少女が忘れていたこと

初めて書きました!!超短編ですので、最後まで読んでくれた方はアドバイスでもしてくれるとうれしいです!!!!

人里離れた山奥に、屋敷があった。その屋敷は、不気味にたたずんでおり“幽霊が出る”などと噂されている。


まったく------不気味なところだ。どうしてこんなところに来てしまったんだろう?
私は今、屋敷の玄関ホールにいる。幽霊が出ると聞いたので、どんなものだろうと来てみたのだけれど、想像以上に不気味な屋敷だった。というのも幽霊を見たわけではない。この暗さ、西洋風と和風が混ざったようなインテリア、タイルで囲まれた閉塞感…これらの条件ならば誰だって良い気持ちはしないだろう。
 さてとりあえず屋敷の中を探索してみよう…。私は屋敷の一階をまず探検することにした。ホールの左手にある扉をくぐった。しかし広い屋敷だ…だれが住んでいたんだろう…。
 客間にたどり着いた。どうやら建物は古いようだが、中は綺麗なままだ。食器が置いてあったり、絵が飾ってある。住んでいたときの名残りがところどころにある。といっても屋敷の主が去ってから年月は経っているようで、埃がかぶっている。客間以外の部屋もどんどん探索することにした。
 しかし…特に面白いこともないな…。当然かもしれないが、幽霊など出るはずもなく一階の探索は終わってしまった。一階はキッチン、トイレ、客間などで生活面を補うために使われていたようだった。ということは2階は、屋敷の住人の部屋や書斎なんかがあるのではないだろうか?ということで私は玄関ホールに戻って2階上がる。
 主人の部屋と思われる部屋を発見した。だが、持ち物は持ち出されているようだった。この屋敷の住人は夜逃げでもしたのだろうか?純粋な引っ越しならば、家の家具など全て撤去するはずだ。どうやら見たところでは、最低限の物を持ち出して去ったのだろう。なぜそんなことをしたのかわからないが。私はてっきり、ここの住人が死んだのかと思っていたのでガッカリしていた。幽霊屋敷などと言われているくらいなので、その程度はあり得ると思っていたのだ。
 するとどこかで扉のしまる音がした。バタンッ。なんだろう…急に恐怖を感じた。おそらく一階の方だろう。私は部屋をゆっくりと抜けて、階段から一階におりようとした…そのときに、人がいたのだ。男女二人の恋人同士だろうか…幽霊かと思っていた私は安堵した。どう見てもあれは幽霊じゃない。おそらく幽霊が出るという噂で彼らたちも肝試しに来たんだろう。ふうっと安心したら女性の甲高い声が聞こえた。
「きゃあああああ」
男のほうも私を化け物でも見るかのような目で見ていた。
「まじでいたのかよ…」
二人が逃げるように屋敷を出て行く。
どういうこと?“まじでいた“って?-----------私は十数秒その場で立ち尽くしていた。次に周りを見渡した。
 そうか、そうだったんだ。思い出した。
 私は階段を上がって二階にのぼった。先ほど入った部屋の反対側の部屋に入る。部屋は異臭が漂っていた。そこには首を吊った少女が縄にぶら下がっていた。
 私、死んでたんだ。

少女が忘れていたこと

少女が忘れていたこと

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-01-31

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