賭け
紙面の上でおれは
自分の知らない言葉で話すのだ
思ってもいないことを話すのだ
箍が外れたように独りで話しまくる
一縷の偶然性に賭けながら
不意に飛び出した真実で
おれは致命傷を負う
おれは傷を撫でさすりながら
それでも奔放に話すことをやめない
無意味に傷つくことをやめられない
賭けた偶然性が成就するときは近い
もうすぐだ、そう言い聞かせながら
おれはなけなしの脈絡で言葉を紡ぐ
おれにしか理解できない理屈がある
それはおれだけが解っていればいい
おれだけがおれの掟を遵守すれば、
おれは独り舞台で華々しく散るのだ
夥しい紙吹雪を浴びながら
賭け