光の速度で
感情に蓋をするとは違う
きみは 傷つかないのだね いや
傷つくことを恐れないのだね
いくら傷ついてもきみは怯まない
それどころかきみは愉しげだ
どんな劣勢にも臆さず
どんな罵詈にも動じない
死んでいるふりとは違う
きみは 物怖じしないのだね いや
物怖じすらも愉しんでしまうのだね
きみを見ていると不安になる
きみが何を考えているのか
きみが何を目指しているのか
僕には知る由もないのかもしれない
きみの捨て身の生き方が僕には眩しい
きみの邪気のない笑顔が僕には苦しい
ふっと消えてしまうんじゃないかとか
そんなことをいつも心配してしまう
きみには余計な心配かもしれないけど
僕はきみにこれ以上
己が身を危険に晒してほしくない
そんな僕の願望とは裏腹に
向こう見ずなきみはどこまでも進んでいく
僕の手が届かない場所にまで進んでしまう
不意に振り返った時のきみの笑顔が
相変わらず僕には苦しい
光の速度で