眠りの森
1989年 東野圭吾
加賀恭一郎シリーズ第二作目、眠りの森です。
舞台は東京にあるバレエ団。
そこで殺人事件が起こり、事件は簡単に解決すると思われたが…というストーリー。
加賀は前作でもそうですが、よく恋愛関係にある人物が出てきますね。
湯川シリーズではそういった恋愛要素がないだけに、加賀シリーズだけの決まりみたいのがあるのでしょうか。
それは今後も読んでみないとわかりませんが。
湯川シリーズでは人情的な描写が少ないように思う(淡々としていてノンフィクションに近い)のですが、対照的に加賀シリーズでは人間味あふれるオチが特徴なのかなと思います。
今作は半分くらい読んで犯人がなんとなくわかりました。
あまりにも怪しすぎるでしょ、あの人。
ネタバレになるから、書けないけども。
でも最後の終わり方は悪くはないです。
なんともいえない良い雰囲気で終わります。
バレエに対する真剣な思いみたいなものが伝わってきました。
加賀シリーズの一作目を読んだ段階で実は加賀恭一郎という人の設定、性格というものが、あまりよくわかってなかったんですよね。
なんというかあやふやな感じ。
特に本作では若い刑事ということのみで、キャラがいまいちはっきりしない。
前作では大学生だったし、剣道部という重みはあったんだけど、今作では加賀がナニモノであるかの描写が少ないような気がします。
だからこそ、最後の加賀の行動には驚かされるというか、変に納得してしまうのですけどね。
あーこういう人だったのか!と。
登場人物がほぼバレエ団のメンバーのみなので、非常に良いです(笑)。
私みたいに忘れっぽい読者は、これくらいが丁度良い。
ただ、狭い世界観なので、物足りなさは残る…かな。
刑事仲間はけっこういろいろ出てきましたね。
わき役はほとんど覚えておらず(笑)。
次作で登場してもわからないだろうなぁ。
太田っていう加賀の上司はなかなかよかったですが、最後の謎解きになると加賀の独壇場、ひとりで行動する形になっていて、あれ?と。
まぁ、そのほうがかっこいいですけども。
最後は自分ひとりかい!みたいなツッコミをいれさせてもらいたい。
後日談みたいなものがなかったのも残念な感じ。
スパッと終わってて格好は良いのだけど、ここまで読んだ読者におまけをくれよと。
警察がどういうオチをつけたのかが多少気になる終わり方でした。
次回は三浦しをん…といいたいところですが、ジェーン・エアです。
大学生の頃よく読んでた英米文学ですな。
長い話なので読み終わるまで他の作品と多少前後するかもしれません。
お楽しみに~(・∀・)
眠りの森