クマのプーさんはセルフケアのお手本

クマのプーさんはセルフケアのお手本

【第4話:イーヨーが、しっぽをなくし、プーが、しっぽを見つけるお話】 《岩波児童文庫》

〜あらすじ要約・感想〜
《前半》

【お話し】
 ある日、ロバのイーヨーは、ぐるぐると考え事が止まらず、自分でもよく分からずに1人悲しくうずくまっていました。

そんな時にプーさんがやって来て、イーヨーは大変嬉しく思いました。
なぜなら、イーヨーはプーさんとお話をすることで、ぐるぐるしていた考え事が止まるからでした。

お話しをしているうちに、プーさんはイーヨーのあることに気づきます。
それは、イーヨーのしっぽがないということでした。

プーさんはイーヨーのために、しっぽを探し出す約束を交わして旅立ちます。
例えその道がとても険しくても、プーさんは諦めずに前進し続けました。
 ↓
【所感】
こんな険しい道でもプーさんはきっと、大事なしっぽを無くしてしまったイーヨーの悲しみを考えて、それを糧にしてイーヨーを元気付けたいという一心で頑張れたのかもしれません。
親友の大切なものをどうしても見つけたいというプーさんの思いやりを深く感じられて印象的な場面でした。
 先々のことを考えて計画や準備をすることは、危機を回避する上で大切ですが、時にプーさんのように後先を考えずに目の前のやりたいことややるべきことに向き合う精神も大切だなと感じます。
先々のことを考えることは、危機回避出来るという良い面がありますが、その裏返しとして、考えすぎると不安を大きく感じやすくなり、中々行動に移せなくなってしまうことがあるかと思います。
プーさんのように、後先を考えずに行動することは、危機回避が難しいという面がありますが、その反面、行動力があるということでもあります。それは、困難なことに対しても行動することが出来て、チャレンジしていけるという良い面があるかと思います。
どちらかが良い・悪いという訳ではなく、その時の状況に合わせて柔軟にバランス良く適切に判断し、選択していくことが大切なのではないかなと私は感じます。


《終盤》

【お話し】
旅を続けてプーさんはある森に辿り着きます。
そこでプーさんはここに住んでいるフクロウなら何か知っているかもしれないと考えて訪ねました。

フクロウはプーさんのために提案をしてくれました。
しかし、プーさんにとっては、フクロウの言葉遣いが難しい感じ、段々と集中力が切れていきます。
返事も適当になってきます。
次第にお互いのやり取りがあやふやに。
 ↓
【所感】
突然の来客の訪問にも関わらず、提案してくれたフクロウの優しさを私は感じます。
初対面でいきなり相手の理解度を把握することは難しいことと思います。
 プーさんはフクロウのお話しをうなずきながら穏やかに聴いています。
その様子をみて私は、言葉が「難しい」と感じたら、素直に「難しい」と言って良いんだよと、プーさんに言ってあげたい気持ちになりました。
 プーさんは、「薄謝」をくしゃみの「ハクション」と、勘違いしてしまい、そこから話がゴタゴタしてきて、脱線してしまっています。
また、フクロウはプーさんに対して「薄謝です!」と感情的になって言い正している場面がありました。
プーさんのこの勘違いに対して、フクロウが感情的になってしまうのは無理がないと思いました。
なぜそう思ったのかというと、プーさんの性格や特性を正しく理解していないと、プーさんに伝わる説明の仕方が分からなくて、フクロウもどうして良いのか分からなくて対応が難しいかと思います。
もし、分からないことがあったら、素直に「分からないので教えてください」とお伝えしていたら、もう少し和やかで心地の良いコミュニケーションが取れたのではないかなと私は感じました。
自分が今どんな状況なのか、相手に適切な自己発信をして助けを求めることは大切なこと。
 助けを求めることは、相手のことを助けることに繋がります。
なぜなら、相手は「どうして欲しいのかな」と、助けを求める発信を求めてくれているからです。
ですから、助けを求めることを恐れずにいてほしいと願います。
 コミュニケーションは双方の歩み寄りで成り立つもの。一方通行にならないように、相手のペースや考え方を尊重しながらお話し出来ると、より安心出来て良いなと私は感じます。
 しかしながら、この物語はファンタジーであり、あたたかい世界。その視点からみてみると、このふわふわしたやり取りは、愛らしくて可愛らしいと感じますね。


【お話し】
話終えた2人は、外へ出るとプーさんはイーヨーのしっぽを発見します。

無事にしっぽを見つけたプーさんは、早速帰り、イーヨーに知らせました。

自分の尻尾が見つかってイーヨーは大喜び。
しかし、このことでプーさんは複雑な気持ちになります。
 ↓
【所感】
 なぜプーさんは複雑な気持ちになったのか。
この時のプーさんの気持ちを考えると、自分が親友のために大変な思いをして見つけて来たしっぽなのに、何事もなくあっけなく幕を閉じてしまったことに自分の気持ちが追いつかなかったのかもしれません。
 悲しみに暮れていたイーヨーのことを考えると、外出する元気も無かったのかもしれない。
また、自分のことで精一杯で、周りのことを考えられる余力すらなかったのかもしれません。
そのことを考えると、イーヨーが喜んで笑顔になってくれただけでも、プーさんは本当によくやって頑張ったし、私はプーさんに花丸を沢山あげたいです。
、私は「イーヨーのためにプーさんありがとう!」と心から思いました。
プーさんに想いが届いたら私は嬉しいな。

【お話し】
最終的にプーさんは大好きなハチミツを食べて、自分で自分の機嫌を取って、気持ちを上手く切り替えることが出来ました。
最後は機嫌良く歌を歌い、めでたしめでたし。
 ↓
【所感】
自分の好きなことをして気持ちを切り替えることはとても大切で、プーさんは気持ちの切り替えすごいなと思いました。
まさにセルフケアのお手本。
不安なことや心配なことがあっても、プーさんのように、「あれ?何してたっけ?まあいいか。それより大好きなハチミツを食べよう🍯」という考え方は、深く思い悩まずに前向きでいられるために必要かつ大切なことだと感じます。

疲れたら好きなことをしよう!
疲れたから休むのではなく、疲れる前にちょっとずつ休憩を挟んでしっかり休むことは大切ですね。

最後までお読みいただきありがとうございました

クマのプーさんはセルフケアのお手本

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読書感想文/クマのプーさん

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-08-31

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