青梅雨

青梅雨が降らせた雨は、触れられない
かなしみの一片。

かなしみの雫に触れた向日葵は、
後ろを向いてしまった。

山吹色の花弁が一枚、落ちた。

落ちたのは花弁ではなく、
触れたかなしみの一片。

向日葵はそっぽ向いたまま、
花弁を落とし続けた

向日葵は泣かない、と
誰かが言った。

向日葵が笑うのは、夏の間だけ。

紫陽花はなくと
誰かが言った。

紫陽花が泣いているのは夏に恋する
向日葵を想う涙。

雨はいつも、誰かのかなしみに触れようとする。

青梅雨が降らせた雨は、
触れられないかなしみの一片。

青梅雨

青梅雨

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-08-26

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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