよお前はよー?人の顔で遊んでんじゃねえよ、まったくー?!」

(はは、俺と同じ反応してやんの?けど結構、ハマるかもんだなぁこれ?最高ー!くせになるかもな俺・・)

とか思いつつ・・・

「ああ悪いなぁ?けどお前、こんなとこで何してんだぁ?なに、誰かと待ち合わせかー?」

すると桜井・・・。

「ああ、俺かぁ?って言うかお前こそ何してんだよ、こんなとこでー?」

(結構、俺より単純だったりしてな?・・)

「あれ?それって俺が聞いてんだけどなぁ?」

とか言うと・・・

「あっそうだっけ?ってかそんなのどうでもいいだろがよー?あ、まいいや、ところでさぁマツケン?お前、小池
知らないかな?」

と、急にマジな顔になった。

(はっ?なに急に・・)

「なに、小池がどうかしたのかぁ?ああ、そういやぁ俺、しばらく会ってないなぁ?なにお前、小池探してんのか?」


「ああ、どうもあいつ昨日から帰ってないみたいでさぁ?まったく何やってんだか人騒がせもいいとこだよ・・あっ悪い、
ああそういやぁ同総会、お前も来んだろ?そん時またゆっくりな?悪い俺、急いでるからさ行くわ、悪いなマツケン?じゃな・・」

(あっそういやぁ思いだした・・)

「あっおい待てよ桜井?言うの忘れてたけど、お前、小池が先輩と東京に行くって話し、先輩に断わられてたのって知ってたか?
まあ俺も聞いたばっかでよくは知んないけどさぁ?けどそれってもしかして小池が居ないのに関係あったりすんのかぁ?」

すると桜井の奴、急にニヤニヤしだした・・・。

(なんだよ急にー?不気味な奴だなー?)

「なんだよ、そのにやけた顔はよォ?俺、聞いてんだろー?まったく、訳分かんねぇ奴だなー?」

すると桜井の、にやけ顔が更に増した・・。

(なんか、むかつく・・)

すると桜井・・・。

「ああ、悪い?けどサンキュなマツケン?お前の言うの当りかも知んねえ、多分当りだな、あっまいいや、けど助かったよ、
ありがとな?そんじゃ俺、急いでるからさ悪いな?じゃぁなマツケン?またな?!」

と、まあなんともあっさりどっか行っちゃって、なぜか俺は、言う暇なしで取り残された。

(忙しい奴だなぁ、どうでもいいけど説明ぐらいしてけっつうんだよ、まったくよー・・)


とか思いきや、いきなり携帯が鳴りだした・・。

って、なんでまたこんな時に、とか思いつつ、何気に携帯開いて、超、驚いた・・。

(はっ?うそ、マジか?・・)

「はい・・・・」っで言葉が途切れた俺に、

『ああ、ホントに出た、ああ好かったぁ、あ、あの、松岡君?久しぶり?覚えてますかぁ?あたし、渡瀬ですけど?』

と軽く挨拶してくるのは、何を隠そう、俺が初めて・・じゃないな、まっそれに近い片思いしてた彼女、渡瀬千夏だ・・・。

とは言っても、俺は相手にもされてもなかったから、俺の片思いで終わったんだけどさ。

ってどうでもいいか・・。

「ああ、ほんと久しぶりだなぁ?けどなんで俺の携帯の番号知ってんだぁ?あっ俺、教えてたんだっけ?」

(ってなに俺、どうでもいい事聞いちゃってる訳・・)

すると・・・。

『えっ?ああそれ?それは美香に・・あ、ねぇ?ちょっと会えないかな?どうしても話したい事があるんだけど、無理?』

(うそ・・マジか・・・)

「あっああっ、そお・・あっいいよ?今からだと、何処がいいかな」

(うわぁ、いいのかよ俺、奈津美に了解なしに返事しちゃったよおい、これって不味くねぇっ?ってもう遅いだろ・・)

すると・・、

『好かったぁ、それじゃぁそうね、あ、ほら、学校の裏に公園があったじゃない、あそこはどう?いいーィ?』

って、俺に聞くのか・・て、まあそれは無理ないか、はは、なに考えてんだかな俺・・。

「ああ、そうだな、それじゃぁ、これからだから三十分後くらいかな、あっ嫌もう少しかかるかもだけど、そっち行くよ」

「あ、ホント?ありがと?それじゃ待ってますね?じゃその時に・・』で、「ああ・・」と言ったら、そこで切れた。


どうしてこうもあっさり、気持が入れ変わっちゃったんだか、奈津美の約束無視で、約束ってさすがに不味いよな・・。

そんな訳で俺は、急いでカフェにと走った。

とりあえず奈津美の用件だけでも聞く事にして、急いで行けば、まあ何とか約束には間に合うんじゃないかな。


とか思いつつ、そんなこんなでやっと着いた店に入ると・・・。

「よう兼太ー?ここだぁ?」

と、いきなし声を掛けて来たのは、まぎれもなく兄貴だ。

すると・・・。

「松岡君?じゃなくてマツケン君、だったかしらねぇ?昨日はどうも?!あ、さぁどうぞ坐ってぇ?」

と、何気に声をかけてきたのは、美由紀さんだ。

「ああ、どうも?なに今日は・・」

と、言いかけた俺の言葉を遮って、奈津美が割り込んできた。

「ねぇ?美香がいなくなったって聞いたんだけど、ねぇマツケンは、何か聞いてない?」

って、何いきなしかよ・・。

「ああその事かぁ?さっき来る途中で桜井に会ったから聞いたよ、何かあいつ探してるって言ってたなぁ?なに、お前の話し
ってその事かぁ?」

「えっ?ああ、そうよ?だって心配じゃない、それより、ねぇ?なんか知らない?って言うか聞いてない?」

「そんな事言われてもなぁ?ああそだ、小池の東京行くって話しさぁ?先輩と行くとかって言ってたろう?それ?先輩は
小池には断わったんだとさ?でだ?その事桜井に話したんだけどさぁ?なんかあいつ、急に機嫌よくなってたよ?って、
まあ俺にはどうでもいいけどな?・・」

すると俺の前に坐ってる奈津美が、俺の脚に、いきなり足蹴りくれた。って有りかよ・・。

「痛ってぇなぁ?なにいきなりー?!」

「まったくー?どうしてそうアッサリ切り捨てちゃうかなぁ?もう少し、言葉、選びなさいよねぇ?もうこれだから・・」

(はぁ?どうしてそうなるかなぁまったく・・あっ、いけね、もう行かなきゃよ・・)

「はいはい分かりましたよ?そんで・・じゃないか、ああ、あのとりあえずさぁ?俺も心当たり探してみるよ、なっ?そんで
勘弁してくんないかな?俺ちょっとこれから行くとこあんだよ、悪い?またなんか分かったら電話すっからさ?なっ?じゃ」

と、腰をあげた瞬間、何気に兄貴が・・・。

「おい、ちょっと待てよ、兼?」

と、呼びとめながら、何気に俺の首根っこを引っ掴んだ・・。

「ウゲッ!くっ苦しっ、苦しいっーんだよ、放せっーての?!まったくー?ああ死ぬかと思ったー?!何すんだよいきなりー?」

すると兄貴・・・。

「何処行くって言うんだよお前はー?いいからもう少し居ろよ、なあマツケン君?」

すると美由紀さんがニコニコ顔・・・、ってなに・・・?

「おふたりって、仲がいいんですのねぇ?羨ましいわねぇ?・・」

って、これの何処がだよ・・。

「ああ、あの?全然そんなこと無いですよ?いっつも俺、足蹴にされてますから?俺なんかより、兄貴が仲いいのは妹の・・」

とか言いかけたら、今度は兄貴のげんこつを食らった・・。

「痛ってぇなぁ?なんだよー?俺、嘘は言ってねぇぞ?!・・まったく・・」


「お前が可笑しなこと言い出すからだろ?少しは自嘲しろよな?!・・」


そんな中、奈津美は・・・。

(昨日のことまだ何も言ってなかったなぁ、言わなきゃね・・でもなんて・・二人だけなら言いやすいんだけど・・ああっそうだ・・)

「ねえマツケン?ちょっとあたしと付き合ってくれないかな?すぐすむからさ?ねっ?お願い?おねぇちゃん?ちょっと
いいでしょ?すぐ戻るから、あお、お兄さん?ちょっとマツケン君、お借りしてもいいですか?」

って、なに、俺って物かよ・・。

「おいコラ?俺は物かよ?まったく人をなんだと思ってんだか・・」

すると、すかさず兄貴・・・。

「物?あっいや違うなー?それを言うなら生き物、じゃないのかぁ?」

って、なんのリアクションだよまったく・・・。

「あのさぁ兄貴?俺をからかってんのか?あっまいいや、けどホント急いでんだけどなぁ俺?そんで何処行くんだ?あっいいか、
そんじゃ行こか?すぐ終わんだろ?なぁ?それじゃちょっと奈津美さんお借りしますんで、あとお二人ごでゆっくり?」

すると美由紀さん・・。

「ええいいわよ?遠慮なく行ってらして?ねぇ奈津美?」

とか言いながら、なんかクスクス笑い出した。

(何が可笑しいんだ?何か意味深だなぁ?・・けど、ほんと笑顔も素敵なんだなぁ?奈津美とは、どう見ても姉妹とは思えねぇよなぁ・・)

と、つい見惚れてしまった俺に、何気に奈津美がいきなり怒鳴った・・。

「何やってんのよっ!?ほらぁ?行くんでしょ?!なにデレーとしてるのよ、まったく・・」

「あっああ、わっかったよ?あ、あの、それじゃちょっと行ってくるよ?」

(なんなんだよ、まったくよー?何怒ってんだか、訳分かんねぇ奴だなぁ・・)


そんなんで、どう言う訳か奈津美と出てきてしまったのはいいけど、なんか知んないけど奈津美の奴、黙りこくったまんまだ・・。

(まったく、なんなんだよ、人を呼んどいてよー?!)

「なあ?何処まで行くつもりだぁ?俺、あんまり時間ないんだよなぁ?」

すると奈津美の奴が、いきなり頭下げた・・。

(はっ?なに?如何しちゃった訳?・・)

「あっあのさぁ?な、なんなんだぁ?いきなし・・よおー?な、奈津美?・・さん?」

すると、これもまたいきなり・・・。

「昨日はありがとう?あたし一人じゃ、何もできなかったって思う、だからマツケンが来てくれてほんと助かったし、嬉しかったの、
ホントはもっと早くに、言いたかったんだけど、でもなんか言い出す切っ掛けが掴めなくて・・ごめんね?でも、ホントありがとう」

って、何気に奈津美が泣いてた。

(うそ・・なに泣くんだよ・・けど初めて、かな、こんな奈津美っての・・あっはは、何考えてんだかな俺・・まいいや)

「辞めなって?俺は、何もしてねぇよ?あん時はたまたまだっただけだよ、なっ?だからそう改まったのはよしなって?それにさぁ?
お前の、そういうのって、なんからしくないんだよな?・・まったく、何事かと思っちゃったじゃないかよ?・・けどお婆ちゃん無事で
良かったよなほんと?・・ああっいけね?俺そろそろ行かなきゃよ、それじゃ俺、もう行くわ?そんじゃな奈津ー?もう気にすんなよ?
じゃな?」

で、俺は、渡瀬との待ち合わせの場所に、猛ダッシュで向かった・・。

その時、奈津美は・・。

(もうー?そんなに急いで何の用が有るのよー?まったく・・マツケンのバカ・・)



そんで俺は、やっと学校の裏にある公園に辿りつけた・・。

のはいいんだけど、どう見渡しても誰も居る気配無しって感じかな、もしかして俺が遅いってんで帰っちゃったのかな・・。

とか思いながら、とりあえずは公園の周りを一周して見た。

と、そん時。いきなりと言うか、唐突に、なんか凄い細い声で、背後からいきなり、俺は名前を呼ばれた・・。

(はっ?なに今の・・・幽霊かぁ?・・けど確かに俺の名前呼んでたよなぁ・・)

とか思いつつ、後ろを振り向くと・・・。

「松岡君?・・なんでしょ?こんばんわー?!あの、あたし渡瀬、ですけど・・・」

「ああ、好かった、俺、遅くなっちゃったからもう帰っちゃったのかと焦っちゃったよ、悪いなぁ待たせちゃってさぁ?あ、
けど、ホント久しぶりだなぁ?高校以来かぁ?って、そんなのどうでもいいかな・・」

(はは、何言ってんだかな俺・・)

すると何気に渡瀬が笑い出した・・。

(なんだよいきなり、そこ笑うとこかぁ?・・まあ、別にいいけどさ・・)

「なんか可笑しなこと言ったかなぁ俺?って、あのさぁ?そこまで笑ってるなよなぁ?、まったくさぁ?これでも俺、何気に
傷ついてんだけどなぁー?」


すると渡瀬・・・。

「ああごめんなさい?でもほんと、松岡君変わってないよねぇ?ほんとあの頃のまんまなのね?ちょっと驚いちゃったな・・。
ああ、ごめんね?あの、それでねぇ松岡君?今から話す事なんだけど、誰にも言わないでほしいんだけど、約束して貰える?」

(なんだぁ?なにいきなり・・)

「あ、ああ、分かった、約束するよ、で?なんなんだ?話しって・・」

「ありがと?・・実はねっ?小池さんって知ってるわよね?その美香ちゃんなんだけど、今あたしの家に来てるの、でもそれは別に
いいのよ、ただ・・・ねぇ松岡君?奈津美ちゃんの事だけど、松岡君は、どう思ってるのかな?教えて貰えない、かな?」

「はあ?何で俺なんだ?別に俺、奈津美とは、単なる同級ってだけの、友達?・・だなぁ?けどそれがなんかあんのかぁ?あ、あのさ?
俺、言ってる意味が良く分かんないんだけど、悪いちゃんと分かるように説明してくんないかなぁ?」


(何なんだぁ?俺と奈津美が美香とどう関係あんだよ、意味分かんねっ、はあぁ、久しぶりの再会だってぇのに何なんだよこの会話ー?)

マツケン奮闘記・・?!⑧

マツケン奮闘記・・?!⑧

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-01-31

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted