無意識的告白への嫌悪

無意識的告白への嫌悪。人はなぜ訊いてもいないことを滔々と話してしまうのか?私はなぜ訊かれてもいないことを滔々と話してしまうのか?話せば話すほどに襤褸が出る。みずから進んで無防備になりにいくようなものだ。どうぞ私の弱点を、急所を公開したので思う存分攻撃してくださいとでも言わんばかりに。そんな自滅行為に及ぶのは破滅したがりの自暴自棄の人間だけだ。まともな人間は自分の弱点は何が何でも秘匿する、死守する......。自分の弱点を公開することで友好を図るというやり方もあるようだが、そんなやり方が万人に通用するわけではあるまい。大抵が邪悪な人間の標的になって蹂躙されるだけだ......。ああ、無意識的告白への嫌悪!我々は人と人とは必ず解り合えるなどという幻想を唾棄し、非難し、忘却し、自己という殻に文字通り死ぬまで閉じ籠るべきだ。

無意識的告白への嫌悪

無意識的告白への嫌悪

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-09-20

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