青梅雨
青梅雨が降らせた雨は、触れられない
かなしみの一片。
かなしみの雫に触れた向日葵は、
後ろを向いてしまった。
山吹色の花弁が一枚、落ちた。
落ちたのは花弁ではなく、
触れたかなしみの一片。
向日葵はそっぽ向いたまま、
花弁を落とし続けた
向日葵は泣かない、と
誰かが言った。
向日葵が笑うのは、夏の間だけ。
紫陽花はなくと
誰かが言った。
紫陽花が泣いているのは夏に恋する
向日葵を想う涙。
雨はいつも、誰かのかなしみに触れようとする。
青梅雨が降らせた雨は、
触れられないかなしみの一片。
青梅雨